窓は、採光、眺望、気候のよい季節での換気を考えると、なるべく大きくとりたいのですが、透明な素材で、耐久力があるものは、どうしても断熱性からいえば弱点になります。
素材一覧
|
名称
|
屋外使用
|
耐火
|
比重
|
断熱・熱貫通率 U値
|
硬度
|
使用温度
|
加工性
|
ガラス |
耐久性あり |
割れやすい |
2.5 重い |
1W/mk |
硬い |
100℃(急速加熱で破損) |
加工しにくい |
アクリル |
耐久性あり |
燃えやすい
着火400度 |
1.19 |
0.19W/mk |
ポリカー ホ ゙の3倍 |
-60〜80℃ |
容易 変形しやすい |
ボリカーボネイト |
変色しやすい |
自己消火性あり
割れにくい |
1.2 |
0.19W/mk |
鉛筆B 簡単に傷 |
-40〜125℃ |
切断、接着剤困難 |
上記の素材は、どれも一長一短があります。
また、どのようにしても、断熱性では弱点になりますので、採光が必要でない部分に窓はつくりません。
必要な部分もなるべく小さくします。ですから冒頭に書いたよう眺望重視のガラス張りの大面積構造は使いません。ガラス戸もなるべく避けます。
構造としては、外側から
1 格子 防犯・大型飛来物防御用 アルミの格子を取り付けます。
2 雨戸 引きちがいで、窓枠の横に戸袋を作り、収納。
アルミ波板で作り、内側に軽量・耐熱・断熱材(ポリカーボネイト?)を貼り付ける。
夜間・台風・暴風・火災・防犯などの時に閉める。ロック機能付、耐火性能を重視
3 網戸 アルミフレームのもの。戸袋に収納する。
4 主窓 アルミサッシとガラスを使用。
雨風・直射日光に耐久性の高いもの。気密性を確保する。
アルミは耐久性は良いが、断熱性能はないので、サッシ内部に断熱部分を挟み込み、ガラス部分も二重にして、内窓はアクリルにする。
真空ペアガラスは、長期使用後や、あるいは損傷して交換する場合の調達をあてにしないので使わない。普通の二重ガラスとする。(ひよわなハイテク製品は使わない)
5 内窓 断熱性能を高める。結露の完全防止のため。アクリル一枚板とします。
人間が出入りする大型引き戸なら、木枠にアクリルをはめて使用します。
プラスチック系の素材は極力避けたいのですが、消耗品ではなく10年単位で長期間使用でき、完全リサイクル可能な前提で、使用するとします。
玄関は最終的には北側に三箇所となります。また、南側にリビング2箇所、大空間外扉一箇所、浴室の側に南側のサンルームへの扉が2箇所あり、これらが予備の出入り口になります。
いずれも、外気を屋内に直接いれない構造にします。
北側の玄関の前には張り出し屋根と照明をつけて、その下で雨具などから余計な水分や雪、付着物を簡単に落とします。重大な外気の問題があるときは、この張り出し屋根の下からシートを地面までたらして、簡易エアロックをさらにもうけ、事前に体の付着物を大体落とし、それから屋内にはいって、玄関で着替えなどして、汚染を対策します。
屋内に入っても、その前に内部と遮断する二重扉が使えるようにします。内部から空気を加圧してふきだす構造にします。(もともと屋内の主排気口は玄関にとりつけて、強制換気で24時間稼動する設定です)
空気清浄機などもそなえつけます。手洗い、うがいのための小型の洗面台も各玄関ごとに設置します。
つまり、簡単なエアロックとして、玄関をとらえるのです。
外気と内部を遮断することは、断熱性を高めて冷暖房効率をあげます。(北海道などの寒冷地ではあたりまえです。)
また、玄関の空気を加圧して外に排気したり、空気清浄機をつけるのは、黄砂や花粉などを内部に入れないためです。花粉ならまだ深刻さはありませんが、汚染物質や病原菌なども想定範囲です。
小さなコンプレッサーを使ってブロウするなどエアシャワー機能もいいでしょう。ここまでやるなら、不要物を廃棄するダストボックスも別個に置きましょう。
もちろん普通の玄関機能・・、防犯対策や、ゲタバコや雨具おき、コート掛けなどはあたりまえにないと困ります。その際に衣服、防護服、装着器具が取り外しでき、管理保管できる機能を含ませておきます。
必要充分に、明るく広くして、これらの動作や、あたたかくお客のお迎えができる、品のよい玄関にしたいものです。
予備の出入り口については、もともとサンルーム自体が、予備のエアロック、バッファ空間として設定しているので、普通の防犯機能だけでよいでしょう。