月波通信


Vol.14
2004年冬から夏号

望月通陽展「方舟に積むものは」
黒ごまバターとかわいいパン屋さん
ディック・ブルーナ展
チイミヤ
「キッチン・ストーリー」
ふたつの企画展に参加しました
幻のロシア絵本1920-30年代展
奥日光トレッキング

2004年のあたまから夏にかけての日記ダイジェストです。


望月通陽展「方舟に積むものは」

望月通陽「方舟に積むものは」刊行記念展(鷹の台・松明堂ギャラリー)を
見に行きました。
「ちくま」に連載された染色画と随筆が一冊の本になり、その原画の展示です。
いつもの、望月さんの静謐な世界が広がっていました。
そして、文章も、他の作品同様、深い森の中のような、遠い昔の風のような静けさでした。
大切な一冊になりそうです。(04.1)


黒ごまバターとかわいいパン屋さん

長野在住の友人C子からおみやげにもらった黒ごまバター。これが、すごくおいしい!!
バターにごまと蜂蜜と黒糖を加えたもので、
ほんのり甘くてこってりした胡麻ペーストという感じ。斑尾高原農場のもの。

ところで、近所においしいパン屋はないものかと思っていたところ、
大橋歩さんが雑誌のエッセイで紹介していたパン屋が、
けっこう近かったので行ってみました。
カタネベーカリー。歩くとちょっと遠いので、自転車で。
西原の住宅街にある、小さくて白くて、フランス風のかわいいパン屋さんです。
フランス系の固めのパンが中心で、どれもおいしそう。

ここで買ったパンに、黒ごまバターをつけて食べると、ついつい食べすぎてしまいます。

 


ディック・ブルーナ展

板橋区立美術館にて開催。
ブルーナと言えばミッフィーちゃんやブラック・ベアが有名ですが、
今回は1300点を越す大回顧展という事で、初期の作品からポスター、ペーパーバックと、
実に膨大かつ多彩な作品がならびました。
ブルーナに影響を与えたデザイナーの作品まで!なるほど、興味深かったです。
壁やトイレの鏡、建物にまでミッフィの顔が付いているのがかわいい!
ブルーナの絵は、あまりにも見なれているので、それほど注目はしてなかったのだけれど、
いやはや、たいしたデザインセンスです!!
シンプルなポスターや装幀など、すばらしいものでした。本当に観て良かった。
おみやげコーナーも、今回しか買えないものもあって、大盛況でした。
私は、顔Tシャツを買いましたよ。
ブルーナさん、75才、まだまだ現役です!(04.2)


チイミヤ

オンラインの本屋a2g+(books)のイベント「チイミヤ」が
ROBA ROBA cafeであるというので、行ってきました。
今回は、Fiep Westendorpさんの絵本2冊(新本)、小冊子、切手を購入。
ヨーロッパの切手は、何枚買えるかは、くじびきで決まるのです。
チイミヤは、運のいいコと熱意のあるヒトが得するしくみなのです(笑)。
私は5枚(セット含む)でした。運の良さは、「中くらい」。(03.3)


ヨーロッパの切手。
小さなアートです。
小さい額に入れて飾ろうかな。


7匹の仔山羊セット。ストーリーは、説明してもらってようやく思い出した。懐かしい!
このまま絵本にしたいほどの完成度。


「キッチン・ストーリー」

ノルウェー+スウェーデン映画。
1950年代初頭、スウェーデンの「台所調査研究所」では、
独身男性の台所での行動パターンを調べる事になり、
その調査員フォルケが、ノルウェーの田舎の老人
イザックの家にやってくる。
お互い口をきいてはならない、いかなる交流も
持ってはならないというのが厳密なルール。
高い椅子から真面目くさって観察をする調査員と、
申し込んだけれどやはり観察されるのは面白くない老人の、
無言のやりとりが、ものすごくユーモラスでおかしい!!
やがて、ふたりのあいだに交流が生まれ、
ゆっくりと友情が芽生えていくのですが…。

調査員が寝泊まりするトレーラー(まるっこくてかわいい)をひいた車が、
何台も連なってスウェーデンからノルウェーへ向かうシーンや、北欧の風景、
鉄でできた乳母車、老人のキッチンのテーブル、椅子、やかんやコーヒーカップまで、
何もかもがいい感じ。みんな欲しくなってしまいます。

