TRONSHOW 2002, TEPS 2002 雑記

  2001.12.13(木)〜15(土)にラフォーレ六本木にて行われた TRONSHOW 2002 及び その最終日に行われた TEPS2002 を、15(土)最終日のみ見ることが出来たので、感想を簡単に記しておきます。(2001.12.16記)

  この日、私はJR名古屋駅で初めて雪が降るのを見ました。どおりで寒いわけだ。3枚(上はセーターだけ)では軽装備だったなと後悔しつつ、自由席を確保する為に寒い中ホームで列に並ぶ。

 ラフォーレ六本木に到着したのは正午の30分前、坂村先生の T-Engine の講演を聞き損ねたが、まあ仕方ない。BTRON Club の会合を土曜日にやってくれたら出られたのだけど、これも仕方のないこと。

  とりあえず、受付にてTRONSHOW と TEPS(あらかじめ予約が必要)の登録を済ませて中へ。

  パーソナルメディアのコーナーを真っ先に覗くと、(やはり)新製品である「超漢字4」とT-Engene のデモを大々的に行っている。今回は TEPS2002 が主目的なのだが、せっかく来た以上は「超漢字4」の購入も目的のうち。(税込み2万1千円で少々お高いけど、アップグレードする理由があるので、ここは仕方がない)

  パーソナルメディアの担当者の方に、アップグレードについての詳細や改善要望(あるいは文句?)等色々対応して頂いて、「超漢字4」と関連本3冊を購入。手持ちが無かったので近く(あまり近くないけど)の郵便局にてお金を引き出した。道ゆく子連れの男性に教えて頂いたところは土曜日閉鎖で使えず。(仕方ない、彼らに罪はない)別の大きい郵便局へ。サウジアラビアの大使館や外務省の建物(やたらと威圧的)を横目に歩く。

  午後から始まる TEPS2002 の講演は 13:30開始で、昼飯の余裕も無かったので、通りがかりの八百屋でみかんを買って、みかんと缶のお茶で胃袋をごまかす。

  ちなみに、TEPSとはTRON Electric Prosthetics Symposium の略で、TRON 電子補綴技術に関するシンポジウムのこと。TRON Project は 1987年から Enableware (Disable persons -障害で何か出来なくなっている人々- を 電子補綴技術によって Enable -できるようにする- その障害のハードルをなくす)に熱心に取り組んでいる。このTEPSは障害者の参加者が多い。コンピューター関係のシンポジウムで障害者を対象にしているのはここぐらいではないだろうか?

  さて、13:30からの坂村先生の講演は相変わらずボルテージが高く面白い。「どこでもコンピューター環境におけるコミュニケーションマシンとイネーブルウェア」という題目で休む間もない45分間だった。内容を乱暴に要約すると、「携帯電話が障害者のコミュニケーションの重要な機器になりつつある」「汎用機から専用機へ」「障害者を焦点とした昨日は健常者・老齢者にも役に立つからオプションではなく標準機能として付けるべきだ」「どこにでもチップを組み込む技術的可能性は克服され、今後は実装の方法を検討すべき段階だ」というところか。プレゼンテーションに超漢字4を使っており、きびきびと軽快に動いていた。(Power Point はOSが転けたり愚鈍さが目立ちましたが仕方がありませんね。企業のプレゼンの標準ソフトですから・・・)

  次は、NTTドコモマルチメディア研究所中野所長の講演でしたが、メーカーの展示を見る為抜け出して展示を駆け足で見た。(ごめんなさい)

  その後、15:00〜16:30くらいまで発表が続いたが、面白かったのが「テレビ携帯電話画像を使った視覚障害者に対する遠隔音声援助」と題した、社会福祉法人日本点字図書館 の長谷川評議員 のお話。富士通FM-8(知っている人はかなりのコンピューターフリークです)を使った点字ワードプロセッサーの話も面白かったが、テレビ携帯電話が如何に視覚障害者の役に立つかという話は、正直、目から鱗が落ちるような印象を受けた。視覚障害者に何でテレビ携帯電話が・・・と思うのが普通だが、長谷川氏の体験談(氏も視覚障害者です)はそんな先入観をあっさりひっくり返してしまうものでした。

  又、都立八王子盲学校高等部の三崎教諭と塩谷さんの「2001年の盲学校から」の報告も実に考えさせられた。「孫とメールがしたい」とおばあさんが一生懸命IT講習をうける話や、携帯電話デジタルムーバF671Iの使用記(音声アナウンスによるガイドで目が見えなくても使えるとのこと)など、どれも自分が思いもよらなかった話ばかりで色々と考えさせられた。

  自分が思っている以上に、携帯電話というものが障害者にとって Enableware となる可能性を秘めているということが実感できた1日だった。正直、個人的に携帯電話は「だいっ嫌い」なのだけど(自宅ではいまだに昔ながらのダイアル電話を愛用しております)、これは考え方を変えなければ・・・と考えさせられた。

  終わって帰路へ。外は暗くしかも寒い。渋谷の「桂花」に寄って太肉(ターロー)メンを平らげて帰路へ。(東京へ寄ったときは必ずここへ寄りたくなってしまう)渋谷駅の窓口の混雑に閉口しつつ切符を買って名古屋に戻る。風邪をひいているので、ビールはご法度、お茶とみかんと皮むき甘栗のパックで一息。さて、帰ったら「超漢字4」のインストールだ。やれやれ・・・。


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