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ヘブライ人へ

  
"580101","ヘブル 1:1","神は昔、(多くの)預言者たちをもって、(一つの御旨を)多くに
分け、多くの方法で先祖たちに語られたが、"
"580102","ヘブル 1:2","(いよいよ)この最後の日には、御子[キリスト]をもってわた
し達に語られたのである。神はこの御子を万物の相続人と定め、彼によって(この)世界
をお造りになった。"
"580103","ヘブル 1:3","彼は神の栄光の放射であり、本質の像である。彼はまたその力あ
る言葉をもって万物を保たれる。彼は(この世に降り)、罪の潔めを成し(とげて、ふた
たび)高き所にのぼり、(神の)御稜威の"右にお坐りになっている"。"
"580104","ヘブル 1:4","(ことに)彼が天使たちより秀でた(子なる)御名を相続された
だけ、彼は彼らにまさっておられる。"
"580105","ヘブル 1:5","なぜか。神はかつて天使のだれにこう言われたか。"あなたはわた
しの子、わたしが今日あなたを生んだ。"またさらに"わたしは彼の父になり、彼はわた
しの子になるであろう。""
"580106","ヘブル 1:6","なお、神はその長男[キリスト]を、ふたたびこの世界に導きい
れようとする(再臨の)時に(つき、)言われる。"神の使たちはみな、彼[キリスト]を
おがめ。""
"580107","ヘブル 1:7","天使については(聖書に)"神はその使を風とし、その奉仕者を燃
える焔とされる。"と言うが、"
"580108","ヘブル 1:8","御子については(こう言う。)──"あなたの御座は、神[キリス
ト]よ、永遠より永遠に立ち、公正のつえは、あなたの王国のつえである。"
"580109","ヘブル 1:9","あなたは義を愛し、不法をにくまれた。このゆえに、神よ、あな
たの神は、喜びの油をあなたの仲間でなく、あなたに注がれた。""
"580110","ヘブル 1:10","また"あなたは、主よ、始に、地の基をすえられた、もろもろの
天はあなたの御手の業である。"
"580111","ヘブル 1:11","これらは消失せる、しかしあなたはながらえる。そしてすべては
着物のように古び、"
"580112","ヘブル 1:12","あなたはそれを外套のように巻き、また"着物のように"それは
変わるであろう。しかしあなたは(いつも)同じあなたであり、あなたのよわいは尽きな
いであろう。""
"580113","ヘブル 1:13","しかし、神はかつて天使のだれに対して、こう言われたことがあ
るか。"わたしの右にすわりなさい、わたしがあなたの敵を(征服して)あなたの足台に
してやるまで。""
"580114","ヘブル 1:14","(要するに、)天使とはみな(ただ)奉仕する霊であり、救を相
続すべき者のために務めをなすべく(神から)派遣されたものではないか。(御子にくら
べられないのは当然である。)"
"580201","ヘブル 2:1","(御子はこのように天使たちにまさっておられる。)だからわたし
達は(御子に)聞いたことに一層(深く)耳をかたむけ、押流されないようにせねばなら
ない。""580202","ヘブル 2:2","というのは、もし天使たちによって語られた(神の)言葉
(モーセ律法)ですら効力をもっていて、(その)違反と不従順とがすべて相当の罰を受
けたならば、"
"580203","ヘブル 2:3","(まして)こんなに大きな救の福音を(聞いた)わたし達は、(こ
れを)なおざりにしてどうして(神の裁きを)免れ(ることができ)よう。この救の福音
こそ主(キリスト)によって初めて語られ、聞いた人々からわたし達に確かにされ、"
"580204","ヘブル 2:4","神も徴と不思議(なこと)とさまざまの奇跡と、御心のままに聖
霊を分け与えることとによって、賛成の意を表されたのである。"
"580205","ヘブル 2:5","というのは、神はわたし達が(いま)語っている来るべき世界を、
天使たちには屈伏させられなかった。"
"580206","ヘブル 2:6","(詩篇の)ある所で、ある人がこう言って証している。"人間は何
者であれば、あなたは記憶されるのであるか。また人の子は何者であれば、心にかけられ
るのであるか。"
"580207","ヘブル 2:7","(神よ、)あなたは彼を少しのあいだ(だけ)天使たちよりも小さ
くされた。(しかし)栄光と栄誉との冠をさずけ、"
"580208","ヘブル 2:8","万物をその足の下に屈伏させられた。"しかし人は抗議して言うか
もしれない。一体"万物を屈服させた"と(言う以上)は、彼に屈伏しない何者をも残さ
れなかったというのである。しかし今、わたし達はまだ彼に"万物が屈伏しているのを"
見ない(ではないか、と。然り、この預言はまだ実現していない)。"
"580209","ヘブル 2:9","ただわたし達は、このイエスが"少しのあいだ(だけ)天使たち
よりも小さくされ(て地上に遣わされ)た"が、死の苦しみのゆえに"栄光と栄誉との冠
をさずけられた"のを見るのである。(そしてここに預言の実現がある。)彼が死ぬことは、
神の恩恵によって、万人の(救の)ためであった。"
"580210","ヘブル 2:10","なぜなら、多くの子たちを栄光に導くため、彼らの救の創始者(で
あるイエス)を苦しみによって完成することは、万物が彼のため、また万物が彼によ(っ
て存在す)る神に、(いかにも)ふさわしいことであった。"
"580211","ヘブル 2:11","というのは、(人を)聖別する者(なるイエス)も、聖別される
彼ら(人類)も、皆一つ(の本現たる神)から出た者であるからである。それゆえに、彼
は彼ら(人類)を"兄弟"と呼ぶことを恥じられない。"
"580212","ヘブル 2:12","いわく──"わたしはお名前をわたしの兄弟たちに告げ、集会の
中であなたをほめ歌うであろう。""
"580213","ヘブル 2:13","またさらに"わたしは彼[神]にたよるであろう。"またさらに
"見よ、わたしと、神がわたしに賜わった子らとは…""
"580214","ヘブル 2:14","だから、"子らは"血と肉とを共有しているので、(イエス)彼自
身も、(全く)同じようにこれを保たれた。(これはその)死によって、死の権力をもって
いる者、すなわち悪魔をほろぼし、"
"580215","ヘブル 2:15","死を恐れ、全生涯(その)奴隷になっている彼ら(人類)を(の
こらず)釈放するためであった。"
  216","ヘブル 2:16","然り、イエスは天使たちを世話(しようとは)されない。"彼は
(人類を)、アブラハムの子孫を世話される"。"
"580217","ヘブル 2:17","そのため、彼はどの点からしても"兄弟"(である人間)に似ざ
るを得なかったのである。彼は(人間に対して)憐れみぶかい、神に関することについて
は忠実な大祭司となられた。それは民の罪を贖うためであった。"
"580218","ヘブル 2:18","というのは、みずから誘惑にあって苦しみをうけたので、(同じ
く)誘惑にあう者を助けることが出来るからである。"
"580301","ヘブル 3:1","それゆえ、聖なる兄弟たちよ、天の選択にあずかった者よ、わた
し達が告白する使徒また大祭司(である)イエスに心を向けよ。"
"580302","ヘブル 3:2","彼は"モーセが神の全家に"忠実であったように、彼を創造され
た方に対して"忠実"であった。"
"580303","ヘブル 3:3","家を造った者が家(そのもの)より大きな尊敬を受けると同様、
彼はモーセ以上に大きな栄光に価する者にされたのである。(モーセは神の家、すなわち
イスラエル人の一員であったが、イエスはその家を造られた方であるから。)"
"580304","ヘブル 3:4","[(一体)家はみな人によって造られる。(従って神の家にもこれ
を造った人があり、それはイエスである。)しかし万物を造られた方は(もちろん)神で
ある。]"
"580305","ヘブル 3:5","なお"モーセは"、(将来預言者たちにより、また御子によって)
語られるべきことを証するために、"(一人の)僕"として、"神の全家に忠実"であった
が、"
"580306","ヘブル 3:6","キリストは"神の家"の御子として忠実であった。そして(キリ
ストを信ずる)わたし達は、そのキリストの家(の者)である。もしわたし達が(大胆な)
信頼と、希望の誇りとを最後まで堅く守っているならば。"
