小石川七福神巡り            

TSMCワンダーフォーゲル部  2024年最初の部活です。

                                                                         レポート担当 


 2024年の正月は元日に能登で大地震が起こり、2日には羽田で航空機事故が起こり、穏やかな正月気分が吹っ飛んでしまいました。 恒例のお笑い番組が報道番組に置き換わり、現地の惨状を伝えていました。こんな正月は初めてです。今年の干支は甲辰(きのえたつ)だそうで、物事が良くも悪くも大きく変わり始める年だそうです。私は占いは信じませんが頭の隅にでも覚えておきましょう。今年は多くの主要国で大統領の選挙があります。これは予想ではなく予定ですからほぼ間違いなく起こるでしょう。結果、世界情勢に大きな変化がありそうです。こちらは専門家による分析です。とにかく変化の年になりそうです。我々としては、体力、知力を身に着けて変化に立ち向かいましょう。それには七福神巡りなどは最適ですね。

 今年の七福神巡りは小石川にしました。こじんまりとしたコースで、良く知ている地名にもかかわらずあまり歩いたことがありませんでした。メンバーは相澤会員、三浦会員、小林会員、安土会員、武田会員の5名です。
集合は分かりやすく、TSMC70周年記念展示会を行った文京シビックセンターの展示会場前の広間としました。しかし電話で連絡した会員には「広間」ではなく「広場」と伝わり、2名が向かいの公園の広場で待つという手違いに。やれやれ、伝言ゲームは面白いけど難しい。
七福神巡りの最初は福禄寿で東京ドームシティ内にあります。先ずは東京ドームに向かいました。
     

福禄寿様はシティ内のタイル舗装された通路とトロッコ列車?のレールに挟まれた狭い緑地にいらっしゃいました。開放的な明るい空間でいかにも遊園地内といった、テーマパークのキャラクターでも置いてありそうな場所です。私はこんな空間は好きですがここでは福禄寿の威厳やオーラはあまり感じませんでした。 ドームの野球殿堂博物館前を通って次の源覚寺へ向かいます。
     

東京ドームから北へ真っすぐ500mほど歩くと、左手に「こんにゃくえんま」の石柱があり、ここが源覚寺です。本堂横のお堂に毘沙門天がいらっしゃいます。お参りを済ませ閻魔通り商店街を抜けて左に曲がると坂道になります。坂道を登り切ったあたりで突然、道の真ん中に大木が現れてびっくりしました。説明板によれば、文京区指定の天然記念物「善光寺坂のムクノキ」で、樹高23mもあったそうですが空襲で上部が焼けて今の姿に。冬の今の時期は葉が落ちて枝だけを広げた姿で、まるで妖怪か木のお化けのようです。初めて見るなら夏に見たかったなぁ。
       

ムクノキのところで一休みしていると小林さんが大変なものを発見しました。今年亡くなられたTSMC会員岩附さんの訃報の張り紙です。すぐ近くにあった表町町会の掲示板にありました。お住まいが小石川方面だとは知っていましたがまさかこんな近くとは思っていませんでした。岩附さんは黎明期の機体をたくさん手がけられ、独特の作風、作品でTSMCの重要なメンバーでした。写真は岩附さんの作品でカーチス1912です。主翼は透明プラスチックを塗装したものでリブや骨組みが透けて見えるように考えられています。 
ご冥福をお祈りいたします。
     

次の福聚院を目指す途中で素晴らしく立派で美しい門を発見しました。徳川家康の生母、於大の方の墓がある傳通院です。七福神巡りには含まれませんが、中に入り本堂まで行ってお参りしました。広い境内は美しく完璧に手入れされていました。何やら周辺のお寺との格差を感じてしまいます。大黒天の福聚院は傳通院の門を背にして通りの右側すぐのところにありました。本堂横に幼稚園が併設されていて参道は幼稚園の運動場と共用のようでした。大黒様にお参りして次へ向かいます。
     

布袋尊の真珠院の本堂はモダンな建物ですが、お目当ての布袋様は本堂の後ろの墓地の一番奥にいらっしゃいます。この墓地がまるで迷路のようでそれなりに楽しめます。布袋様の大きな石像が見えているのですがすぐには辿り着けません。結局、墓地の仏像や樹木を鑑賞しつつ進むことに。境内に回文「宝船」の石碑がありました。「長き世の遠の睡りの皆目醒め波乗り船の音の良きかな」とあり、この和歌と隣の七福神の宝船の絵を枕の下に入れて眠ると良い初夢が見られるそうです。来年やってみる?
      

そろそろお昼となり食堂を探しました。ここは小石川の播磨坂のあたりで、オシャレで小綺麗な店を発見しのぞくと、タイレストランで女性客でいっぱいでした。次に見つけたのは少しこじんまりした店で外観からは分かりにくかったのですが餃子店でした。満員でしたがすぐに空いたのでここに決定です。デザートは隣の八百屋で三浦さんが買ってくれたバナナを皆で食べました。体を動かした後のバナナはとても美味しい。ご馳走さま!
     

次は極楽水の弁財天(女)と宗慶寺の寿老人です。弁天様はマンションに囲まれた緑地の小さなお堂にいらっしゃいました。扉は閉じたままでお姿は拝見できませんでした。七福神の赤いのぼりが無くこのお堂を発見するのはかなり困難です。宗慶寺は道路を隔てた向かいにあります。寿老人は入口の階段を上った右側の廊?に、きれいに着色されたお姿で透明なケースに入っていらっしゃいました。
     

播磨坂の桜並木を通って徳雲寺の弁財天(男)へ向かいます。お寺の門を入って行くと左側に小さなお堂があり弁天様がいらっしゃいます。扉が閉じられていたためお姿は拝見できませんでした。とぐろを巻いた蛇の姿とか、見たかったなぁ。最後の深光寺へ向かいます。メンバーはまだまだ元気です。
     

恵比須様は道路から右にそれた坂道の上の深光寺にいらっしゃいます。三浦さんがお賽銭をあげています。おや!鎌倉ハイキングの時は500円でしたが今日は50円ですね。何かあったのか・・・!?
大きな墓石は滝沢馬琴のお墓です。
      

これで七福神巡りは終了。茗荷谷駅前の喫茶店でコーヒーとスイーツをいただき、ホッと一息。さて恒例のお疲れさんのビールを求めて池袋へ向かいました。不案内な池袋で飲み屋を探して歩きます。駅のわりと近くに居酒屋を発見。外の街は人であふれていましたが、時間が早いせいかお店は混んでいませんでした。美味しいビールと料理、財布にも優しいこの店は当たりでしたね。今日はいろいろとハプニングもあり楽しい一日でした。これが七福神巡りの醍醐味でしょうか?来年もまたお願いします。お疲れさまでした!
     

前回の谷中七福神巡りでは、膨張する都会に押しつぶされそうになっても懸命に生き延びている七福神達を見ましたが、今回の小石川七福神巡りではその傾向がさらに進んでいるのを感じました。居場所を無くし引っ越しを余儀なくされた神様や固定したお堂がない神様など都会の事情で変っていく姿を見せられました。神が先か人が先かといえば人のいないところに神は存在できませんので、神様の居場所は人が作るものでしょう。時代の流れで文化もどんどん変わっていきますね。追う必要はありませんが、変化はしっかり感じていきましょう。


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