酒を飲んで演奏することについて
酒を飲んで演奏することがあります。 もちろんそれなりの場所でのことで、のべつまくなしというわけではないんですが。 それについては、
<酒を飲んで演奏するとはなんたること!>
1.楽器操作の感覚が鈍る
2.音程が悪くなる
3.集中力が持続しない
4.酒を飲んだ精神状態で演奏を聴かせるとは客に失礼だ
5.酒を飲まないと演奏ができないなんて本当の演奏家ではない
6.近くで聴くとアルコール臭い
7.楽器がかわいそう

などの非難が山ほど出てきて、この話はこれでおしまいです。 しかしここでは、あえて逆の意見を述べましょう。

<適切な量の酒は精神と肉体を高揚させる!>
1.自分の演奏を後でテープで聞いた時、 四角四面(シラフ)の演奏はちっともおもしろくないが、 ちょっと飲んだ時の演奏はスリリングで楽しい。
2.飲んだ客との一体感から生まれるライブの興奮は、 こちらも適度に飲んでいるほうがより親近感がわく。
3.疲れた時、一口酒を飲むと体力が回復し、張り切ってステージにあがれる。

など、言い訳がましいがそれなりに実感がある、と思う人も多いのではないでしょうか?
ただし、練習ではうまくできても本番になるとあがってしまう人にはあまりお奨めしません。
酒を飲むのは、プラスをもっとにプラスにするためで、 マイナスをプラスにするのを酒に期待するのはムリというもの。

では、プラスをさらにプラスにする酒の量、演奏に適した酔いという
があるんでしょうか。たとえば・・

リハが終わって、のどの渇きをいやすため、 1回目のステージまでの時間とのバランスを考えて一口。
1回目の演奏の後、今日の客はノらん、とボヤきながら、 体力の消耗と醒め具合いをみて、ボチボチ補充。
2回目の後、やっとノってきた、と言いつつも、次のステージのこと、 ライブのあとの打ち上げ、そのあとのナンパに影響しない量など、 ひそかに考えながら、なおも補充。

このようにすべて計算し、量をコントロールし、 その意識のもとにエキサイトし演奏する、そうやって飲んでこそ、 「酒は演奏に良い」と公言できる演奏家になれるというものでしょう。
じゃ、酒飲みの演奏家は、皆そんな計算をして飲んでいるのかって?
そんな訳、ないでしょ。