"580307","ヘブル 3:7","だから、聖霊が言う通りである。──"今日、あなた達は御声を
聞いたら、"
"580308","ヘブル 3:8","心を頑固にするな、荒野における誘惑の日に(わたしに)反抗し
た時のように。"
"580309","ヘブル 3:9","そこであなた達の先祖は(わたしを)こころみ試し、しかもわた
しの業を見たのである、"
"580310","ヘブル 3:10","四十年の間。"だからその"時代(の人)をわたしは憤って言っ
た、「絶えず彼らは心に迷っており、わたしの道がわからなかった」と。"
"580311","ヘブル 3:11","そこで、わたしは怒って誓った、「彼らは絶対にわたしの休みに
入るべからず」と"。"
"580312","ヘブル 3:12","気をつけよ、兄弟たちよ、あなた達のどの一人にも、悪い、不信
仰の心がおこって、生ける神から離れ(おち)るようにならないとは限らない。"
"580313","ヘブル 3:13","あなた達のうちどの一人も、罪に惑わされて"頑固になる"こと
のないように、"今日"という(日のつづく)うちに、日々互に励まし合わねばならない。
"
"580314","ヘブル 3:14","というのは、わたし達は(信仰に入った)当初にもっていた確信
を最後まで堅く守っているならば、(ただその時にのみ、)キリスト(の栄光)にあずかる
者となったのである。"
"580315","ヘブル 3:15","こう言われている。──"今日、あなた達は御声を聞いたら、心
を頑固にするな、(わたしに)反抗した時のように。""
"580316","ヘブル 3:16","というのは、だれが(神の命令を)聞きながら、"反抗した"の
であるか。(それは)モーセに率いられてエジプトから出てきたすべての人ではなかった
か。"
"580317","ヘブル 3:17","また、だれに対して神は"四十年の間憤られた"のであるか。罪
を犯し、"屍を荒野に横たえた"(イスラエルの)人々に対してではなかったか。"
"580318","ヘブル 3:18","また、(一体)だれに対して神が"その休みに入るべきでないと
誓われた"のであるか。信じようとしなかった彼らに対してではなかったか。"
"580319","ヘブル 3:19","すると、わたし達はみとめる、彼らが(約束の地に)入ることの
出来なかったのは、不信仰のゆえであったことを。"
"580401","ヘブル 4:1","だから、神の休みに入る約束は(今日もまだ)満たされていない
のに、あなた達のうちだれかが、(それに)入ることができぬと考えることのないように、
わたし達は注意を払おうではないか。"
"580402","ヘブル 4:2","なぜなら、彼等(イスラエル人がエジプトの虐待から釈放される
福音を聞かせられた)と同じように、わたし達も(罪の赦しの)福音を聞かせられたから
である。ただ(モーセから)聞いた(神の)言葉が、聞く人たちに信仰で結びつかなかっ
たため、(すこしも)彼らを益しなかった。"
"580403","ヘブル 4:3","というのは、信ずる者として、(今でも)"わたし達は休みに入(り
得)る"からである。神が言われたとおり──"そこで、わたしは怒って誓った、「彼ら
は絶対にわたしの休みに入るべからず」と。"しかも"御業"は世の始から出来(上がっ)
ていたのである。(そして神の休みはその時から始まっていた。)"
"580404","ヘブル 4:4","なぜなら、(聖書の)ある所で、(創造の)第七日について(神は)
こう言われたからである、"そして神は第七日にその一切の御業を休まれた"と。"
"580405","ヘブル 4:5","(ところがイスラエル人がその休みをしりぞけたので、神は)ま
たこの場所で、"彼らは絶対にわたしの休みに入るべからず"と(言われたのである)。"
"580406","ヘブル 4:6","(神の休みはいたずらに残っているのではない。)だから、だれか
ここ"に入るべき"人たちが残されているはずであり、前に(この休みに入るべき)福音
を聞かせられた人たちは、不従順のゆえに"入ら"なかったので、"
"580407","ヘブル 4:7","神はまた"今日"という(一つの)日を定められる。(そしてモー
セの時から)あんなに長い時がたってから、ダビデをもってこう言われる。前に言われて
いるとおりである。──"今日、あなた達は御声を聞いたら、心を頑固にするな。""
"580408","ヘブル 4:8","(この今日というのは、もちろんダビデの時を指したものではな
い。モーセの死後、ヨシュアがイスラエル人をカナンの地に導いて休みを与えたが、神の
休みとはこのことではない。)もしもヨシュアが(ほんとうに)彼らを休み(の場所)に
導いたのであったら、(数百年たった)その後で、他の日のことを(ダビデをもって「今
日云々」と)語られなかったはずである。(これは天にある安息を指すのである。)"580409","
ヘブル 4:9","それだから、神の民[キリストを信ずる者]には安息が残っているのである。
"
"580410","ヘブル 4:10","現に、"神の休みに入った"者は、"神が"(七日目に)御自分の
"御業を"休まれたように、その人もその"業を休んだ"からである。"
"580411","ヘブル 4:11","だから、わたし達はその(神の)"休みに入るようにと"努めて、
一人も同じ不従順の例にならって堕落しないようにしようではないか。"
"580412","ヘブル 4:12","というのは、神の言葉は生きていて、活動し、あらゆる諸刃の剣
よりも鋭く、精神と霊魂と、関節と骨髄との境までも突きいって、心の考えと思いとを裁
くからである。"
"580413","ヘブル 4:13","かくて創造物は(何一つ)神の前にあらわれないものはない。(然
り、)神の目には万物が裸で姿をあらわし、わたし達はこのお方に対して、勘定を払わね
ばならないのである。"
"580414","ヘブル 4:14","(話を本筋にもどしたい。)──それで、わたし達には、(この世
の大祭司が聖所を通って至聖所に入るように、)もろもろの天を通(って天の至聖所に入)
られた、(この)偉大なる大祭司、神の子イエスがあるのだから、わたし達の告白(する
信仰)を固く守っていようではないか。"
"580415","ヘブル 4:15","なぜなら、わたし達の大祭司は、わたし達の弱さに同感すること
の出来ない(ような)方でないからである。むしろどの点からしてもわたし達と(全く)
同様に誘惑された。ただし罪は犯されなかった。"
"580416","ヘブル 4:16","だからわたし達は安心して恩恵の御座に近づこう。そして(彼か
ら)憐れみを受け、また時宜を得た助けとなる寵愛を得ようではないか。"
"580501","ヘブル 5:1","なぜなら、(イエスという大祭司は一方ではアロン、他方ではメル
キゼデクと同様で、完全である。元来)人の中から選ばれる(この世の)大祭司は皆、人
に代って神に関すること(を司るため)、すなわち罪のために供物や犠牲を捧げるために、
任命されるものである。"
"580502","ヘブル 5:2","彼は自分自身も(人間で、彼が代って犠牲を捧げる人々と同様、
人としての)弱さを身に帯びているので、無知の人々、また(罪に)迷う人々を思いやる
ことが出来るのである。"
"580503","ヘブル 5:3","そしてこの弱さのゆえに、彼は民のためにするように、自分自身
のためにも罪祭を捧げねばならない。"
"580504","ヘブル 5:4","また(大祭司は)、アロンもそうであったように、神に召されなけ
れば、だれもこの名誉職を自分で取る者はない。"
"580505","ヘブル 5:5","(これがこの世の大祭司である。神の大祭司)キリストもそのよ
うに、自分で大祭司職の光栄ある地位につかれたのではなく、彼にこう言われた者(、然
り、神)が、されたのである。"あなたこそわたしの子、わたしが今日あなたを生んだ。""
"580506","ヘブル 5:6","また(詩篇の)ほかの所で言われるとおりである。──"あなた
は永遠にメルキゼデクと同等の祭司である。"(彼はメルキゼデクと同じく永遠の大祭司で、
ただ一代かぎりのアロンおよびその後継者とちがっている。)"
"580507","ヘブル 5:7","彼はその(地上における)肉の日に、烈しい叫び声と涙とをもっ
て、彼を死から救い得るお方に向かって祈りや嘆願を捧げ、その敬虔のゆえに聞きいれら
れた(方である)。"
"580508","ヘブル 5:8","彼は御子であるにもかかわらず、苦しみをうけて従順を学び、"
"580509","ヘブル 5:9","完成されたので、(今度は彼が、)彼に従順であるすべての人に対
