Columbia Masterworks Recordings - 3

<Table of Contents>

・1959年録音の「ダフニスとクロエ」
・不幸を呼ぶ2人の女
・Siegfreid Idyll
・Handel : MESSIAH
・Orchestral Works 
・Haydn: Wind Concertos 
・Tchaikovsky : Symphony no.5 & Serenade for Strings 
・Falla : Orchestral Works 
・Mahler : Das Lied von der Erde 
・Respighi:Fontane di ROMA, Pini di ROMA 


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1959年録音の「ダフニスとクロエ」
米Columbia MS6077 (LP, 2eyes)
 Debussy:Afternoon of a Faun, Ravel:Daphnis and Chloe suite no.2
 Debussy:La Mer
 
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
Flute Solo:William Kincaid

 言わずと知れた、Ormandy/Philadelphia の名盤です。特に、「ダフニスとクロエ」はOdysseyシリーズでCD化(上記写真右:米CBS ODYSSEY MBK46274 (C)1990)されてそれ以後再度CDで発売されることのない幻の名盤になった感がありますが・・・。海と「牧神・・・」はEssential で出ているのですが・・・(SBK53256 (C)1993)
 このLPは幸運にも未開封状態で入手できたものです。これを入手したときはまだ「ダフニスとクロエ」をCDで入手していなかったので実に貴重な盤でした。オリジナルの1st press は6eyesでしょうから、この2eyesはセカンド・ラベルという扱いになるでしょうか。それにしても、現在の装置で聴くと、当時の米Columbiaプレスの優秀さに驚かされます。当時の装置では恐らく刻まれた音の100%の情報は取り出せていなかったのでは・・・と思える出来です。結構長時間収録なんですがね。
 「牧神の・・・」のLPラベルには "Flute solo:William Kincaid"とクレジットされています。「牧神の・・・」は幾分即物的な演奏に聴こえますが、Kincaidのソロは本当に見事の一言に尽きます。philadelphia の弦は中間部のクライマックスで意外にもポルタメントたっぷりで弾いています。当時はこういう演奏スタイルが残っていたのでしょうか?
 「ダフニス・・・」と「海」もKincaidの見事なソロが飛び出してきますし、オーケストラのアンサンブルも見事なものです。これが45年以上前の演奏だとは・・・・。
 ただ、残念なのはこのジャケットデザイン、一体何を意図しているのか良く分からないですねえ。「謎の飛行物体から降りてきた宇宙人」というコメントが似合いそうな変な写真です。これに限らず、米Columbiaの当時のジャケットデザインははっきりいってセンスがどうも・・・。(2005.8.28、2008.6.15追記)



不幸を呼ぶ2人の女
  米Sony Classical Essential Classics SBK48159 (C)(P)1992
  Bizet:Carmen Suite No.1 & 2(rec. 1958),L'Arlesienne Suite No.1 & 2(rec. 1963)
  Ponchielli:Dance of the Hours from "La Gioconda"(rec. 1964)
  
  Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

  ビゼーの「カルメン」組曲と「アルルの女」組曲が最初のクラシック体験・・・という人は結構多いのではないでしょうか。「カルメン」の前奏曲や「アルルの女」の「ファランドール」などはセミクラ(又はポップス)の定番だったと思います・・・が、どちらの曲も、「健気な許婚がいるにも拘わらず妖艶な女に惑わされて破滅する哀れな男の話」なんですね。勿論、私も子供の頃はこれらの曲にそのような物語が隠されていた(わけじゃありませんが)ことなど知る由もなかったものですが。まあ、女の側からしてみれば、「別に惚れてくれと頼んだ訳でも無し、あんたが勝手に惚れただけ」というところでしょうが、そんなことを当の男の前で正直に言ってしまったカルメンはドン=ホセに殺されてしまうし、「アルルの女」に至っては題名の女は劇に登場すらせず名前すら分からない(見ている人は・・・ですが)のに男は嫉妬に狂って自殺してしまうという、本当に(男にとって)身も蓋もないお話で涙を誘います。ま、不幸な2人の男には申しわけないのですが、これらの曲は本当に魅力的なメロディー満載でオーケストラを聴く楽しみを堪能できます。

