バンドマン的・カタカナ語大辞典 (コ)

                  バンドマン的・カタカナ語大辞典 (コ)


グローバル化が進む現代において、カタカナ語の意味を正しく知ることは大変重要です。 この「バンドマン的・カタカナ語大辞典」では現代社会に氾濫するカタカナ語を分かり 易く解説しています。また「覚え方」、「用法例」も記載していますので参考にしてくだ さい。ただし、ここに記載した内容の真偽に関して、当ホームページは一切関知しませ んのでご了承ください。


コインロッカー【 coin locker / coin-operated locker 】
硬貨(コイン)を投入して鍵(lock)をかける方式の貸しロッカー。以前は100円玉1個で利用出来たが、 最近は200円以上の場合が多いので、正式にはコインズロッカーと呼ぶべきである。なお、コイン を貰ってロック(rock)を演奏する人のことではないので、念のため。

ゴースト【 ghost 】
1)死人が生前の姿をとって現れること。つまり幽霊のことだが、映画「ゴースト」、「ゴーストバス ターズ」を、日本語のタイトル「幽霊」、「幽霊退治隊」にしても、多分客は来ないと思われる。
2)安物のテレビによく起きる、画面が二重に見える現象。そのため、3D映像だ!と思って3Dメガ ネをかけても飛び出して来ない。

ゴーストライター【 ghost writer 】
美人タレント、イケメン芸能人、売れっ子有名人などに代わって、それなりの報酬と口止 め料を貰って、あたかも本人が作ったような文章や作品を代作する人のこと。
注)このエッセイには、残念ながらゴーストライターはいません。

コーダ【 (伊) coda 】
曲の終わりに、終結の効果を強めるために別に付け加えた部分のこと。バンドマンが初見 の楽譜を演奏するさいに、リピート、ダルセーニョとともに、最初に確認しておかなくて はならない部分。これを怠ると、曲が終わったのに一人だけ演奏している、という悲惨な 状況になる。コーダがなく曲の最後部を使って終結することは「ウタジマイ(歌仕舞い)」 という。

コーダル【 chordal 】
和音的な。モーダル(旋法的な)に対する用語。

コーディネーター【 coordinator 】
あれこれ口出しして、各部を調整しながら全体の流れをまとめて(コーディネイトして)、複雑な作業 を円滑にする専門家。口出しするさいの言葉はもちろん、「こうでねえと」。

コード【 chord 】
和音。二つ以上の音の重なりのこと。なお、電気などに用いるコードはcord 、「ダビンチ コード」などのコードはcode なので、バンドマンの「このコード、高度や」とか、「コード って、電気コード電話コード、どっち?」などの、アホな会話に毒されないように。

コードネーム【 chord name 】
和音の構成音が一目で分かるように、アルファベット、数字、記号等で表したもの。メジ ャーコードはC、マイナーコードはCm、のように表記する。ニューオリンズジャズ時代 の作曲家ジェリーロール・モートンの考案。一方、音符を重ねて表したものはその形から 「ダンゴ(団子)」と呼ぶ。ダンゴを簡単にするのがコードネームの役割だが、最近は複雑 な和音をいろんな記号を使って表記するため、初心者にはかえって取っ付きにくくなってい るのが実情。

コードレスホン【 cordless phone 】
コード(電話線)の付いていない室内電話機。テレビのリモコンとほぼ同じ形をしている ので、「電話器と思たら、これ、リモコンやん!」というくだらないネタが、団塊世代に使われていた。 最近は携帯電話やスマートフォンが全盛なので、「コードレス」という言葉自体が死語。

コーヒールンバ【 Coffee rumba 】
アルパ(ラテンハープ)奏者のウーゴ・ブランコ(Hugo Blanco)の演奏で世界的にヒット したラテンの曲。原曲は「Moliendo Cafe」(モリエンド・カフェ=コーヒーを挽きながら)。

