もう一度、教則本
なぜ教則本をやるのか。バンドマンの場合、それは前回も書いたように、実践での 対応が目的です。ゆっくり時間をかけて練習して演奏する、またはいつも同じ楽譜を 演奏する、のならいいのですが、実際はそうはいきません。

キャバレーでよくあるパターン、「新人です、よろしくお願いしまーす」と言って かわいらしい顔をして持ってきた楽譜が、シャープ5つだったりフラット6つだったり、 テンポがメチャクチャ速かったり、やったことの無い新しいリズムだったり。

それでも、「1曲目は、2コーラス?、テンポは?、仕掛け無し?はい。次は、・・・、 以上?。じゃよろしくお願いしまーす。」で、打ち合わせは終わり。もちろん、 誰も練習などしやしない。そして20分後には本番ステージで演奏。

パッケージショーなど複雑な仕掛けのあるものは、前もってリハーサルをすることも ありますが、ほとんどの場合はこんなふうにぶっつけ本番、そして練習しないのが バンドマンの意地。そんな時、頼りになるのは自分の腕だけ、そのもとになるのが、 普段の練習、そして教則本。ぶ厚い教則本を繰り返し練習し、音符に慣れ、音域に慣れ。

最近はそういう状況も少なくなって、練習の意味合いも違ってきているようですし、 こんな時代遅れの考えは通用しないかもしれない、また、コンクールに向けて同じ曲を 繰り返し練習することも必要でしょう。ただ、若いうちに、いやというほどある(と思っている) 時間の、半分を教則本に向けることは、のちのち決して損になることは ありません。(もちろん、人生の残り半分の方が少なくなった人にとっても。)

もう一度、がんばって教則本、開きましょう・・かネ。