老人の友達グラントが、老人と調査員が仲良くなった事をさびしく思い、
とった行動はちょっと極端で、それがひっかかったのですが、観終わったあと、
パンフレットの解説を読んでなるほどと思う。映画の中にもチラホラ出てきますが、
当時のノルウェーとスウェーデンとのあいだには微妙なわだかまりがあったようで、
グラントは、それも含めて余計におもしろくなかったのでしょう。(でもやりすぎだけど)

設定がおもしろいし、役者も映像もいい。なんと言ってもふたりの友情がほほえましいです。大好きな映画の1本となりました。(04.5)


ふたつの企画展に参加しました

知人の紹介で、ギャラリーまぁるから、
「100人の願い・ひとつの平和」展への参加のお誘いをいただきました。
売り上げは全額、ドイツ国際平和村へ寄付されるというもの。
販売用なら、染色画の方がいいかなーと思い、久々に公の場に染色画での出品です。
ベテラン勢もたくさん参加されていて、見ごたえありました!

◆◆◆

ギャラリー犀では、「Tシャツ展」に参加。こちらは、布用プリントゴッコで制作してみました。
染色画同様、こちらも私の絵柄にあってると思う。
が、けっこうむつかしい〜!ズレたりかすれたりにじんだり…。
これも手作りの味ということで、いかにも失敗作以外は出させていただいてます。
でも、我ながらかわいくできたと思う(笑)。


会場風景。
かなり種類があるので、皆さん
お気に入りが見つかったのでは。


cottonくん


fish book

内輪でのパーティの日に来てくれた友人h は、「うちわはどこ?」と聞いたそうです。
うちわじゃなくて内輪のパーティね!
参加者中心でしたが、それでもギャラリーは人でぎゅうぎゅうでした。

キッズL(レディースSくらい)、2種類各3000yen 
(04.7)


幻のロシア絵本1920-30年代展

この時代のチェコやロシアのアートが好きなので、
目黒庭園美術館に巡回してくるのを
とても楽しみにしていました。
アバンギャルド時代の、
紙質や印刷技術が悪いがために工夫して、
より強さと素朴さを持った作品達、本当にいいなあ。
デザイン的にも完成度高しです。ロシア文字もいいんだよね。
3階では、展示されてる絵本の中味を
ファイルした絵本も読めました。(04..8)


奥日光トレッキング

ホリーと、奥日光の中禅寺湖湖畔の菖蒲ヶ浜キャンプ場へ、一年ぶりに再訪しました。
気温が都内より10℃ほど低く、涼しくて快適。
お弁当を食べたあと、中禅寺湖に沿った登山道を、ぐるっと千手ヶ浜までトレッキング。
約4km、木々のあいだから時々湖面がきらきら光るのが見える。
千手ヶ浜で少しのんびりして、低公害バスに乗って戻る。
一般車は通行禁止の、森の中の美しい一本道。
竜頭の滝の途中で下車、滝に沿って下り、
滝を眺めながらソフトクリームをなめ、キャンプ場に戻る。


千手ヶ浜から男体山を眺める

翌日は、朝から雨がしょぼついている。天気予報を見て来たのに〜。
けっこう降ってきたので、当初の予定の山は断念、
空が明るい中禅寺湖の反対側へまわってみると…雨が降ってない。
場所によって、かなり天気が違うみたい。
展望台の駐車場に車を止め、半月山へ登る。
30分で登れる、小さな山。トンボの群れがすごい。
駐車場へ戻り、たぬきに似ているホリーは反対側の狸山へ。私は車でのんびり。
30分くらいで登って降りてきました。


竜頭の滝


展望台駐車場から

帰路。カーッと晴れてきて、暑い!下界はこんなにも暑い夏だった事を思い出す。
佐野サービスエリア(栃木)で車を降りたら、車の熱気とアスファルトの照りかえしで
暑いのなんの。干上がるう!遅いランチでひといきつく。
そのあとカーラジオから、東京が過去最高の39.5℃を記録したというニュースが流れ、
思わず口数も減りつつ東京へと帰っていったのでした。


(04.7)



2004.11発行
minami kawai


 

 

 

TOP(別ウィンドウで開きます)