  「カルメン」は1958年の録音で、Kincaid のフルートも楽しめてしまいます。間奏曲など、Kincaid,Gigliotti,de Lancie,Garfield と惚れ惚れするようなソロのリレーで、考えてみれば贅沢な演奏ですよ、これは。最後のダンスも Gil. Johnson の軽やかなトランペットが聴かせてくれます。
  「アルルの女」はその5年後の録音。Kincaidは引退してPanitzに交替していますが、こちらもメヌエットのソロが聴き物。1枚のCDで2人の首席の聴き較べが出来てしまいます。こちらも見事な演奏ですが、残念ながら前奏曲と間奏曲には不満が残ります。この2曲はもっとゆったりと演奏して欲しいのですが、この演奏は足早に駆け抜けてしまう印象です。それ以外の曲は文句の付け所がありません。ミヌエットや鐘などため息が出るほど素晴らしく、こういう演奏に余計な評論は不要で、唯々曲の魅力に浸るのみです。
  「時の踊り」は Fantasia 以来の philadelphia の十八番で、後年のRCAのスケールの大きい演奏も良いですが、こちらのスピード感溢れる演奏も捨て難く、両方持っていて損は無い演奏です。

  これらの曲だけで立派なコンサートが出来ると私は思いますが、如何なもんでしょうか?こういう曲を「単なるショーピースだ」と見下す人が多いのは残念なことです。Mahler や Bruckner もいいけど、そんなフルコースばかりでは胃がもたれて仕方がありません。栄養学にバランスの概念があるのなら、音楽にもそうあって然るべきだと思うのですが・・・(2003.7.6)



Siegfreid Idyll
  米Columbia MG30300 (2LP Set,Gray Label)
  The Wagner Album
  
  Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

  さて、The Wagner Album と題したこのアルバム。Wagner のオペラの有名曲の寄せ集めで、「ジークフリートの田園曲」が収録されています。何故か"A Century of Music" "Those Fabulous Philadelphians"にも記載されていないこの録音、横田さんのディスコグラフィにのみ記載があります。(但し、録音年不詳)私はこの曲が大好きで、これは是非 Ormandy/Philadelphia で聴きたいと思い、ようやくこのアルバムを探し当てたわけですが・・・・残念ながら、演奏の方は期待外れでした。なんともせっかちな演奏(演奏時間15分とかなり短い)で、もっとゆったりとしっとりと演奏して欲しかったというのが正直な感想です。技術的には申し分ないのですが、私の好みには合いませんね。円熟の頂点に達した1975年以降の演奏で聴ければ・・・と思うのですが。(私が一番好きな演奏は、レーグナーとベルリン放送交響楽団のものです)
  それにしても他人の奥さんばかりに手を出し、純情なルードヴィッヒII世をたぶらかして大金をせしめてバイロイトの劇場を作り、反ユダヤ人主義をあおり、借金踏み倒しまくり、あげくの果てに政治犯としても追われた(ちょっと順番がおかしい?)、このはた迷惑な男がこういう曲を作れるとは、つくづく世の中の不条理にため息をつかざるを得ません。彼に奥さんを横取りされた旦那方の嘆きが聞こえ・・・ないですね。後世の無責任な音楽愛好家には。なんとも罪深い存在ではないですか?我々は。(2003.4.24)



Handel : MESSIAH
  米CBS M2K607 (2CDs) (P)1959 (C)1985, Previously released as M2S607(recorded 1958-1959)
  
  Eileen Farrell (s), Martha Lipton(ms), Davis Cunningham(t), William Warfield(b)
  Gilbert Johnson (Trumpet Solo)
  The Mormon Tabernacle Choir, directed by Richard P. Condie
  Eugene Ormandy and The Philadelphia Orchestra