夕方、日が傾くと、また暗闇がやって来る
あるのはコーヒー農園の静けさ
いつものように、また(その歌が)聞こえる
それはコーヒーの古い挽き臼の悲しい恋の歌

それは、夜の休息のなかでうめき声を聞いているよう

ある恋の苦しみを、ある恋の悲しみを
サンボ(黒人と先住民の混血)のマヌエルは心に抱く
彼の悲嘆のなかで、とどまることなく夜はふけていく
コーヒーを挽きながら

日本では1961年ごろから西田佐知子の「コーヒールンバ」のタイトルでヒットし、団塊世代のおじさ んに「カッ、カ、ウ、カ、ウ、カッ、カッ」のクラベスのリズムでお馴染みになった。 キャバレーでは「クスリルンバ」、「日本酒ルンバ」などの替え歌を自慢げに歌うバン ドマンが続出した。

コーラス【 chorus 】
1)合唱。「ママさんコーラス」、「結婚式での友人によるコーラス隊」のように、「合唱」よ りフランクな言葉として、また実力の無さをカバーする言葉として用いられる。
2)曲の主題部分のこと。ジャズでは特に、イントロとエンディングにはさまれた、テーマ 部分を指す。また、テーマ部分の繰り返しの回数の単位。コンボバンドでは「アドリブ、好きな だけどうぞ」、「じゃ、100コーラス」などという会話が飛び交う。

コールスロー【 coleslaw 】
キャベツ千切りサラダ。コール(キャベツ、ラテン語が元)のスロー(サラダ)で、キャ ベツ・人参・玉葱などを千切りにして合わせたサラダのこと。
<使用例>
「バンマス、ここバイキングですから。俺、コールスロー取ってくるけど、いりますか」
「コールスロー?それって、冷たいうえに、遅く出て来るのか!」
「・・・?」

ゴールデンウィーク【 golden+week 】
4月末から5月初にかけての連休。もとは映画会社・大映が連休に客を呼ぶために作ったキ ャッチコピー(宣伝用語)。しかし、最近では「緑の日があるのに何がゴールデンだ」、「ウイーク(1週間)どころか休みは1日 もない」、「カタカナ語に惑わされんゾ」というへそ曲りなバンドマンの抗議を受け、「大型連休」という呼称が一般化して いる。

コールドクリーム【 cold cream 】
化粧落とし用のクリーム。古い世代のトロンボーン奏者は、スライドクリームが一般化す る以前は、コールドクリームをスライドに塗っていた。そのため、ケースを開けるとなに やら艶かしい匂いがした。

コストパフォーマンス【 cost performance 】
費用対効果と訳される経済用語。店のイベントで客を集めるのに、3人のチンドン屋のほう が15人のフルバンドより多く集客できた場合、チンドン屋を使う方がコストパフォーマ ンスが高い、などのように用いる。

コスプレ【 costume+play / cosplay 】
団塊世代のオヤジが妄想するような風俗的な扮装ではなく、マンガやゲームなどの登場人物の扮装をすること。 コスチューム・プレイは和製英語だが、「cosplay」は今やイギリスの辞書にも載る、世界で通 用する言葉になっている。

コックローチ【 cockroach 】
ゴキブリ。器を噛むように見えることから御器噛(ごきかぶり)となった。筆者の出身地では 今でも「ゴッカブリ」とか「ゴッコブリ」と呼ぶ。数億年前からいる「生きた化石」で、 害虫種はわずかなのに、人類に最も嫌われている虫。ご愁傷様。

コニャック【 cognac 】
フランス西部のコニャック地方で産出されるブランデーのこと。コニャック=ブランデー だが、ブランデー=コニャックではない。同様に、シャンパン=発泡性ワインだが、発泡 性ワイン=シャンパンではない。同様に、バンドマン=意志薄弱なくせにへそ曲がりで意地っ張りだが、 意志薄弱なくせにへそ曲がりで意地っ張り=バンドマン、ではない。

