バンドマン的・カタカナ語大辞典 (サ)

                  バンドマン的・カタカナ語大辞典 (サ)


サーカス【 circus 】
曲芸や軽業、奇術、動物の芸などを、大型テントなどの施設内で観客に見せるのを生業とする興行団体。なお、所属する バンドは、ステージと楽譜の両方を見て、曲芸などのタイミングにピッタリと合わせて演奏するという、特殊な技能が 必要とされる(筆者体験談)。

サークル【 circle 】
1.円。
2.拘束のゆるい、それでいて交際の場が生れるという、社交を目的としてつくられた集団。厳しい規律を嫌う暇な大学生などが よく主催する。

サーチエンジン【 search engine 】
ウェブページ検索のためのプログラム(エンジン)のこと。なので、広義にインターネットで目的のページを探すために 利用する検索サービスサイトのことを指すこともあるが、サイトそのものがサーチエンジンというわけではない。
<用法例>
「おい、この件、インターネットで調べてくれんか」
「ああ、バンマスいいですよ。サーチエンジンで探してみます」
「え、エンジンで?バンド部屋の中でか?おい、排気ガス、大丈夫か!」

サーチャージ【 surcharge 】
追加料金。燃油特別付加運賃。めったに自腹で旅行などしないバンドマンにとっては、飛行機や船の料金と別に払う、理不尽としか 思えない料金のこと。

サード【 third baseman 】
1.野球の三塁手。
2.ビッグバンドの各パートの三番奏者。トランペット、トロンボーンは1st、2nd、3rd、4thのうちの3rd。 サックスは1stアルト、2ndテナー、3rdアルト、4thテナー、5thバリトンのうちの3rd。バンドがリストラを するさいに最も標的になりやすいパート。

サーバー【 server 】
多くのクライアント(パソコン)を同じネットワークの元で利用する場合に、根幹となるシステムを保有しLAN(回線)で結んで 全体を統括する機能を担うコンピュータのこと。
<用法例>
「おい、パソコンの、サーバーとクライアントって、どんなもんや」
「えーっと、いわば、鵜飼いの鵜匠と鵜、みたいなものです」
「そうか。じゃ、バンドで言えば、バンマスの俺とメンバーみたいなもんだ」
「いえ、ちょっと違います」
「どう違うんや」
「パソコンも鵜飼いも、つながっているのはヒモ、バンドの場合は、金」

サービス【 service 】
1.客に対する、金銭的対価を必要としない応対や物品の提供。特に、東京オリンピック招致を目的として行う過剰サービスは 「お・も・て・な・し」と呼ばれる。
2.おまけ、景品、free of charge。菓子などの商品に添付された、マニアにとっては本来の商品より高い価値を持つ付属の小物。

サービス残業【 service overtime (work) 】
会社に虐げられた労働者が、残業申請をしないで泣く泣く行う時間外労働のこと。
<用法例>
「アンコール!アンコール!」
「ありがとうございます、では、お客様のアンコールにお応えしてもう一曲・・・」
「バンマス、それってサービス残業ですか、それとも残業代、ちゃんと出してもらえるんですか!」

サーマルプリンター【 thermal printer 】
感熱式のプリンター。熱を与えると黒く変色する紙を用いて印字をする仕組みのプリンター。インクやインクリボンを使用しなので 取扱いが簡単で、スーパーのレジや、持ち運びする端末機器の印刷用に用いられている。インクジェットプリンターが一般的になる 前には、ドットプリンターとともに主流だった、レジェンドの印刷システム。

サイド【 side 】
1.側(がわ)、全般のうちの片側部分。
<用法例>
ジャズナンバーの「On The Sunny Side Of The Street(明るい表通りで)」
Grab your coat and get your hat (コートをつかんで、帽子をかぶって)
Leave your worries on the doorstep (イヤなことは玄関の階段に置いといて)
Just direct your feet to the sunny side of the street (陽のさす側に一歩を踏み出そう)
2.横、脇(わき)。バンドではトップ(プレーヤー)に対して、サイドマンの略。

サイトシーイング【 sightseeing 】
観光、遊覧の意味。落語の、「アメリカの入国審査で入国目的は?と聞かれたら『斉藤寝具』と答えるといい、と聞いた男が、そのとき になって『斉藤布団』と答えた」、という古い小噺の元になっている言葉。

サイドビジネス【 side+business/ sideline, moonlighting 】
副業。バンド用語で言うところの「ショクナイ」。

サイドメニュー【 side+menu 】
主菜に対する、副菜。回転寿司屋の、寿司に対する、汁物、デザートなどの品々のこと。窓際に置いてあるメニューのこと、 ではない。

サイバーテロ(リズム)【 cyberterrorism 】
インターネットを介してパソコンに不正侵入し、そのシステムの破壊、書き換え、データ窃盗などを行う不正行為。 インターネット創成期から一部の有識者がその危険性を訴え、ほったらかしにされ、今では防ぎようのないものになっている インターネット上の犯罪。

サスペンダー【 suspenders 】
ズボン吊り。腹の出たバンドマンがベルトの代わりに愛用することが多い。ただし、管楽器を演奏する場合は、腹部を締めないので、 楽なようでいて却って演奏に力が入らない、という欠点がある。