  明日はもうクリスマス・イヴでそれが終わるともう正月・・・などど私はつい思ってしまいますが、キリスト教信者にとってはクリスマスの季節(yuletide)は24日から1月6日までだそうで、ケーキを食べたらもう終わり・・・というものではないようです。かといって、私はキリスト教徒ではありませんから、(申しわけないようですが)単にムードに浸るだけです・・・・。ということで、有名な「ハレルヤ・コーラス」のメサイアを取り上げましょうか。
  「ハ〜レルヤ」の大合唱のみが有名なこのハンデル(この人はイギリスに帰化した折に名前をイギリス風に変えていますから、「ヘンデル」ではなく「ハンデル」さんと呼ぶのが正しいようです。でも、ドイツ人は「オラガ国のヘンデルじゃい!」と頑張っているそうです。ちなみに、私が小学生の時は「ヘンデル」さんでしたが)さんのオラトリオ「メサイア」は結構長い曲で、この演奏は全曲ではなく抜粋版によるものです。それでもLP(CD)2枚分のボリュームがあります。(まあ、救世主を歌い上げるのですから、あまりケチってはいけませんよね)当時(1959年)はこれでもほとんど全曲盤みたいに扱われていたのではないでしょうか。当時の ormandy/philadelphia の演奏会のカタログにもこのLPのことが結構大きく広告されています。
  演奏全部を真面目に聴き通すのはちと大変ですが、BGMのように聴いている分には耳触りの良い曲ばかりであっと言う間に終わりまで聴けてしまいます。ちなみに、このCDをかけていてハタと気がつきましたが、英語で歌っているのですね。元々英語で書かれているのか、それともドイツ語かラテン語かよく分かりませんが、特に違和感はありませんね。解説も歌詞は英語・ドイツ語・フランス語の三か国語で記載されています。
  肝心の演奏ですが、ormandy/philadelphia は期待通り質の高い安定した演奏を聴かせてくれます。Gil. Johnson のソロは見事。ソリストと合唱については人の好き好きの分かれるところでしょう。正直、合唱については現在の質には及ばないと思います。まあまあというところでしょうか。個人的にはすっと耳に入る好演ですが、時代考証うんぬん・・・を気にされる方には受け入れられないかもしれません。今流行りの古楽演奏とは対極に位置する現代オーケストラによる演奏ですから。それだけに貴重な演奏かもしれませんが・・・・
  このCDは15年前に発売されたであろうものであり、
     "This historic recording has been digitally transferred onto CD to obtain the best
      possible reproduction from newly remixed original session tapes"
という一文が時代を感じさせます。録音の質は非常に良く、ちょっと聴いただけでは40年以上前の録音とは思えません。(2002.12.23)



Orchestral Works 
 日Sony Classical SRCR2084 (P)1959-1971 (C)1971
   Bach : Toccata & Fufue in D minor, Jesu, Joy of Man's Desiring, Fugue in G minor "The Little", Air
   Kreisler : Libesfreud, Schubert : Serenade, Debussy : Reverie, Offenbach : Barcarolle
   Mascagni : Intermezzo, Debussy: Clair de lune, Boccherini : Minuet
   Borodine : Nocturne, Tchaikovsky : Andante Cantabile
 
 Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

  季節はあっと言う間に秋に突入・・・ですか?名古屋でも、夜は窓を開けて寝ていると寒いくらいです。
  さて、今回取り上げるこの国内盤ですが、バッハのフーガ2曲を除けば、ちょっとボリュームのあるイージーリスニング用の選曲というような趣のアルバムです。秋の夜長に Ormandy/Philadelphia の String sound を楽しむのにうってつけのアルバムでしょう。案外、輸入盤でも入手しにくい曲が集まっているので、結構重宝な盤です。クラシックのベスト100のようなシリーズの1枚だと思いますが、帯を捨ててしまったのでそのへんは不明です。発売は1995年くらいと思います。ジャケットデザインはLP末期の統一デザインだった記憶がありますが・・・(2002.10.6)



Haydn: Wind Concertos 
 米Sony Classical SBK62649 (P)(C)1996
   Haydn
    Trumpet Concerto (rec.1967)
     Gilbert Johnson, Trumpet
    Sinfonia Concertante (rec. 1958)
     John de Lancie(oboe), Bernard Garfield(Bassoon), Jacob Krachmalnick(Violin), Lorne Munroe(Cello)
    Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
   
    Anonymous(attrib:Haydn): Concerto for Oboe and Orchestra
      Pierre Pierlot(Oboe)
    L.Hofmann(attrib:Haydn): Concerto for Flute and Strings
      Jean-Pierre Rampal, Flute
    Janos Rolla/Franz Liszt Chamber Orchestra

  流石の猛暑もピークを過ぎて涼しくなってきたので、あっさりしたハイドンの曲を。Gil. Johnsonによるこの演奏はこのCDが初出となります。恐らく組み合わせ等の関係でお蔵入りとなり、1967年の録音からほぼ30年後にリリースされる運命を辿ってしまいました。Johnson と Ormandy/Philadelphia による文句の付けようのない演奏です。一方の協奏交響曲はステレオ創世記ともいえる古い録音ですが、モノラル盤でしか聴くことの出来ない Krachmalnick, Munroe のソロがステレオで聴けます。こちらも秀演。
  作曲者不明のオーボエ協奏曲とホフマンのフルート協奏曲は philadelphia に較べるとオーケストラが薄くなって少しもの足りなさを感じますが、これはこれでなかなか良い演奏です。曲も親しみやすく堅苦しいところは微塵もありません。
  私はハイドンは余り好きではないのですが、このCDはそんな私でも楽しめました。(2002.9.18)



