小型録音装置の無かった時代は、なかなか自分の演奏を聴く機会がありませんでした。
それがいまでは、MDに録音し、それをもとに自分のCDを作ることも、そんなに難しい
ことではなくなりました。しかし、環境が整うにつれ、録音への情熱が薄れてきている、
そんな気がします。
もっと客観的な観点から自分の演奏を聴きたい、それが録音の目的なのですが、
演奏の前になると他の準備でバダバタしてしまい、最近は「ま、また今度でいいか」、と
なってしまいがち。録音可能の付いた高いMDを買った時の、あの情熱はどこへいったのか。
録音に消極的になる原因として、録音を聴いたあと、
A.反省し過ぎて、次の録音がこわい
B.増長し過ぎて、次の録音を怠ける
という状況があげられます。Aは現実逃避、Bは現実認識不足。
どちらにしろ、弱い精神のなせる業。
自分の芸に厳しく、誰よりも多く自分の噺(録音した)を聴いたと言われる
六代目・三遊亭円生さんが、円生百席を収録し終えた時の言葉、
「レコードの方が私よりうまくなった」
気を強くもって、いつでも持ち出せるよう習慣づけて、MDがほこりをかぶったままに
ならないよう、なんとか元をとれるよう頑張ろう・・って、ただのケチかよ!
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