本番だけ本気、がプロの底力?
先日、あるコンサートに、ユーホニウムで出演させてもらった。全曲、プロのギタリストの編曲で、 編曲はすばらしいのだが、とにかく凝りまくってあり、難曲ばかり。1回の練習では不安で、 2回目もやった。ところが、どうしてもうまくいかない曲があり、本番前のリハーサルに 持ち越したところ、なんと、これまた途中で止まってしまった!

編曲した当人は、それこそ気が気ではないだろうが、半ばあきらめ気味に「本番はうまくやって下さい・・」。 10数人のメンバーも、不安をかかえたままステージに上がった。

ところが、本番のステージが始まった途端、リハーサルとは全く違って、ノリもボリュームも倍増! アドリブコーラスの数をオーバーしたりしながらも、リハーサルで止まったところも怒涛のごとく乗り切って、 エキサイティングにエンディング!。結局、ほかの曲も、リハーサルとは全く別の曲に思えるほど、 熱のこもった演奏になり、興奮と感動のフィナーレ。いやー、やっぱりプロの底力は違う・・・

と言うと、カッコよく聞こえるが、しかし、別の言い方をすると、いい意味でも悪い意味でも、 「リハはリハ、本番だけ本気」がプロ、と、とれないこともない・・?。
練習は、本番に備えていろんな角度からアプローチをして、表現を蓄える場
本番は、蓄えてある中から一番いいものを引っ張り出して、表現をさらけ出す場
ということでしょうか。

そういえば、練習でノリ過ぎると、本番ではそれを「再現」しようとしてしまい、演奏が死んで しまうことがあります。ともあれ、良くも悪しくも、本番と練習の切り分けがはっきりしているのが プロかな、と感じた演奏会でした。