前のページに戻る


失われてきた私たちの過去




 あなたは何を、前の世代から受け継ぎましたか。どんな富を子孫に残しますか。

 あなたには、はるかな昔からとぎれることのない先祖がいます。だからあなたがいます。

 でも、あなたの体と頭脳の中の記憶以外に、「持っているもの」はなんでしょう。

 けっきょく、いくばくかの資産を前の世代が残したとしても、金融資産・現金・有価証券のたぐいは三代ともたずに消滅してきたのではないでしょうか。

 残るのは、「家業」で、それによって、継続的に収入が得られる場合のみ、先祖からの資産が継承していけるのです。

 産業革命からの200年だけを考えれば、その期間の先祖たちの努力が、えいえいとなされたのは間違いありません。その過程で驚くべきほどの富を獲得してきたはずです。しかしそれらはほとんどが、生活の中を通過しただけで残りませんでした。

 結果として、あなたやあなたの子孫に受け継がれるものは、がくぜんとするほど、「なにもない」人が、ほとんどではないでしょうか。

 負債を受け継ぐ義務は、法律上はありません。

 だから不良資産は相続放棄されます。放棄されれば消滅し、継承されません。

 先祖の努力が壊滅した瞬間となるのです。先祖が生涯かけてコツコツつみあげたノウハウも・・つまらないものとも言えますが、一面ものすごく大切なもの・伝統芸能に匹敵するほどのものの、蓄積が消えるのです。

 これは恐ろしいことではないでしょうか。先祖の全生涯の否定に等しいです。

 人間とは、ここまで根無し草なのでしょうか。

 えいえいとした努力を積み上げて、大切にする方法がないわけでは、もちろんありません。

 それを実行しましょう。

 先祖を守ることで、自分と未来の世代を守りましょう。

 それが、これまでのインフラを捨てて、新しい世界のインフラを整備しようと提唱する真意です。

 そして、なぜ、蓄積がなされなかったか。なされなかった部分はどこに流失し、いいかえれば「略奪」されていったか。

 どうすれば略奪・消失を防げるかを考え、対策をとりましょう。 



2016/12/10 T.Sakurai