初めてのステージのこと
先日数人で話している時に、話題が初めてのステージのことになりました。 いびられたとか、後ろからどなられたとか、いろんな初ステージの 話が出ました。

私はといえば、キャバレーでの初めての曲は、忘れもしない「Aトレイン」。 初見の曲で2ndTbでしたが、これがテンポ240以上。カウントが出た、 と思った瞬間からもう、どこをいっているのか判らない。

なにしろ1小節1秒のスピードで過ぎていくし、複雑な後打ちのリズムが 読めない、シャープ、フラットの位置が判らない、リピートもダルセーニョの 場所も見えない、ちょっと音を出すと1stが隣で怒鳴り声を出す。 あっというまに終わってしまい、ただボーゼン・・・。 実は全員かなり必死で吹いていたのかもしれないし、ひょっとすると新人への 洗礼の儀式かもしれない、とも思いましたが、それにしても悔しかった。

それでも、ほかにいくところもないし、そのバンドで、勧進帳や、 電信柱6本のハイトーン、青焼きで見えない楽譜などに鍛えられる日々を送り、 おかげでなんとか、ほかのバンドからパリヒされるようになりました。

いまとなってはあの「Aトレイン」がどこのバンドのコピー譜だったのかは わかりませんが、数十年たった今では懐かしく思い出す、強烈な印象を残して くれた「初めてのステージ」の1曲です。