して"永遠の救の"本源となり、"
"580510","ヘブル 5:10","神から"メルキゼデクと同等の"大祭司と呼ばれたのである。"
"580511","ヘブル 5:11","(イエスがメルキゼデクと同等の大祭司であるという)このこと
については、言うべきことが沢山あるけれども、説明が(非常に)困難である、あなた達
の耳が遠くなったので。"
"580512","ヘブル 5:12","というのは、(福音を聞いた)時間からすれば、(もはや当然人
の)先生であるはずなのに、あなた達はもう一度だれかに神の言葉のいろはを教えられる
必要がある。そして、堅い食べ物ではなく、乳を必要とする者となっている。"
"580513","ヘブル 5:13","なぜなら、乳を飲む者は皆、幼児であるため、信仰の言葉に慣れ
ていない。"
"580514","ヘブル 5:14","しかし堅い食べ物はただ成人(だけ)のもの、すなわち(自分の
ために)何が善で、何が悪であるかを見分けるため、長い実践によって鍛えられたかんを
もつ人々(だけ)のものである。"
"580601","ヘブル 6:1","それゆえ、わたし達は(すこしも早く)キリストの教のいろはを
すてて、完全(な信仰生活)に進みゆこうではないか。(すなわち)死ぬ行いの悔改めや
神への信仰、"
"580602","ヘブル 6:2","(いろいろな)洗礼の教や按手、死人の復活や永遠の審判(など、
信仰)の土台をすえ直す(ような)ことをすまいではないか。"
"580603","ヘブル 6:3","(もちろんこれも必要なことだから、)神がお許しになるならば、
これをもやろう。"
"580604","ヘブル 6:4","というのは、一度(福音の光に)照らされていながら、(すなわち)
天からの賜物を味わい、聖霊を授かる者となり、"
"580605","ヘブル 6:5","また、神の良い御言葉と、来るべき世の力とを味わっていながら、
"
"580606","ヘブル 6:6","堕落した者は、(今度は)自分で神の子を十字架につけ、晒しもの
にするのであるから、(彼らを)もう一度新しくして悔改めさせることは出来ないからで
ある。"
"580607","ヘブル 6:7",""地が"たびたびその上に降りそそぐ雨を(よく)吸込んで、耕
す人々のために有益な"作物を"産すれば、神の祝福にあずかる(ことができる)。""580608","
ヘブル 6:8","だが、"茨や薊をはやすならば"、(地は)益なきものとなり、"呪われ"、その
最後は、焼かれるのである。"
"580609","ヘブル 6:9","しかし愛する者たちよ、わたし達は(今)こんなに(烈しいこと
を)言っていても、あなた達については、それより善いもの、すなわち(最後の)救に関
するものがあることを確信する。"
"580610","ヘブル 6:10","というのは、神は不公平ではないから、あなた達のした(善い)
ことや、御名のために聖徒たちの世話をし、今もなお世話をしつつ、示したその愛を、お
忘れになることはないからである。"
"580611","ヘブル 6:11","ただわたし達は、あなた達のひとりびとりが希望を完成するため、
最後まで前と同じ熱心を示したらと思うのである。"
"580612","ヘブル 6:12","これはあなた達が怠け者とならずに、信仰と忍耐とをもって、(神
の)約束(のもの、すなわちキリストによる救)を相続する人たちの真似をする者となる
ためである。"
"580613","ヘブル 6:13","(あなた達はあのアブラハムの真似をしなければならない。)と
いうのは、神はアブラハムに約束をされるとき、(全能の神で、ご自分より)大なる者を
指して誓うことができなかったので、"御自分を指して誓い"、"
"580614","ヘブル 6:14",""わたしはかならずあなたを恵みに恵むであろう、また"あなた
を"ふやしにふやすであろう"と言われた。"
"580615","ヘブル 6:15","こうしてアブラハムは忍耐づよく待って、約束(のもの)を得た
のである。"
"580616","ヘブル 6:16","なぜなら、人は自分より大なる者(、すなわち神)を指して誓い、
その誓が彼らのすべての反対論にきまりをつける裏づけとなるのである。"
"580617","ヘブル 6:17","だから神は、約束(のもの)を相続する人たちに、御計画の不変
であることを、よりはっきり示してやるために、誓をもって(それを)保証されたのであ
る。"
"580618","ヘブル 6:18","これは神が嘘をつくことの出来ない二つの不変のこと(、すなわ
ち約束と誓と)によって、(わたし達に──自分の)前にある希望をしっかり持っている
ため(キリストの福音に)のがれてきているわたし達に──力強い奨励をお与えになろう
とするのである。"
"580619","ヘブル 6:19","わたし達はこの希望を魂の安全かつ不動なる錨として持っており、
(海の深所ならぬ"聖所の)幕の内に入るのである"。(わたし達の希望がいと高き天にま
で達するのはこのためである。)"
"580620","ヘブル 6:20","主イエスはわたし達のために先駆者としてそこに入ってゆき、
"永遠にメルキゼデクと同等の"大祭司となられたのである。"
"580701","ヘブル 7:1","なぜか。この"メルキゼデクはサレムの王であり、いと高き神の
祭司であった。アブラハムが(四人の)王たちを打破って帰るとき出迎えて彼を祝福した
ので、"
"580702","ヘブル 7:2","アブラハムはすべての(分捕物の)一割税を"彼に分けたのであ
る。(このことは、メルキゼデクがイスラエルの民の上に立つ王であり、祭司であること
を示している。)第一に、(メルキはヘブライ語で「王」、ゼデクは「義」で、)メルキゼデ
クは訳すると「義の王」(である)。つぎに、(サレムは「平和」であり、)"サレムの王は"
すなわち「平和の王」である。"
"580703","ヘブル 7:3","(ことに聖書はメルキゼデクの系図を掲げない。)父なく、母なく、
系図なく、(生涯の)日の初めもなく、命の終りもなく、神の子に似ていて、(永久に)い
つまでも"祭司"である。"
"580704","ヘブル 7:4","祖先、"アブラハムが"分捕物の"一割税を与えた"このメルキゼ
デクが、いかに偉大であるかを、あなた達はよく(考えて)見よ。"
"580705","ヘブル 7:5","まずレビの子孫のうち祭司職を受ける者は、律法によって民、す
なわちその兄弟たちから、(同じく)アブラハムの腰から出てきた者ではあるが、一割税
を取れと命ぜられている。"
"580706","ヘブル 7:6","ところが、メルキゼデクは、彼ら(レビ)の血統(の者)でない
にもかかわらず、アブラハムから一割税を取り、また(神の)約束を受けた者(であるそ
のアブラハム)を"祝福したのである"。"
"580707","ヘブル 7:7","言うまでもなく、小さい者が大きい者に祝福される。(だからアブ
ラハムよりもメルキゼデクの方が大きい。)"
"580708","ヘブル 7:8","かつここでは、(すなわちレビの場合は、)死ぬべき人間が"一割
税を"受けるけれども、そこでは、(すなわちメルキゼデクの場合は、永遠に)生きてい
る、と証されている者が、それを受けるのである。"
"580709","ヘブル 7:9","そして、言わば一割税を受けるレビ(の祭司たち自身)も、アブ
ラハムによって一割税をささげたのである。"
"580710","ヘブル 7:10",""メルキゼデクがアブラハムを出迎えた"時、レビはまだ父(ア
ブラハム)の腰にあったからである。"
"580711","ヘブル 7:11","(このようにメルキゼデクはアブラハムにもレビにも勝ってい
る。)それで、もしレビ系の祭司職によって(神の前に人間が)完全になることができる
ならば──民はこの祭司職の基礎の上に律法を受けたのであるから──(レビ系の祭司)
アロンと"同等"でない、"メルキゼデクと同等"と言われるほかの"祭司(イエス)の"
あらわれる必要が、なおどこにあるか。"
"580712","ヘブル 7:12","(しかし詩篇が預言したように、いまイエスは、アロン系にかわ
るメルキゼデクと同等の大祭司としてあらわれ、これによって、レビ系の祭司職はモーセ
律法と同時に廃止されたのである。)というのは、祭司職が変更されるときは、必然に律
法の変更をも来たすからである。"
"580713","ヘブル 7:13","なぜならこの詩篇の言葉は、そのだれもかつて祭壇に携わったこ
とのないほかの族(、すなわちユダ族に属する者)についてである。"