コネ / コネクション【 connection 】
裏口入学、同族就職、借金、などの際に頼りにする、間接的な縁故関係のこと。自称 一匹狼のバンドマンが欲しくても持てないものの一つ。

コピーアンドペースト【 copy and paste 】
パソコン用語。画面上の画像や文章をコピー(パソコンの一時メモリー領域に保存)し、 他の場所にペースト(張りつける)という操作のこと。コピペと略される。インターネット にある文章や画像をコピペして、あたかも自分のオリジナルのように公表する「コピペ 星人」が世界中に出現し、人類の文化レベルを低下させている。

コペルニクス的転回【(独)Kopernikanische Wende 】
180度の大転換のこと。天動説に対するコペルニクスの地動説が元。頭の硬いバンドマンには絶対にない発想のこと。

コマーシャル【 commercial 】
広告のこと。「では、ここでいったん広告です」よりは、金の臭しない言葉として、テレビ、ラ ジオなどの、消費者と直に接するメディアで用いられる。業界用語では「シャレコマ」と言い、 「シャルコマー」とは言わない。

コルネット【 cornet 】
金管楽器の一種。トランペットに似ているが、トランペットの管が1回巻きなのに対し、 コルネットの管は2回巻きで小型に見える。また、トランペットは管長の半分が円筒管、 半分が円錐管だが、コルネットは2/3が円錐管で、音質が柔らかい。そのため、鋭い音質を好む現代では、 小学生用としてや、ソロ楽器としてなど、たまにしか見かけなくなった。

コレステロール【 cholesterol 】
ヒトの細胞膜に存在する脂質。その実態を知らなくても、「コレステロール値が〜」とか、 「悪玉コレステロールが〜」などの言葉で、メタボのバンドマンを不安に陥(おとしい)れている物質。

コンガ【 conga/congas(複数) 】
アフリカを起源とする、長い胴を持つキューバ系の太鼓。一般的には大小2個セットで演奏される。ヘッドの径でコンガ(普通)、ク イント(小)、タンバドーラ(大)と呼び分けられる。キャバレーではバンドの前方に置い てあり、楽譜が揃っていない曲があると、そのパートのお調子者が叩くが、正式な叩き方 を知らないことが多い。

コンクリートジャングル【 concrete jungle 】
コンクリートの建物や道路に囲まれた、東京のような大都会のこと。人間の住む場所では ない、という比喩として用いられることが多い。

コンサートキー【 concert key 】
実音によるキー(調性)のこと。B♭楽器やE♭楽器が混在しているバンドで、音を指示 する場合に「コンサートキーのCの音ください、トランペットさんはレの音」、のように用 いる。

コンセント【 concentric+plug / outlet 】
電気楽器のプラグを差し込む器具。シンセサイザー、エレキギター、エレキベースなどの 電気楽器奏者が、ステージに上がって一番最初に探さなければならないもの。

コンデンス【 condensed score 】
コンデンススコアの略。バンドを編成する楽器の全てを書いた「総譜」に対し、曲の構成 や、流れや、和音などが分かる程度に省略して書いてある楽譜のこと。編曲をするさいのスケッチとしてや、 指揮をするさいの目安の楽譜として使われる。

コンビニ / コンビニエンスストア【 convenience store 】
「近くて便利」という名目のもとに、日本人の消費形態を変え(昔ながらの店舗の消滅、接客の形骸化)、 生活を変え(朝昼晩コンビニ弁当、寝間着で買い物)、人生を変え(コンビニ強盗、コンビニに車で突っ込む、 コンビニの冷蔵庫に寝る)、結果的に日本全体を根底から変えることになった、「黒船」的小規模店舗。

コンピューターミュージック【 computer music 】
コンピュータで作った音楽のことだが、現在では音楽の現場でコンピュータを使うことは 当たり前なので、最近は、コンピュータにしか出来ないような特殊性を狙った音楽を指すようになってきてい る。いずれにしても、ナマ音至上主義のバンドマンにとっては、目の上のタンコブ的な存在。