Tchaikovsky : Symphony no.5 & Serenade for Strings 
 米Sony Classical Essential Classics SBK46538 (C)1991
   Tchaikovsky : Symphony no.5 (rec.1959), Serenade for strings(rec.1960)
 
 Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

  第5交響曲は Ormandy/Philadelphia の3回目の録音。個人的には4回目の RCA の1974年録音がスケールが大きくて一番好みではあるが、この演奏もなかなかのもの。ちょっと低音不足気味ではあるがトーンコントロールで低音を持ち上げてやるとより聴きやすい。この曲のほの暗い情感に誰でも一度ははまっているのではないだろうか?特に2楽章の Horn のソロはまさにこの楽器以外ではあり得ないメロディーであり、(元も含めた)ほら吹きにとっては一度は演奏してみたくなる部分でもある。金管の華やかさよりは弦の量感と木管の巧みさが際だっている。1950年録音のモノラル録音との比較も一興。(Ichikawaさんの Ormandy/Philadelphia Columbia Monaural Recording 復刻 という形で聴くことが出来ますので、興味のある方はお願いされてみては如何でしょうか?)
  「弦楽のための小夜曲」は3回目の録音。これが最後の録音であり、ちょっと録音に潤いが無く低音不足なところは残念ではあるが、これもトーンコントロールで低音を持ち上げてやるのが効果的。なんといっても力強い弦が特色の Ormandy/Philadelphia 向きの曲であり、彼らの妙技をたっぷり堪能できる。Svetlanov/ロシア国立響(Pony Canyon Classics PCCL-00511 (C)2000, Symphony no.2)のゆったりとした演奏とは対照的な快速演奏であり、恐らく、繰り返しの省略や一部カットと思われる部分もあり、演奏時間は短めであっと言う間に終わるといった印象。人によっては情感に乏しいと思われるかもしれないが、決して無機的では無い好演であり、3楽章などは本当にうっとりとしてしまうが、それでいて胃にもたれることない爽快さが魅力。(2002.9.11)



Falla : Orchestral Works 
 米Sony Classical Essential Classics SBK89291(Available on CD, 2000)
 米CBS Masterworks Portrait MPK46449 (C)1990 (CD)
 (1)El amor Brujo(1960), (2)Nights in the gardens of Spain(1961), (3)Three Dances from The Three-Cornerd Hat(1968)

 Leopold Stokowski/The Philadelphia Orchestra(1)
 Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra(2),(3)
 Shirley Verrett(ms)(1), Philippe Entremont(p)(2)

  お盆休みに突入しましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?暑い夏は Falla の情熱的なスペインの音楽はどうでしょう・・・ということで、Fallaの音楽を取り上げたいと思います。このCDはなんといっても演奏陣が豪華です。Stokowski,Ormandy,Philadelphia Orchestra,Verret,Entremont と役者が揃っています。私が持っているのは、Masterworks Portrait盤ですが、入手が容易なのはEssential Classics盤で内容は全く同じです。なお、このMasterworks Portrait盤で、表示が MONO/STEREO になっておりますが、録音年代からして monoural ということはあり得ないし聴いた限りは紛れもないステレオなので、単なる表記ミスと思われます。
  さて、まずは Stokowski による「恋は魔術師」を。これは、Stokowski/Philadelphia Orchestra の数少ないステレオ録音になります。オーケストラの色鮮やかなタッチは流石 Stokowski 。速いテンポで進められる「火祭りの踊り」などなかなかのものです。彼の変化に富んだ指揮に破錠無くついていくオーケストラも流石。Verrettの力強い声も雰囲気を良く出しています。Gil. Johnson の切れの良いトランペットが心地良く、熱い夏に一服の清涼剤といったところでしょう。
  お次は、Ormandy/Phladelphia と Entremont による「スペインの庭の夜」を。ormandy/philadelphia は1969年に Rubinstein と RCA に再録音しておりそのLPを私は持っているのですが、まだ封を開けていません。(お恥ずかしい)Rubinstein Collection の方でCD化されていると思いますが、私は残念ながら持っておりません。ということで両者を比較してはいませんが、そのうち聴き較べようかなと思っております。さてこの曲、私は余り馴染みがないのですが、如何にも曲のタイトルに相応しい雰囲気が醸し出された演奏だと思います。これまで知らなかった曲ですが、好きになってしまいそうです。ormandy/philadelphia の演奏は技術的な問題が全くないので、知らない曲の初体験には好適と私は思っています。 Entremont のピアノもオーケストラとピッタリ息のあった見事な演奏を聴かせてくれます。
  最後は、Ormandy/Phladelphia による、「三角帽子」の二部から三つの舞曲を。(これは第2組曲ということになるのかな?)この曲は全編素晴らしい旋律美にに溢れているので、出来れば全曲録音で聞きたかったです。録音がこれだけしかないというのは惜しいことですが、とは言えこれだけでも録音してくれた甲斐はありました。終幕の踊りなど興奮します。「三角帽子」には、Ansermet/Suisse Romande, Dutoit/Montreal の全曲盤の名盤がありますが、さらに一つ名盤が加わりました。(あくまで個人的な話ですが)1979年にMuti/Philadelphia が第1・第2組曲を録音しているので、そちらの方も後ほど聴くことにしましょうか。(2002.8.14)



