先生と言われるほどの・・・


先日、ライブの休憩中、「誰か、楽器を教えてくれる先生、いませんかねえ」と聞かれた。 以前に「いい教則本がない」と書いたことがあったけど、同じように、いい先生も少ない のかもしれない。

自分が上手なことと、教えることが上手なこととは違う、というのはどの業界でも通説。 バンド界も御多分に洩(も)れずで、「上手いんだが、先生となると?」という人は多いようで、 「イメージを持って、スーッと吸って、バーッと吹く」とか「ジーカンパツイチ(感じ一発)で」 とか・・・(?)ま、どだい、先生としての才覚をバンドマンに求めるのは無理かも。

ところが、若い人から「先生」とか「先輩」と持ち上げられると、すぐその気になってしま うのも、バンドマンの常。まあ、可愛いと言えば可愛いけど、年をとってきて心にスキが 出来ると、そうなるのかもしれない。年をとったら、若い人のお世辞に乗らないよう、気を つけないと。

パソコン用語に「レガシードライブ」というのがある。レガシーは伝説、つまり、古くて、 もはや使い道がない周辺機器のことで、フロッピーなどのこと。バンドマンも、現役のうちから 「伝説の〜」と呼ばれて喜んでいると、そのまま「レガシーバンドマン」になってしまうかも。

そう言う意味では「先生と言われるほどのバカでなし」というのは、よくよく見れば、 けだし名川柳。だいたい、「先生」と書いて「先に生れた」と読むと言うが、読み方によっては 「先ず生きている」とも読める。(落語では「先に生えた」と読む。)言い古された川柳だけど、年を とってからの座右の銘としては、うってつけ?