"580714","ヘブル 7:14","(大祭司である)わたし達の主がユダ(族)の出であることは、
明白だからである。この族については、モーセは何も祭司に関することを語ったことがな
い。"
"580715","ヘブル 7:15","なお一層明白なことは、"メルキゼデク"と同じ"ような"ほか
の"祭司(イエス)が"あらわれた以上、"
"580716","ヘブル 7:16","彼は肉にかんする掟の法則によらず、不滅の命の力によって立て
られていることである。"
"580717","ヘブル 7:17","(詩篇で、)"あなたは永遠にメルキゼデクと同等の祭司である"
と証されているではないか。"
"580718","ヘブル 7:18","(それならば新しい祭司職はどの点が勝れているか。)一方では、
(祭司に関する)前の掟は、それが弱くかつ無益なため、廃止の宣告をうけたのである。"
"580719","ヘブル 7:19","この律法は、(罪の赦しや神との和合などを)何一つ成しとげる
ことが(でき)なかったからである。しかし他方では、(イエスによってレビの祭司職に
よるものに)まさった希望がもたらされ、わたし達はこの希望によって神に近づくのであ
る。"
"580720","ヘブル 7:20","それから(イエスの場合には)、それが誓約なくしては行われな
かったので──というのは、彼らの方は誓約なしに祭司になったが、"
"580721","ヘブル 7:21","イエスの方は、彼に対してこう言われるお方により、誓約をもっ
て祭司とされた、"(神なる)主は(つぎのように)誓われたが、(決して)心を変えられ
ないであろう、「あなたは永遠に祭司である」と"。"
"580722","ヘブル 7:22","──この点において、イエスは彼らにまさった(新しい)契約の
保証人となられたのである。"
"580723","ヘブル 7:23","それから、彼らは死によって(いつまでも)祭司の職に留まるこ
とを妨げられるため、祭司になった者(の数)が多いけれども、"
"580724","ヘブル 7:24","イエス(の場合)は、"永遠に"生きながらえるのであって、彼
のもつ祭司職は移り変りがないのである。"
"580725","ヘブル 7:25","それゆえ彼はまた、彼によって神に近づく人々を完全に救うこと
が出来る。彼は人々のために(神に)執成をしようとして常に生きておられるからである。
"
"580726","ヘブル 7:26","(わたしはイエスがメルキゼデクと同等の大祭司であることを、
くどくどと述べてきた。なぜか。)こんな大祭司こそ、わたし達にふさわしいからである。
聖なる、罪のない、汚れのない、罪人と分けられ、もろもろの天よりも高くされた大祭司!
"
"580727","ヘブル 7:27","彼は(レビ系の)大祭司たちのように、まず自分の罪のために、
つぎに民の罪のために、毎日犠牲を捧げるに及ばない。(あとにも先にも)ただ一度かぎ
り、(山羊や小牛でなく)自分自身を捧げて、これをなしとげられたからである。"
"580728","ヘブル 7:28","(なぜ一度で十分であるか。)律法は弱さをもつ人々を大祭司に
任命するけれども、律法の後に来たこの誓約の御言葉は、"永遠に"完成された"御子(イ
エス)を"任命するからである。"
"580801","ヘブル 8:1","しかし(ここに言う)要点はこうである。わたし達にはこんな大
祭司があって、天で(神の)御稜威の御座の"右に坐っておられ"、"
"580802","ヘブル 8:2","聖所、すなわち人間でなく、"主が建てられた"本当の"幕屋の"
奉仕者である、ということである。"
"580803","ヘブル 8:3","いったいすべての大祭司が任命されるのは、供物や犠牲を捧げる
ためである。それゆえ(今言った)イエスもまた、何か捧げるべきものが必要である。"
"580804","ヘブル 8:4","それで、もし彼が地上におられたならば、祭司ではあり得ないは
ずである、(ここにはすでに)律法によって供物を捧げる(レビの)祭司たちがいたので
あるから。"
"580805","ヘブル 8:5","彼らは天上のことの模型と影とに奉仕しているのである、モーセ
が幕屋を建てようと(計画)したときお告を受けたとおりである。いわく、"心して、す
べてのものを、山であなたに示された型をまねて造れ"と。"
"580806","ヘブル 8:6","しかし今イエスは(天上の祭司となり、レビ)より秀でた祭司の
務を受けられた。彼は(レビの場合に)まさる約束に基いて制定された、まさる契約の仲
介者であるからである。"
"580807","ヘブル 8:7","なぜなら、もしかのシナイの最初の契約に非難すべきところがな
かったなら、第二の(イエスによる)契約が要求される余地はなかったはずである。(し
かしついに、新しい契約が要求された。)"
"580808","ヘブル 8:8","なぜか。神が彼ら(イスラエル人を)非難して、こう言われたか
らである。"「見よ、日が来れば」と主は言われる、「(その時)イスラエルの家に対し、ま
たユダの家に対して、新しい契約をするであろう。"
"580809","ヘブル 8:9","それはわたしが彼らの先祖たちの手を取り、エジプトの地から引
出した時に、彼らとした契約と同じではない。彼らはわたしの契約に留まらなかったので、
わたしも彼らを構わなかった」と主は言われる。"
"580810","ヘブル 8:10","「これこそわたしがイスラエルの家と結ぶ契約である、かの日の
後に」と主は言われる、「わたしは彼らの悟りにわたしの律法を与え、彼らの心にそれを
書きしるすであろう。わたしは彼らの神になり、彼らがわたしの民になるであろう。"
"580811","ヘブル 8:11","そしてひとりびとりがその同胞に、ひとりびとりがその兄弟に、
『主を知れ』と言って、教えることは決してないであろう、(その時)彼らは小より大に
至るまで皆わたしを知るであろうから。"
"580812","ヘブル 8:12","なぜなら、わたしは彼らの不正をみのがし、もはや絶対に彼らの
罪を記憶しないであろうから。」""
"580813","ヘブル 8:13","(このように)"新しい契約"[新約]と言う以上は、(神みずか
ら)最初の契約[旧約]を古びたものとされたのである。古びたものと老いぼれたものと
は、間もなく消失せる。"
"580901","ヘブル 9:1","さて、(前に言ったように、)最初の契約にも、礼拝の定めとこの
世的の聖所とがあった。"
"580902","ヘブル 9:2","(その構造はつぎのとおり。)すなわち(聖所は二つの幕屋に分れ、
前方に)第一の幕屋が設けてあって、その中には燭台と机と供えのパンとがあった。この
幕屋を聖所と呼んだ。"
"580903","ヘブル 9:3","また第二の幕のうしろには、至聖所と呼ばれる(第二の)幕屋が
あった。"
"580904","ヘブル 9:4","そこには金の香壇と、ぐるりと金を張った契約の箱とがあって、
箱の中にはマナのはいっている金の壷と、芽を出したアロンの杖と、(十戒の書かれた)
契約の(石)板とがあった。"
"580905","ヘブル 9:5","箱の上には、(翼で)贖罪所をおおう栄光のケルビムがあった。こ
れらのことについては、今一々述べることはできない。"
"580906","ヘブル 9:6","このように、これらが設けられると、第一の幕屋には祭司たちが
絶えず入っていって、(燭台を整え、香をたき、供えのパンを替える)礼拝を行うのであ
る。"
"580907","ヘブル 9:7","しかし(その奥の)第二の幕屋には、大祭司だけが年にただ一度
(七月十日の贖罪の日に入ることを許され)、しかも自分と民との過失のために捧げる血
なしでは、許されないのである。"
"580908","ヘブル 9:8","これは、第一の幕屋がなお存在しているかぎり、(至)聖所への道
がまだ現われていないことを、聖霊が明らかにしているのである。"
"580909","ヘブル 9:9","──この第一の幕屋は現在の比喩である。──従って供物や犠牲
は捧げられるが、礼拝する人の良心を完全にすることはできない。"
"580910","ヘブル 9:10","(これらは)食物と飲物、また種々なる洗いごとに関する(もの
で、キリストの来臨による)完成の時まで有効な、肉体の定めに過ぎない。"
"580911","ヘブル 9:11","しかしキリストは来るべき善いことの大祭司として(ついに地上
に)あらわれ、手で造らない、すなわち、この世界に属しない、より大なる、より完全な
幕屋を通って、"
"580912","ヘブル 9:12","また、雄山羊や小牛の血をもってでなく、自分の血をもって、た
