<緊急通知> バンドマン健康保持委員会

                      <緊急通知>
                                          2009年5月某日
                                   バンドマン健康保持委員会

拝啓
バンドマン諸氏におかれましては、日々ご盛隆のこととお喜び申し上げます。
さて、このたび新型インフルエンザが世界各地に飛び火し、日本においてもその流行が危 惧されております。
今回の新型インフルエンザは、他の病気との併発により一層の脅威を増すとされております。 そこで当委員会では、バンドマンの罹りやすい病気とその予防法を皆様にお知らせ し、健康保持と罹患予防に役立てて頂きたく、ここにご通知申し上げます。

            <バンドマンの罹りやすい病気と予防法一覧>
【金欠病】
バンドマンの間で最もまんべんなく流行している病気。症状が重くなる と首が回らなくなるという特徴がある。現代の医学でも、有効な治療法は見つかっていない。 新型インフルエンザとの併発によってバンドマン生命が存続の危機に陥る可能性があ るため、特に厳重な警戒が必要。
予防法としては、うがい、手洗い、ギャンブルからの足洗い、など。

【肝臓欠席】
肝臓が弱り飲み会を欠席するという、バンドマンとしてあり得ない症状を呈する病気。飲 みたいのに飲めないという、塗炭の苦しみを味わう難病。
予防法としては、救急車で運ばれて入院する「急患日」を設けるのが、特に有効。

【E潰瘍】
E(ホ長調、♯4つ)のように、調号に♯が増えると演奏がシドロモドロ(専門 用語ではE加減という)になる病気。過去にブラスバンドなどで♭系の曲を多く演奏した 人に症状が表れることが多い。
予防法としては、♯の音階練習のほかに、久留米絣(かすり)のような♯模様の服を着る のも有効。

【見ず無視病】
俗に「シカト」とも呼ばれる。バンマスやマネージャーの呼びかけに対して、対応拒否の 症状を呈する病気。自覚症状がないため発見が困難。一時的には快感があるが潜在的に症 状が悪化していることが多く、最悪の場合、理由が思い当たらないまま首がとぶこともある。
予防法としては、他のバンドから手を差しのべて引っ張ってもらうのがよいが、その場合には、逆に マネージャーから足を引っ張られないよう注意が必要である。

【ツーフゥ】
一般的な「通風」ではなく、普通(の逆読みで、ツーフゥ)、つまり、バンドマンでありな がら、早寝早起き、快食快眠快便、衣食足りて礼節を知る、などの普通の生活に溺れてし まう病気。「平凡パンチ」「週刊平凡」などの雑誌の愛読者に多く発症する。一旦溺れると 浮き上がることは難しく、ほとんど不治の病い。
予防法としては、「三ム」の実践が有効。「三ム」とは、ムリ、ムダ、ムチャで、この三つ を規則正しく繰り返すことで、ツーフゥの発作を防ぐことができる。

【イロノーゼ】
男のバンドマンにのみ発症する病気で、漢方では「色脳是(ソァナオシー)」と呼ばれる。
一日中女のことばかり考えて脳ミソが退化するという、世にも恐ろしい病気。
「色バカ」と呼ばれることもあり、昔から「バカにつける薬はない」と言われるとおり、 こればっかりは、予防法も治療法もない。

【キカン四炎】
主にバンマスが発病する、メンバーの四つのキカン、すなわち「キカン四」が原因で起こる、 炎症性疾患。
「キカン四」とは、「言うこと聞カン」「音聴カン」「小言が効カン」「短キカン」、つまり、言 うことを聞かない、演奏中に他人の音を聴かない、小言を言っても効かない、そのくせ短 期間で辞めてしまう、という、メンバーの四つのキカンを指す。「頭ガ痛イ」というのが主な症状。
予防法としては、特効薬「パリヒ」があるが、値段が高い割りには当り外れがあり、最近ではその効能が 疑問視されている。


以上、少例ながら、バンドマン特有の病気とその予防方法について列記いたしました。
皆様におかれましては、これらの病気予防に配慮され、新型インフルエンザに罹患することの無き よう、且つ新型インフルエンザの流行(パンデミック)に備えて、酒、肴などを十分に備蓄され ますよう、僭越ながらご忠告申し上げる次第です。                 敬具

追記
なお、上記内容の信憑性についての判断は皆様のご賢察によるところであって、当ホームページは一 切関知しないことをお断り申し上げます。