数年前ガンで亡くなった「ロクさん」が歌っていた「バナナボート・ソング」を
歌ってみたくなり、歌詞を調べた。子供の頃「あんみつ食べたいお金がなーい」
など歌っていたあの歌だ。
えーっと、デライコンマンミ、ってのは、デイライト、カム、アンド、ミー・
ワナ・ゴーホーム・・ああ、アイ・ワナ・ゴーホームのスラングか。コンミスタ
タリマンは、タリーが数えるで、タリーマンが来て、タリミバナナで、バナナを
数えさせる・・タリーマンってのがいたんだろうな。
えっ、「死にそうな黒いタランチュラをかくせ」ってナニ?突然出てきた脈絡のない
言葉の意味が分からず、行き詰まってしまった。アメリカ人の友達に電話で聞いたが、
トラデッショナルなものなので自分にもわからない、という返事。やむなく、そのまま
歌うことにした。
ステージのあと、常連のお客さんと今の歌の話をしたら、「ああタリマンね、僕もタリマン
してたよ。」「エー?」「計数員といってね、何千何万とある船の荷役品を数える
仕事があるわけよ。荷物の計数と、船の停泊時間の戦いのような仕事。」なんとこんな身近に。
「あのー、中にタランチュラなんて言葉が出てくるんですけど」「ああ、バナナとか材木の中
には、蛇がまぎれ込んでいたり、毒蜘蛛がいたりするのはしょっちゅうヨ。」
疑問はまたたくまに氷解した。
原曲の意味もその通りなのかどうかはわかりません。でも「バナナの叩き売り発祥の地」で、
ごく身近にいる人から伝わってきた、門司港の「バナナボート・ソング」
の世界、これはこれでいいのだ、と思いました。
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