「新ことわざ慣用句・用法辞典」(下)


続)バンドマン御用達の、新しい解釈によることわざ・慣用句の用法辞典です。使い方を習得して 斬新な表現で世間をアッと言わせてください。(但し、世間がアッと言い過ぎてトラブルが発 生しても当方は一切関知しません、あしからず。)

【石の上にも三年】(長らく辛抱すればいつかは報われるということ)
バンマス:「三年ぐらい前からずっと背中が痛かったけど、昨日病院に行ったら、腎臓結石 って言われた」
メンバー:「へー、よく三年間我慢しましたね、『石の上にも三年』ですね」

【馬の耳に念仏】(高尚な話も興味のない人にとってはただの退屈な話に過ぎない)
バンマス:「あいつ、自分のモノが馬ぐらいあるって自慢しとったのに、とうとう死んでし もたなー。」
メンバー:「そうなんすかー。じゃあ、今日のお経は『馬の耳に念仏』だったんですね」

【壁に耳あり障子に目あり】(密談は誰にこっそり見聞きされているかわからない)
バンマス:「あれ、誰や、ここに耳と目の絵、落書きしたのは!?」
メンバー:「あ、それジャーマネが、このバンド部屋よく話が漏れるから『壁に耳あり障子 に目あり』だって、ブツブツ言いながら描いてましたよ」

【聞いて極楽見て地獄】(評判が良くても実際に見たらひどいこと)
バンドマンA:「昨日バンマスの家に行ったんだって?チャンカー(奥さん)美人らしいね」
バンドマンB:「いいや、『聞いて極楽見て地獄』」

【雀の涙】(量が少ないことのたとえ)
バンマス:「痛っ、雀の焼き鳥の小骨が刺さった!あー、涙が出た」
メンバー:「それって、いわゆる『雀の涙』ですね」

【立て板に水】(立てた板に水を流すごとく弁舌が流暢なこと)
バンドマンA:「おい、うちの店で、食中毒が出たんだってな」
バンドマンB:「調理場で、まな板をよく洗っていなかったらしい」
バンドマンA:「ははー、洗う時『立て板に水』だったんだな」

【遠くの親戚より近くの他人】(いざという場合には近所の人の方が頼りになる)
メンバーA:「明日一日休みたいけど、親戚の葬式ってことにしようかな」
メンバーB:「あ、一日だけなら『遠くの親戚より近くの他人』で、近所の人の葬式でいいよ」

【長いものには巻かれろ】(勢力のある者には抵抗せず従ったほうがよい)
バンマス:「お前、歴史に詳しいって言ってるけど、クレオパトラが、カエサルとどんな方 法で会ったか知ってるか」
メンバー:「それぐらい知ってますよ。巻かれた絨毯(じゅうたん)の中から出てきたんで すよ。じゃ、それから出来たことわざ、知ってます?」
バンマス:「ことわざ?いや、知らんなー」
メンバー:「『長いものには巻かれろ』ですよ」

【掃き溜めに鶴】(周囲に不釣合いに飛び抜けて美人なこと)
メンバー:「バンマス、それ何の写真です?」
バンマス:「これ?息子の結婚式で、うちの親族と嫁さんとで、一緒に撮った写真」
メンバー:「へーぇ。あ、お嫁さん美人ですね」
バンマス:「な、けっこうベッピンさんやろ」
メンバー:「ホント『掃き溜めに鶴』ですね」

【早起きは三文の得(徳)】(早起きは健康になるなど何かしらいいことがあるものだ)
妻:「あんた、たまには早起きしたら。いいことあるかもよ」
夫:「フン、『早起きは三文の得』って言って、たった三文にしかならん」

【下手の横好き】(才能はないのに熱心さだけはあること)
バンドマンA:「はい、銀で王手」
バンドマンB:「またごまかす!銀が横に動くか」
バンドマンA:「あ、ごめん。『下手の横好き』なもんで」

【仏の顔も三度】(どんなに温厚な人でも理不尽なことを何度もされると最後には怒る)
メンバー:「バンマス、親父が死んだんで、明日休んでいいですか」
バンマス:「バカ、この前もそう言って休んだろ。何回、親を殺すつもりや」
メンバー:「えっと、『仏の顔も三度』と言うからあと1回」

【三つ子の魂百まで】(子供のころの性格や習性は生涯変わらないものだ)
バンマス:「今度生まれた孫、双子でなー」
メンバー:「ありゃー、双子ですか、惜しかったですね。三つ子なら『三つ子の魂百まで』 で、百歳まで長生き出来たのに」

【焼け石に水】(わずかの効果しかなく役に立たないこと)
メンバー:「バンマス、昨日近所が火事だったんですか」
バンマス:「そう。消防車が来て、うちにもジャンジャン水かけて、もー、部屋メチャメチャ」
メンバー:「へー、大変だったすね。家、木造ですか」
バマンス:「いや、コンクリート」
メンバー:「へー、じゃ『焼け石に水』だったんだ」

【夜目遠目笠の内】(どんなに不美人でも見えにくい場所では美人に見える)
バンマス:「おい、俺のチャンカー(女房)、見かけんかった?」
メンバー:「奥さん?ああ、あれじゃないですか、ほら、あそこで傘さして立ってる、『夜目遠 目笠の内』の女の人」