だ一度かぎり(至)聖所に入り、永遠のあがないを得られたのである。"
"580913","ヘブル 9:13","なぜなら、もし雄山羊や雄牛の血や(水にまぜた)雄牛の灰を、
けがされた人々に注ぐことによって、肉体をきよめて、清潔にする(くらい)ならば、
""580914","ヘブル 9:14","まして永遠の御霊の力によって傷のない自分自身を神に捧げた
キリストの血が、わたし達の良心を死ぬ行いから清めて、生ける神を礼拝させないことが
あるだろうか。"
"580915","ヘブル 9:15","このゆえに、彼(はキリスト)は新しい契約の仲介者である。彼
は最初の(旧い)契約の下に犯された違反をあがなうために死なれたのであるから、(そ
のあとは神に)召された者が(すべて)永遠の相続財産の約束をいただくのである。"
"580916","ヘブル 9:16","なぜなら、遺言[契約]には、遺言者の死んだこと(の証拠)を
必ず提出せねばならない。"
"580917","ヘブル 9:17","遺言は遺言者が生きている間は決して価値がないので、死によっ
て効力を生ずるからである。"
"580918","ヘブル 9:18","それゆえ最初の契約も、血なくしては清められなかった。"
"580919","ヘブル 9:19","というのは、律法による掟がことごとくモーセから民全体に語ら
れたのち、彼は小牛と雄山羊との血を、水と緋色の羊毛とヒソプと一しょに取り、(これ
を)律法の書自体と民全体とにそそいで、"
"580920","ヘブル 9:20","こう言ったからである、"これは神があなた達に命じられた契約
の血"と。"
"580921","ヘブル 9:21","そして幕屋にも礼拝用の器具全体にも、同じく血をそそいだ。"
"580922","ヘブル 9:22","こうして律法にしたがえば、ほとんどすべてのものが血で清めら
れ、血を流すことなしには(罪の)赦はない。"
"580923","ヘブル 9:23","だから、天上のものの模型が必ずこんなにして清められねばなら
ない(くらい)なら、(原形である)天上のこと自体は、これら(地上)のものにまさる
犠牲で清められねばならない。"
"580924","ヘブル 9:24","というのは、キリストは手で造った、本当の聖所の模型の聖所で
なく、天そのものに入って、今わたし達のために神の御顔のまえに現れてくださったので
ある。"
"580925","ヘブル 9:25","また、大祭司が自分のものでない血をもって毎年(至)聖所に入
るように、彼は幾度も自分を捧げるために入られたのでもなかった。"
"580926","ヘブル 9:26","そうでなければ、世の始から(罪人はあったのだから)、彼は幾
度も苦しみをうけねばならなかったのである。しかし今や世の終に、キリストは(人々の)
罪を除くため、自分の犠牲によって、ただ一度自分を現わされたのである。(彼の犠牲は
空前絶後である。)"
"580927","ヘブル 9:27","そして、ただ一度死ぬことと、そのあとで(神の前に出て)裁き
を受けることとが人間にきまっていると同様、"
"580928","ヘブル 9:28","キリストも、ただ一度"多くの人の罪を負う"ために捧げられ、
(それから)二度目に、(しかし今度は)罪と関係なく、救のため、彼を待っている者に
自分をあらわされるのである。"
"581001","ヘブル 10:1","つまり(モーセ)律法には、(ただキリストがもたらす)来るべ
き幸福の影があるばかりで、その事の(まことの)姿それ自身がないのである。毎年たえ
ず捧げる同じ(雄牛や雄山羊の)犠牲では、(神に)近づく者[祭司と一般の人](の罪)
を(永久に清めて)完全にすることは、決して出来ないからである。"
"581002","ヘブル 10:2","もしそうでなければ、捧げることをやめてしまったはずではない
か、(犠牲を捧げて)礼拝する者は(それによって)ただ一度清められ、もはやいかなる
罪の自覚も持たないわけだから。"
"581003","ヘブル 10:3","しかし(事実は反対で)、この犠牲によって(むしろ)毎年罪の
記憶が呼びさまされるのである。"
"581004","ヘブル 10:4","雄牛や雄山羊の血は罪を取去ることが出来ないからである。
""581005","ヘブル 10:5","だからキリストは、(血肉の人として)この世に入ってきたとき
に言われる、"犠牲や捧げ物を、あなたは好まれず、ただ体をわたしのためにお備えにな
った。"
"581006","ヘブル 10:6","燔祭や罪祭を、あなたは喜ばれなかった。"
"581007","ヘブル 10:7","その時わたしは言った、「見よ、わたしは来ました、──聖書の
巻物に、わたしについて書いてある──神よ、御心を行うために!」と。""
"581008","ヘブル 10:8","初めには"犠牲や献げ物や燔祭や罪祭を、あなたは好まれず、ま
た喜ばれなかった"と言い──これらは律法にしたがって捧げられるものである──
""581009","ヘブル 10:9",""その時、見よ、わたしは来ました、御心を行うために!"と
言われたのである。(これは)第二のものを立てようとして、第一のものを廃止されるの
である。(すなわち律法による捧げ物が御心にかなわないので、キリストは御自身を捧げ
物にされた。)"
"581010","ヘブル 10:10","この(神の)"御心"によって、イエス・キリストの"体が捧げ
られること"により、わたし達はただ一度かぎりで、きよめられているのである。""581011","
ヘブル 10:11","そして──(くどいが、もう一度くり返して言う)──祭司(という祭司)
は皆、(聖所に)立って毎日務をし、決して罪を取除くことの出来ない同じ犠牲を幾たび
も捧げているのに反して、"
"581012","ヘブル 10:12","彼(キリスト)は罪のために(ただ)一つの犠牲(として御自
身)を捧げ、(天に入って)たえず"神の右に座っておられ"、"
"581013","ヘブル 10:13","そのあとは、"彼の敵がその足台にされるまで、"(ただ)待って
おられるのである。"
"581014","ヘブル 10:14","なぜなら、彼は(ただ)一つの捧げ物をもって、(その)きよめ
られた人々を永久に完全にされたからである。"
"581015","ヘブル 10:15","しかし(このことは)聖霊もわたし達に証しをして、"
"581016","ヘブル 10:16",""「これこそわたしが"彼らと"結ぶ契約である、かの日の後に」
と主は言われる、「わたしは彼らの心にわたしの律法を与え、彼らの悟りにそれを書きし
るすであろう。」"と言われたあとで、"
"581017","ヘブル 10:17","「"もはや絶対に彼らの罪"と彼らの不法と"を記憶しないであ
ろう"」とつけくわえられたからである。"
"581018","ヘブル 10:18","(すでに)こんな(罪の)赦しがある以上、もはや罪のための
捧げ物(の必要)はない。(旧約による祭司制度も礼拝の行われる聖所も、全然必要がな
くなったのである。)"
"581019","ヘブル 10:19","(わたし達は今や旧約の律法から解放されて、新約の時代に入
った。)だから、兄弟たちよ、わたし達はイエスの血により、安心して聖所に入ることが
できるのである。"
"581020","ヘブル 10:20","それは(イエスが)わたし達のために開かれた新しい生きた道
である。わたし達は(彼自身である)幕、すなわち彼の肉体を通るのである。"
"581021","ヘブル 10:21","そして、(わたし達には)"神の家をつかさどる偉大な祭司"が
あるのである。"
"581022","ヘブル 10:22","だからわたし達は誠実な心と、堅い信仰をもって、(神に)近づ
こうではないか、心は(イエスの血で)洗い浄められて良心の呵責なく、体は(洗礼の)
清い水で洗われて。"
"581023","ヘブル 10:23","また、わたし達は(洗礼のとき)告白した(主の再臨の)希望
を、動かさずに守っていようではないか。──(これを)約束された方は忠実であるから。
──"
"581024","ヘブル 10:24","また、わたし達は愛と善い業とを励まし合うように互に心掛け
ようではないか。(堅い信仰と動かぬ希望と愛の励み、この三つこそ最も尊い神の賜物で
ある。)"
"581025","ヘブル 10:25","(また、)ある人々がするように、集会を怠けず、むしろ互に勧
め(合って出席す)るようにしなくてはいけない。その日が近づいていることをあなた達
は知っているから、いよいよそうしなくては!"