サスティン【 sustain 】
維持する、という意味。音楽用語では、ある音を演奏したあと、その音が減衰しながら残っていることをさす。音の汚い奏者がなんとか きれいに聴かせたい、というときに用いる代表的な音響手法。

サスフォー【 suspended forth 】
コードの三度の音が半音上がって(サスペンデットされて)四度になっているコード。コードCの場合、CEGのうちのEが半音上(F)に上がった コード。Csus4と記する。その音で緊張を持たせておいて、ナチュラルの三度に戻って解決する。

サッカリン【 saccharine 】
砂糖の500倍の甘さを持ちながらカロリーが無い、という人口甘味料の一つ。一時の流行の後、発がん性が疑われ、その疑いが 晴れた後も、団塊世代のバンドマンにとってはトラウマになっている甘味料。

サクソフォーン【 saxophone 】
サックス(sax)と略して呼ばれることが多い。1840年代にベルギーの管楽器製作者アドルフ・サックスによって考案された管楽器の 一つ。管の長さ(=基音の高さ)によって、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンなどの種類がある。金属で作られているのに 木管楽器とはこれいかに?、という素朴な疑問をいつも投げかける楽器。

サテン【 satijn / satin 】
光沢のある糸でしゅす織りという織り方で織られた布。
デューク・エリントン楽団の初演の後で歌詞が付けられたジャズナンバーの「サテン・ドール」は、「シャレたあの子には気を つけなくっちゃ、彼女はサテンドールさ」と歌う。ジャズのスタンダードとして取り上げられることが多いが、歌詞の中に スラングが多く、本来の意味がつかみ辛いのが、ジャズ歌手悩みのタネ。

サニタリー【 sanitary 】
「衛生上の」という英語の意味から、住居のトイレ、浴室、洗面所などの衛生のこと、転じてその設備、施設をさすこともある。

サバイバル【 survival 】
生き残ること。緊急事態から脱出・生還すること。バンドマンの日常生活のようなひっ迫した状態から逃れること。

サブウェイ【 subway 】
地下鉄。地上が自動車でイッパイになったとき「地上がだめなら地下があるさ」と、鉄道業者が考えついた鉄道敷設の手段。 現在では「地下がだめなら、地下の地下があるさ、地下の地下がだめなら・・・」と、地球のコアにたどり着くまで潜り続けられている。

サプライズ【 surprise 】
驚き。また、驚かせること。内密に準備したうえである人を驚かせ、それを見て周りの人たちが喜ぶ、というテレビの下品な サプライズ番組の影響を受けて、同様の演出が結婚式などのイベントで横行している。

サブリミナル【 subliminal 】
潜在意識下の。意識の下にある潜在意識の部分。かつてテレビ「刑事コロンボ」で、ある映像に一瞬他の映像を紛れ込ませる ことによって犯罪を成功させる「意識下の映像」という番組があり、それにより「サブリミナル効果」が広く知られる ことになった。現在、その効果は実証されていないが、社会倫理上その使用を規制する方向にある。
<用法例>
「メンバーを一人リストラせんといかんな〜・・・おい、ちょっと」
「なんでしょうか、バンマス」
「ああクビ、明日のリハーサルのことやけどクビ、時間は4時からクビ」
「はい」
「でもクビ、おまえは少し早めに来てクビ、練習をクビ、やれクビ」
「はい、わかりましたバンマス、クビにならないよう頑張りますアホ」

サボタージュ【 (仏) sabotage 】
労働組合の争議戦術の一つ。仕事はしているが、意識的に仕事の効率を下げて働くこと。「サボる」の語源の言葉。
<用法例>
「おいドラム、テンポが遅れとるぞ、手抜きするな」
「バンマス、手抜きではありません。効率が下がっているのだから、正確にはサボり、です」

サマータイム【 summer time 】
1.夏時間。夏の間の一定期間だけ時計の針を1時間進める制度。就労時刻、列車のダイヤなど、多方面に影響を及ぼすため、 生真面目な現代の日本人には受け入れがたい制度。
2.ジャズナンバーの一つ。オペラ「ポギーとベス」の中で「夏の暮らしは楽しいもんだ、魚は跳ねるし、綿花は育つ、父ちゃん金持ち、 母ちゃん美人、だからいい子でネンネしな」という、正反対の生活を歌った子守唄。

サラダバー【 salad bar 】
レストラン、寿司屋、焼肉屋などの飲食店内で、サラダ用の野菜とドレッシングなどを並べた場所。また、無料もしくは安い 付加料金でそれを利用できる方式のこと。
<用法例>
「おい、どっかスイヤー(安い)でケーサ(酒)飲めるとこ、ないかな」
「バンマス、このファミレスいいんじゃないっすか、サラダバーもありますよ」
「え、サラダで酒が飲めるもんか、アホ」

サンキュー【 thank you 】
ありがとう、の意。本当はありがたくないとき、義理で礼を言うとき、サービスに対して「当然だろ」の意をあらわすとき、などに 便利に使用される英語。

サンドイッチマン【 sandwich man 】
広告版を身につけたり手に持って街頭を流し歩く宣伝マン。体の前後に広告板を下げている様子がサンドイッチに見えることから。 戦後の日本でよく見かけられたが、実際には江戸時代にも似たような広告方法は取られていた。なお、芸人の二人組は 「サンドウィッチマン」なので発音を間違えないように。