Mahler : Das Lied von der Erde 
 米Sony Classical Essential Classics SBK53518(CD) (C)1994
   Mahler : Das Lied von der Erde(1966), Lieder nach Gedicheten von Friedrich Rckert(1978)(*)
 
 Lili Chookasian(ms), Richard Lewis(t)
 Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
 (*)Frederica von Stade(s), Andrew Davis/London Philharmonic

  飲ん兵衛が酔っぱらいながら深刻ぶってくだをまいている・・・そんな曲だと私が勝手に思っている「大地の歌」を。確か、サントリーのCMにこの曲の「青春にふれて」が使われていた記憶があります。それが、私がこの曲を聴いた最初なのです。その時は、なにやら中国っぽい曲だなという印象しかありませんでしたが。こういう曲は中国のお酒かドイツのビールでも飲み、聴きながら寝てしまうのが良いでしょう。最後は子守歌(と勝手に私は思っていますが)になっていますし・・・。ormandy/philadelphia の演奏は相変わらず上質なもので、安心して曲に浸ることが出来ます。併録されている、「リュッケルトの詩による歌曲」もシュターデの美声が心地良い。 (2002.7.13)



Respighi:Fontane di ROMA, Pini di ROMA 
 米Columbia The Fabulous Philadelphia Sound M30829 (LP)
 米CBS Great Performances MYK 38485(CD) (C)1983
   Respighi : Fountane di Roma, Pini di Roma(Produced by Thomas Frost, 1968)
  
 Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

  1879年の今日、7月9日は Ottorino Respigh の誕生日ということで 彼の曲のCDを。
  ここで取り上げるCD・LPは ormandy/philadelphia が Columbia から RCA に移籍する直前の1968年に録音されたもので、Essential Classics盤 SBK48267(1957-1960録音)の三部作とは別物です。1968年のこの録音はローマ三部作のうち「松」と「噴水」の2曲のみであり、何故か「祭」は録音されずじまいで彼らはRCAに移籍してしまいました。米Columbia の マルチマイク収録による The Fabulous Philadelphia Sound Series ということで、各楽器の音は鮮明に捕らえられていますが、残念ながら少々ヒステリックで低音不足な傾向の録音ではあります。しかし、アンプのトーンコントロール等を調整すれば(私は低音を増強して聴いています)その豊かな音を楽しめると思います。
  個人的には、Columbia,RCAのステレオ録音の中ではこの1968年録音が一番好きです。オルガンの腹に応えるような低音はありませんが(収録場所は恐らく Town Hall でしょうが、そこにオルガンは無いと思われますので恐らく別の場所で収録したオルガンの音(あるいは電気オルガンの音)を重ねたのではないでしょうか・・・あるいはオルガン無しでオーケストラの楽器を増強して対応したかもしれません・・・・が)オーケストラの豊かな音は比類のないものです。特に「松」がいい。ボルゲーゼ荘の冒頭のから鮮烈なトランペット、切れのよいホルンが勢い良く飛び出してきます。「アッピア通り」のクライマックスの金管の5連音符も「2-3」では無く一応ちゃんと5連音符で吹いている数少ない演奏でもあります。残念なことにこの録音は現在入手困難ですが、どこかで見かけたら入手して損は無いでしょう。 (2002.7.9)

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