"581026","ヘブル 10:26","なぜなら、わたし達が(キリストの)真理の知識を受けた後、
故意に罪を犯すならば、その罪のために、もはや(これをあがなうべき)犠牲は残ってい
ない。"
"581027","ヘブル 10:27","ただ、恐れて刑罰を待っていることと、"(神に)反抗する者を
食いつくそ"うとしている"(裁きの)火の熱心(だけ)が"残っている。"
"581028","ヘブル 10:28","モーセの律法をないがしろにする者があれば、憐れみなく、""二
人もしくは三人の証人(の証言)によって死ぬのである。""
"581029","ヘブル 10:29","まして神の子を踏みつけ、きよめられた"約束の血を"けがれ
た(人間の血と同じ)と考え、恩恵の御霊を侮辱する者は、どんなひどい刑罰に価すると、
あなた達は思っているのか。"
"581030","ヘブル 10:30","わたし達はこう言われた方を知っているからである。"仕返しは
わたしのもの、"わたしが、"報いをする"、さらに"主はその民を罰される"と。"
"581031","ヘブル 10:31","生きた神の御手に落ちることのなんと恐ろしいことであろう。"
"581032","ヘブル 10:32","あなた達が(前に聖霊に)照らされ(てキリストを信じ)た(す
ぐ)あとで、苦しみの激しい戦を耐え忍んだ前の日のことを思出しなさい。"
"581033","ヘブル 10:33","それは、あるいは罵りや苦難のうちに(多くの人に)見世物に
されたり、あるいは、こんな目に会っている人々の仲間になったりすることであった。"
"581034","ヘブル 10:34","しかり、あなた達は(信仰のための)囚人たちと苦しみをわか
ち、また自分がもっとまさった、いつまでもなくならない持物を持っていることを知って
いるので、自分の財産の奪われるのを喜んで忍んだではないか。"
"581035","ヘブル 10:35","だからあなた達は(この堅い)信頼をすててはならない、それ
は大きな報いを持っている。"
"581036","ヘブル 10:36","あなた達が神の御心を行って約束のものを受けるには、忍耐の
必要があるからである。"
"581037","ヘブル 10:37","なぜなら、もう"ほんのしばらくすると"、"来るべき方が来ら
れる、おそくなることはない。"
"581038","ヘブル 10:38","信仰によるわたしの義人は生きる。しかしもしあとに退くなら
ば、わたしの心にかなわない。""
"581039","ヘブル 10:39","しかしながら、わたし達は"あとに退いて"滅びに行く(臆病)
者でなく、"信仰によって"命を救う者である。"
"581101","ヘブル 11:1","(では信仰とは何であるか。)信仰とは、希望することの実現で
あり、(目に)見ぬ事の確信である。"
"581102","ヘブル 11:2","実際、(昔の偉大な)先祖たちは、この信仰において(神から聖
書で)有名にされた。"
"581103","ヘブル 11:3","(まず、)信仰によって、わたし達はこの世界が神の言葉で造ら
れたことを知る。すなわち、見えるものは、現われぬものからできているのである。"
"581104","ヘブル 11:4","信仰によって、アベルは(兄の)カインよりもすぐれた犠牲を神
に捧げ、その信仰のゆえに、義人であることを(神に)証しされた。"神は彼の供え物に
ついて、"(これを嘉納されたことを)証しされたのである。そしてその(信仰の)ゆえに、
死んでいながら、(今日まで)まだ語っている。"
"581105","ヘブル 11:5","信仰によって、エノクは死なずに(天に)移された。"神が彼を
お移しになったのだから、(地上で)見つけ出されなかった"(と聖書は言う)。というの
は、天に移される前、彼は"神のお気に入ったことを"証しされたのである。"
"581106","ヘブル 11:6","信仰がなければ"(神の)お気に入ることは"出来ない。神に近
づく者は、神がいますことと、彼をさがし求める者に報いを与える者であることを、信ず
べきだからである。"
"581107","ヘブル 11:7","信仰によって、ノアはまだ見ないもの[洪水]について(神の)
お告げを受け、自分の家族を救うために恐れかしこんで箱船を造った。この信仰(の行い)
のゆえに(残りの)世界の罪は決まり、彼は信仰による義の相続人となった。"
"581108","ヘブル 11:8","信仰によって、アブラハムは財産として戴くべき(カナンの)場
所に"出てゆけ"とのお召しを受け、(素直に)言うことを聞いた。そしてどこへ行くと
もわからず、"出ていった"。"
"581109","ヘブル 11:9","信仰によって、彼は約束の地に他国人として"宿った"。彼は同
じ約束の(ものの)共同相続人(である子)イサクおよび(孫)ヤコブと一しょに、天幕
に住んだのである。"
"581110","ヘブル 11:10","(どうしてこんな生活に甘んじたか。)彼は(堅固な)土台を持
つ(天の)都を待ちのぞんでいたからである。その建設者また創造者は神である。""581111","
ヘブル 11:11","信仰によって、アブラハムはまた(その妻)サラと共に、子孫をつくる力
を受けた、(すでに年齢が)盛りを過ぎていながら。彼は約束された方を誠実であると考
えたのである。"
"581112","ヘブル 11:12","だからまた、(たった)一人から、しかも(老いぼれて)死んだ
ような者から、"天の星のように数多く、また数えきれぬ海岸の砂のように子孫ができた
のである。""
"581113","ヘブル 11:13","信仰に従い、これらの人たちは皆、(地上では)約束のものを受
けずに死んだのである。彼らはただ遠くからそれを眺めて歓迎し、自分たちは、"この地
上では外国人であり、旅の者"であると認めた。"
"581114","ヘブル 11:14","このように(自分を外国人、旅の者と)言う人々は、(ほかにあ
る)自分の国を追及していることを現わしているからである。"
"581115","ヘブル 11:15","もしも彼らが出てきた所、(すなわちカルデヤのウル)のことを
思ったのであったら、(いくらも)引き返す機会があったはずである。"
"581116","ヘブル 11:16","しかし今や彼らは(地上のものに)まさる天の国を熱望してい
るのである。だから神も、彼らの神と言われることを恥とされない。彼は彼らのために(天
に)都を用意されたのであるから。"
"581117","ヘブル 11:17","信仰によって、"アブラハムは(神に)試されたとき、(燔祭と
して)イサクを捧げた。その独り子を"捧げようとしたのである。彼は(神の)約束を受
け、"
"581118","ヘブル 11:18",""イサクから生まれる者が、あなたの子孫となるべきである"
と語られた者であった。"
"581119","ヘブル 11:19","神は死人の中からでも生きかえらせる力があると考えたからで
あった。そのため(この信仰に対する報いとして、)彼はその子を(キリストの死と復活
との)比喩として返してもらったのである。"
"581120","ヘブル 11:20","信仰によって、(イサクも)将来のことに関してヤコブとエサウ
とに(神の)祝福を祈った。"
"581121","ヘブル 11:21","信仰によって、ヤコブは死のうとするとき、ヨセフの子たちに
ひとりびとり祝福を祈った。そして"彼の杖の先によりかかって(神を)おがんだ"。
"581122","ヘブル 11:22","信仰によって、ヨセフは臨終のとき、(将来)イスラエルの子孫
が(エジプトを)脱出することを思い、自分の骨(をいかに葬るべきか)について命令し
た。"
