歯科疾患の二大病変といえばう蝕(むし歯)と歯周病(歯槽膿漏)で、どちらも原因は歯に付着する歯垢(プラーク)です。歯垢の産生には食物、宿主(歯)、微生物(口腔内常在細菌)の三因子がある程度の時間共存することが必要になります。
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上図の三つの円が重なることにより下図のように歯垢が形成され、歯質を溶かしう蝕を、歯肉に炎症をきたし歯周疾患を引き起こします。 |

90%以上の小中学生はう蝕を1本以上有しており、歯肉炎・歯周炎は30歳以上の人のほぼ80%の人に程度の差はあるものの見られます。このようにう蝕と歯周疾患は有病率が非常に高く、医科疾患には見られない特異な疾患なのです。
原因も解らず,予防のしようがないという疾患とは違い、病因もほぼ明らかにされ,予防法もわかっていますのに,なぜ虫歯や歯周病の患者さんは減らないのでしょうか?
結論からいえば歯垢を掃除できていないということ、すなわち歯ブラシを用いた歯口清掃が適切に行われていないことにあるのが理解していただけると思います。 |
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