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生活維持のために
すぐできる庶民の対策



 なにも準備のない、一般の庶民が、危機にあたって、最低限の生活を、とにかく維持する方法を考えます。

 想定としては社会的混乱で、ライフラインが大きな影響を受けて、また、家屋や近隣設備もあまり当てにならない状況です。震災や、極度の経済混乱・あるいは、戦時などの、大規模イベントです。


 予算 100万円程度とします。
 できれば、事前に数年かけて家計の貯蓄予算から経費を捻出して、現物を確保して、設備しておきます。
 どれも一度用意すれば、あとは永久に維持していきましょう。
 そして、やがて、「千年のうち」の本格的準備」に移行していきます。


用意するもの


 太陽電池パネル (最低でも50w 臨時設備ですから最大でも100〜200w)
 (当然、電力のコントローラと変換装置がつきます)

 バッテリー  メイン  と  サブ
 メイン・バッテリーは、基本的に使用せず、いつも満充電状態を維持します。
 毎日使用するのはサブバッテリーです。発電時はそのまま使用し、余剰電力をバッテリーに充電して、夜間使って24時間運用します。

 (緊急時だけでなく、サブバッテリーを使って、日常的に、
  家屋の一部の部屋の照明(LED)(バッテリーが切れれば商用電源の別器具に切り替え)、
  小容量(8L程度)の冷温庫
  庭に掘った井戸からの揚水ポンプ(雨水タンクに給水、水が不足したときのみ)
  などを稼動させます。)
常時使用して使い方に慣れておくのです。

 緊急時、商用電源が切断されたときは
 パソコンなどの情報機器、パッド、携帯などでの充電によりワンセグ受信を確保したり、充電乾電池などの補充を行います。

 つまり、太陽電池パネルを電力源とした、商用電源とは別系統の家庭内電力網をささやかながら構築して、バックアップが必要なときに機能するようにするのです。

 冷暖房はこのシステムでは不可能ですから、家の断熱化、あるいは限られた部屋を耐震化シェルターに改装するときに、断熱化もおこない、冷暖房が必要にならない部屋を作るべきでしょう。

 調理の熱源は、LPガスが適当です。
 洗濯は、残念ながら手で行います。
 
 電話やネットが使えないときには、集落に一台程度の緊急連絡無線を設置しておき、使用しましょう。(これは町内会などの体制を確認しましょう。なければ自前で用意するか、設置を要望するか考えていきます)
 ブラックアウトした地域の中から、独自の強力電波を発信して、他の正常地域と強引にでも接続できる通信手段です。

 雨水タンクは、いつもは庭や菜園の給水程度に利用しますが、緊急時には、活性炭とろ紙をくみあわせた、緊急用フィルターを装着し、さらに水道の浄化装置でつかっている器具を二重にして、飲用にも使いましょう。水が不足すれば井戸から給水します。
 あるいはウォーターサーバーとして日ごろから使用するのがよいでしょう。

 トイレは、ビニール袋とダンボールで、なんとかしのぎましょう。

 家屋に損傷があったとしても、倒壊しないよう、どこかの部屋をシェルター化して、そこに家族を居住させましょう。設備が不十分な避難所や、車の中などより、健康的な状態が維持できればいいのです。家具の少ない、6畳程度の形のととのった一階の部屋が候補になります。

 外気を遮断する必要があるかもしれませんので、空気清浄機と、冷蔵庫の排気熱を屋外に放出する方法を確立しましょう。(噴火・大気汚染・核汚染など)
 こればできれば、事実上の「冷房装置」にできます。
 真夏の屋内でも締め切った室内で避難し続けられます。

 移動手段としては、バッテリーアシストの自転車を用意しましょう。
 予備のバッテリーと盗難対策もしっかりとしておきましょう。
 バッテリー二輪車は安定性や実用性を考えると、日常的に使っていればまだいいのですが、太陽パネルだけでは、運用が難しいですし。
 EVともなると、大容量のパネルがなければ話になりません。それよりはガソリン車が使いやすいでしょう。



 これらを組み合わせて臨時でも充分に生活水準を維持できる環境をととのえ、普段からそなえている備蓄食糧や、救難物資を組み合わせて、家族の生活を守りましょう。

 そして、危機を脱してから、徐々にフル装備の「千年のうち」のインフラに切り替えていきましょう。

 家を立替して、農地を確保して、家業をたちあげ、ベーシックインカムを自前で用意して・・・百年単位の家族計画で、前にすすんでいくのです。


2016/07/08 T.Sakurai


家族4人 緊急生活確立経費(仮)
エネルギー確保 通信
太陽電池パネル200W 30,000 無線 30,000
バッテリー 2台以上 30,000 充電設備 10,000
コントローラー 20,000 ラジオ,ワンセグなど 通常使用分
インバーター 20,000 携帯、パソコンなど 通常使用分
LPガス コンロ 通常使用分 移動手段
エネルギー消費 アシスト自転車 一台 150,000
小型冷蔵庫 20,000 予備バッテリー 50,000
照明 牽引リアカー 20,000
小型分散 5,000 住居
屋内メイン 10,000 屋内補強 鉄骨枠組6畳 200,000
扇風機 通常使用分 屋内断熱 断熱材6畳 100,000
屋内テント、蚊帳 30,000
水確保 屋内寝袋 30,000
井戸開設 100,000 空気清浄機 20,000
揚水ポンプ 10,000 予備
雨水タンクドラム缶 400? 5,000 ロケットストーブ自作 5,000
タンク、雨どい加工費など 5,000 マキ割り機 20,000
 
  合計 920,000


追記 平時のライフライン切断について



 それにしても・・と思う。
 災害時に電気・水道・ガスなどのライフラインが途絶することは、生活を否定される大危機である。

 しかし、平時には、子供がいようがお年寄りがいようが、支払がとどこおれば、電気も水道もガスも、たちどころに止められる。

 これは基本的生存権の否定・侵害にあたるのではなかろうか。

 育児放棄された子供が、真っ暗な部屋の中で悲惨な状態で見つかることを考えれば、対策はいくらでもあるはずだ。
 支払の滞りは、重大な生活崩壊の明白なサインとして、緊急に救助が必要なのだ。

 つまり、単なる事務手続きの遅滞によるものなら、契約時三か月分の前納を要求するとか、

 滞納一ヶ月前になると、使用アンペアや時間帯が制限されるとか、

 またいよいよ停止の一週間前には行政に事前連絡して、児童相談や、介護相談などが、救済手段の検討にはいる。
 必要なら親権停止や保護監督権停止をおこなって、弱者を施設に強制保護する。

 本当に収入がなくなって、どうにもならないなら、生活保護の段階的導入に移る。

 ・・ぐらいは人道上当たり前ではないかと思う。

 ライフラインは絶対に、止めてはならない。あたりまえです。

 つくづく、無神経で、恐ろしい世の中である。

 そんなことしてると、上記の自給設備を整えて、自立してしまえば電力・ガス・水道公社は苦しくなるぞ!

2016/07/15 T.Sakurai