"581123","ヘブル 11:23","信仰によって、モーセは生まれて"三か月のあいだ"、両親によ
って"隠された"。彼らは幼児の"奇麗なのを見て"(神に選ばれたことを知り)、王の命
令を恐れなかったからである。"
"581124","ヘブル 11:24","信仰によって、"モーセは成長したとき"パロの王女の子と言わ
れることを拒み、"
"581125","ヘブル 11:25","一時的の罪の享楽をするよりは、むしろ神の民と一しょに虐待
されることを選んだ。"
"581126","ヘブル 11:26","彼は"キリストの(受けられる)罵りを(受けることは)"、エ
ジプトの宝にまさる大なる富と考えたのである。(来るべき天からの)報いに目を向けて
いたからである。"
"581127","ヘブル 11:27","信仰によって、彼は王の憤りを恐れず、エジプトを去った。彼
は見えない神をあたかも(目で)見ているようにして、我慢したのである。"
"581128","ヘブル 11:28","信仰によって、彼は"過越の食事"と、(門に)"血を"そそぐ
ことを実行した。"殺す者が"(イスラエルの)初子たちに(手を)触れないためである。"
"581129","ヘブル 11:29","信仰によって、イスラエル人たちは陸地のように紅海を歩いて
通ったが、エジプト人たちは、これを試みて溺れた。"
"581130","ヘブル 11:30","信仰によって、エリコの城壁は七日間取り囲まれて崩れた。"
"581131","ヘブル 11:31","信仰によって、遊女ラハブは(イスラエルの)間諜を平和をも
って歓迎したので、不従順な(国)人と一しょに滅びなかった。"
"581132","ヘブル 11:32","なおわたしは何を言おうか。ギデオン、バラク、サムソン、エ
フタ(等の士師)、ダビデ(王)とサムエルと(多くの)預言者たちとについて話すには、
わたしに時が足りない。"
"581133","ヘブル 11:33","これらの人たちは、信仰のゆえに、(あるいは敵の)国々を征服
し、(あるいは)正義を行い、(あるいは神から)約束のものを得、(あるいは)獅子の口
を閉じ、"
"581134","ヘブル 11:34","(あるいは)火の力を消して(害を受けず、あるいは)剣の刃
を免れ、(あるいは霊肉の)弱い状態から強くされ、(あるいは)戦に強くなり、(あるい
は)敵軍を打ち負かした。"
"581135","ヘブル 11:35","婦人たちはその死んだ者を復活させてもらった。しかしほかの
(男の)人々は、それにまさる復活に達するため、釈放を願わずに、車裂きにされた。"
"581136","ヘブル 11:36","また他の人々は、嘲りや鞭打ちや、そのほか縄目や牢の試みを
受けた。"
"581137","ヘブル 11:37","石で打ち殺され、鋸で引かれ、剣で殺されて死に、羊の皮や山
羊の皮を着てうろつき回り、見捨てられ、悩まされ、虐待され、"
"581138","ヘブル 11:38","──この世は(純潔な)彼らにふさわしくなかった──彼らは
荒野と山と洞穴と地の割れ目とをさまよい歩いたのである。"
"581139","ヘブル 11:39","そしてこれらすべての人々は信仰のゆえに(その正しいことを)
証しされたが、(地上にいる間には)約束のものを受けなかった。"
"581140","ヘブル 11:40","神がわたし達のために、(地上の幸福でなく、何か)これにまさ
る(偉大な)ことを計画されて(いて)、わたし達を抜きにしては、それは完成されない
からである。"
"581201","ヘブル 12:1","それゆえ、わたし達も、こんなに雲のような(大勢の)証人に囲
まれているのであるから、(信仰の障害となる)すべての煩わしさと、すぐにからみつく
罪とをぬぎすてて、わたし達の前に置かれている競走を、忍耐をもって走ろうではないか。
"
"581202","ヘブル 12:2","(かの)信仰の創始者また完成者であるイエスを見上げて!彼は
自分の前にある喜びを捨て、恥をもいとわず十字架を耐え忍んで、(いまや)神の御座の
"右に坐られているのである"。"
"581203","ヘブル 12:3","あなた達も倦怠し、無気力になることがないように、彼が(御子
でありながら、)"罪人どもの自分に対する"あんな敵対を耐え忍ばれたことを考えなくて
は。"
"581204","ヘブル 12:4","あなた達はまだ、罪と戦って血を流すまでに抵抗したことがない。
"
"581205","ヘブル 12:5","また、(親がその)子に話すようにして話される(神の)励まし
を忘れてしまっている。──"わが子よ、主の訓練を軽んずるな、処罰されるときに、ひ
るむな。"
"581206","ヘブル 12:6","なぜなら、主は愛する者を訓練し、好きな子をすべて懲らしめら
れる。""
"581207","ヘブル 12:7","(神の)"訓練"を受けるために、(迫害を)耐え忍べ。神はあな
た達を(自分の)"子"のように取り扱われるのである。なぜなら、父の"訓練し"ない
"子が"どこにかあるのか。"
"581208","ヘブル 12:8","もし皆が受ける"訓練が"ないとすれば、それこそあなた達は私
生児で、(ほんとうの)"子"ではない。"
"581209","ヘブル 12:9","かつまた、わたし達は訓練をする者として肉の父を尊敬した(と
するならば)、まして霊魂の父に服従して、(永遠に)生きないことがあるだろうか。"
"581210","ヘブル 12:10","というのは、肉の父は(ほんの)少しの日数(だけ)、自分の考
えに従って訓練したのに反して、神はわたし達を益するため、わたし達をその聖さにあず
からせるために、訓練されるのであるから。"
"581211","ヘブル 12:11","あらゆる訓練(というもの)は、その当座は喜びとは見えず、
かえって悲しみと見えるが、しかしあとで、それで鍛えた者に(まことの)義の実である
平安を与えるのである。"
"581212","ヘブル 12:12","だから、"力の抜けた手と、しびれた膝をまっすぐに伸ばしなさ
い。""
"581213","ヘブル 12:13","そしてあなた達の"足で、まっすぐな道を歩きなさい"。足なえ
が脱臼することなく、むしろそれが直るように。"
"581214","ヘブル 12:14","すべての人との"平和を追い求めよ"、また聖潔を。聖潔がなけ
れば、だれも主にまみえることはできない。"
"581215","ヘブル 12:15","よく注意して、神の恩恵に入ることができぬ者が(一人も)な
いように、(また、)"(一本の)苦い(毒草の)根が生え出てやっかいをかけ"、それによ
って多くの人が(罪に)よごされ(るものが一つも)ないように、"
"581216","ヘブル 12:16","(また、たった)一杯の食べ物のために自分の"長子相続権を
売り渡したエサウ"のような、不品行の者、野卑な者が(一人も)ないように、せねばな
らない。"
"581217","ヘブル 12:17","なぜなら、彼はあとから(その相続権である神の)祝福を相続
しようと願ったが、排斥されたことを知っているではないか。涙を流しながら求めたにも
かかわらず、悔改めの余地がなかったのである。"
"581218","ヘブル 12:18","なぜであるか。(いま)あなた達があゆみ寄っている所は、(手
で)さわることのできる山ではない、また"燃えている火、また黒雲、また暗やみ、また
暴風、"
"581219","ヘブル 12:19","またラッパの響、また(神の)言葉の声"ではない。この声を
聞いた者は(みな恐れおののいて、これ以上)自分たちに一言もつけたして与えられない
ようにと、断ったのである。"
"581220","ヘブル 12:20","というのは、"たとい獣がこの山に触れても石で打ち殺される"
という(神の)命令に堪えられなかったのである。"
"581221","ヘブル 12:21","そしてその光景があまり恐ろしかったので、モーセ(すら)も、
「"自分は怯え"かつ震える」と言ったほどであった。"
"581222","ヘブル 12:22","(これは旧い約束が与えられた時のシナイ山であるが、)しかし
(今キリストを信ずる)あなた達があゆみ寄っている所は、(目に見えない、喜びと平安
の)シオンの山、(然り、)生ける神の都、天のエルサレム、また数かぎりない天使、"
"581223","ヘブル 12:23","また、天に登録された(神の)長男たちの祝いの集いまたその
集会、またすべての(ものの)裁判官である神、また完成された(天にある)義人たちの
霊、"
"581224","ヘブル 12:24","また新約の仲介者であるイエス、また、(地の中から神に復讐を
叫ぶ)アベルの血よりも雄弁に語る(イエスの)注ぎの血である。"
"581225","ヘブル 12:25","あなた達は(キリストをもって)語られるお方をしりぞけない
ように気をつけよ。なぜなら、もし彼ら(イスラエル人)ですら地上でお告げを下される
お方をしりぞけて罰を免れなかったくらいならば、ましてわたし達が天からお告げを下さ
れるお方にそむいたら、なおさらのことである。"
"581226","ヘブル 12:26","その時、そのお声は地を震わせた。しかし今彼は約束をして言
われた、"わたしはもう一度、地"ばかりでなく"天を"も"揺り動かす"と。"
"581227","ヘブル 12:27","しかし、この"もう一度"とは、造られたものとして、震われ
るものの変更されることを意味する。これは震われることのないものが(永遠に)のこる
ためである。"
"581228","ヘブル 12:28","だからわたし達は(永遠に)揺り動かぬ国を授かったのだから、
(神に)感謝しようではないか、それによって敬虔と畏怖とをもって、お気に入るように
神を礼拝しようではないか。"
"581229","ヘブル 12:29","わたし達の"神は焼きつくす火"であるからである。"
"581301","ヘブル 13:1","(集会では、お互の間に)兄弟愛がいつまでもなくならないよう
に。"
"581302","ヘブル 13:2","(また、)旅人の接待を忘れないように。というのは、このこと
により(アブラハム、サラなど)ある人々は、(自分でも)知らずに天使を泊め(て、神
の恩恵を受け)たからである。"
"581303","ヘブル 13:3","(主のための)囚人を、同囚人として記憶せよ。虐待されている
人たち(のこと)を記憶せよ、あなた達自身も(なお)肉体においてあるのだから。""581304","
ヘブル 13:4","婚姻はすべての点において尊ばれよ。また夫婦の床が汚れないように。神
は不品行の者と姦淫する者とを罰されるからである。"
"581305","ヘブル 13:5","金銭を愛せぬ生活をせよ。(現在)もっているもので満足せよ。
神がこう言われたからである、"わたしは決してあなたを見殺しにしない、また決してあ
なたを見捨てない"と。"
"581306","ヘブル 13:6","だからわたし達は確信して言う(ことができる)。──"主はわ
たしの助け人、わたしは(何ものも)恐れない。何を人間がわたしにすることができよう
か。""
"581307","ヘブル 13:7","神の御言葉を語ってくれたあなた達の指導者たちのことを思え。
その生涯の終り(──いかに神の御言葉を証ししながら死んだか)を注意してみて、その
信仰をまねよ。
"581308","ヘブル 13:8","イエス・キリストは、きのうも、きょうも、また永遠に、同じで
ある。"
"581309","ヘブル 13:9","あなた達はさまざまな、異様の教義に惑わされてはいけない。(近
ごろ食物が救いに役立つように言う人があるが、それは大きな誤りである。)なぜなら、
食物によらず、(神の)恩恵によって、心を確かにされることがよろしいからである。食
物によって(信仰の道を)歩いた者たちは、(食物ではすこしも)益されなかったではな
いか。"
"581310","ヘブル 13:10","(なるほど旧約と同じように、新約の)わたし達にも一つの祭
壇がある。(すなわち聖晩餐の食卓であるが、新約の)幕屋に奉仕する者は、そこから(い
ただいて)食べる権利を持たない。"
"581311","ヘブル 13:11","なぜなら、(旧約によれば贖罪の日、)大祭司によって、(民の)
"罪のための"(犠牲の)獣の"血は聖所に持って入られ(る"けれども)、その体は"宿
営の外で焼きすてられる"からである。"
"581312","ヘブル 13:12","だからイエスも(これと同様に、しかし獣の血でなく)自分の
血をもって、民をきよめるために、(エルサレムの)門の外で(十字架の)苦しみをうけ
られたのである。(すなわち贖罪と同じように、血は天の聖所の中に持って入られたけれ
ども、その肉体は門の外のゴルゴダで滅び失せたのである。だから新約の祭壇では、食べ
る肉は無い。聖晩餐のパンがキリストの肉である訳はないではないか。)"
"581313","ヘブル 13:13","それならばわたし達も彼(と同様)の罵りを忍んで、(肉のこの)
"宿営の外"に出て彼のところにゆこう。"
"581314","ヘブル 13:14","わたし達にはここにいつまでもなくならない都はなく、ただ来
るべき(天の)都をさがし求めているからである。"
"581315","ヘブル 13:15","だからわたし達は、イエスによって"讃美の犠牲を"絶えず"神
に捧げようではないか。(すなわち)これは御名をたたえる"唇の実"である。"
"581316","ヘブル 13:16","しかし(同様に、)慈善と同情とを忘れるな。こんな犠牲こそ神
のお気に召すからである。"
"581317","ヘブル 13:17","指導者に従い、(その権威に)服せよ。彼らは(神に)責任を問
われる者として、あなた達の魂のために(絶えず)心配しているからである。(こんな注
意をするのは、)彼らが呻きながらでなく、喜んでその(仕)事をするためである。そう
でなければ、(いかに熱心でも、)そのことが、(すこしも)あなた達の為にならないから
である。"
"581318","ヘブル 13:18","わたし達のために祈りをつづけてくれ。わたし達は正しい良心
を持ち、すべての点において正しく行動しようと念願していることを、(かたく)信じて
いるからである。"
"581319","ヘブル 13:19","しかし一層(強く)祈るようにあなた達に願う、わたしがすこ
しでも早くあなた達に戻してもらえるようにと!"
"581320","ヘブル 13:20",""羊の"大"牧者"であるわたし達の主イエスを、"永遠の約束
の血によって"死人の中から"つれ上られた"平和の神が、"
"581321","ヘブル 13:21","あらゆる善いことをあなた達に備えて御心を行わせ、かつ、御
前にお気に入ることをイエス・キリストによってあなた達の中に行われんことを。栄光、
永遠より永遠にこの神にあらんことを、アーメン。"
"581322","ヘブル 13:22","兄弟たちよ、あなた達に勧める。わたしの励ましの言葉を(快
く)聞いてほしい。わたしは手短かに書き送ったのだから。"
"581323","ヘブル 13:23","わたし達の兄弟テモテが釈放されたことを知ってもらいたい。
もし彼が早く来れば、彼と一しょにあなた達を訪ねよう。"
"581324","ヘブル 13:24","あなた達の指導者一同、また聖徒一同によろしく。イタリヤの
人々からあなた達によろしく。"
"581325","ヘブル 13:25","恩恵、あなた達一同と共にあらんことを。"