バンドマン風「悪魔の辞典<と>」
<と>

ど【ど】
名詞や形容詞の頭に付けて、程度が強いことを表わす語。「ど」という発音の持つ雰囲気に あわせて正しく使うこと。(例)NHK「ど演歌の祭典」、NHK「ど素人のど自慢大会」、 NHKバラエティ「ど田舎へ行こう!」、など。
(なお、例と同じように使ったのに叱られたとか、心証を悪くした、などの苦情があっても、 当ホームページは一切責任を持ちません。日本語は、自分の責任で正しく使ってください。)

ど【度】
守るべき基準、適正な値のこと。ニュースカイラークのメンバーを例に表現すると、 (例)「ステージ上で度外れな大声を出す」、「ジョークも度が過ぎると周りの迷惑」、「度 を越す飲酒の量」、「ビータ先で調子に乗り過ぎて度を失う」、のように使う。

どうも【どうも】
バンドマンが「おはようございます」以外に言える、もう一つの挨拶。バンドマンはこれを、 微妙なイントネーションで使い分ける。
1.トラで来た人との上下関係がわからない時、「どうも・・・」
2.無断欠勤した次の日、そっとバンド部屋に入る時、「・・どうも・・」
3.ソロのミスがバレているか、バンマスに探りを入れる時、「どうもー」
4.美人のホステスから「よろしく」と声をかけられた時、「・・・どうも」
5.ジャーマネに、厭々ながら礼を言う時、「どーうも」
ニュアンスが分からないという人は、一度バンド部屋に来て、聞いてみてください。なお、 その時は「ドーモー」と言いながら、入って来ること。

ときめき【ときめき】
異性に会う時に、喜びや期待で、胸がドキドキすること。(ただし、自分の夫や妻に会う時に 胸がドキドキするのは「ときめき」ではなく「動悸」です、早めに健康診断を受けましょう。)

どくがく【独学】
真っ直ぐ延びた舗装道路の横にある、たいていは曲がりくねってデコボコな道。「この先には いいことがあるに違いない」という、かすかな望みを頼りに、バンドマンが歩んでいる道。

どくぜつか【毒舌家】
音よりも言葉に毒のある、煮ても焼いても食えない種類のバンドマン。

とくばいび【特売日】
珍しく、バンドマンの妻が朝早くから起きている日。

どくりつさいさんせい【独立採算制】
離婚寸前のバンドマン夫婦の、家計状況。

とけいまわり【時計回り】
「時計回りが、右回りか左回りか解らん?」「はぁ、ずっとデジタル時計なんで・・・」

どげざ【土下座】
地面にひれ伏すことで、相手の顔を見ないで済み、かつ最上級の詫びをしているように見える、 簡便で効果のある謝罪の姿勢。慣れないうちは抵抗があるが、一度やると快感になる。ただし、 無防備の体勢なので、踏んだり蹴ったりされないよう、注意が必要。

とこじょうず【床上手】
男が思い憧れる、女の特技。(「布団をたたむのが上手なこと」ではないので、意味もわからず 不用意に人前で用いないこと。)

ところばらい【所払い】
悪いことをしたバンドマンを締め出して、地元のキャバレーで働けなくすること。

どさくさまぎれ【どさくさ紛れ】
ものごとをてっとり早く進めたい時に、バンマスやジャーマネがとる常套手段。

とっかんこうじ【突貫工事】
「あと10分しかないけど、ショーのソロ、大丈夫か?」「今、練習してます!」

とどのつまり
次のうち意味の正しいはどれか。
a.ぼらは成長するにつれ名前がかわり、最後に「とど」になることから、「結局のところ」の意味。
b.すぼらな女が結婚して名前がかわり、最後は「トド」に似ることから、「結局のところ」の意味。

とばっちり【とばっちり】
飛び散ってふりかかる水、転じて、周りにかかる迷惑。
例)「だいたい、ラッパのあいつがドロンして、次に来たラッパがあれで、トラのラッパがあれで、 ・・・ホント、ラッパ吹きなんて、世界中捜しても、まともな奴は一人もおらん!」

とびこみえいぎょう【飛び込み営業】
「チワー、ラッパ吹き、いかがですか。品行方正、悪癖なし。初見もきくし、ハイトーンも よう出まっせ。それに今なら何と、バンス不要!」

とみ【富】
バンドマンにとって一番縁のうすい漢字。

どろ【泥】
土と水が、ほどよく混ぜ合わさったもの。世話になった人の顔に塗るのに使う。「泥沼」から汲んでくる。 これを互いの顔に塗り合うゲームもあり、「泥試合」と呼ばれる。これで作った棒は「泥棒」、これ で作った縄は「泥縄」と呼ばれ、どちらも日本の警察で扱っている特産品。また、もっと水を加え 「泥水をすする」ことも出来る。酒に混ぜて飲んでもよいが、飲み過ぎると「泥酔」する。

ドンカマ【ドンカマ】
業界用語で、メトロノームやデジタル式リズムマシンのような、リズムの拍だけを刻む機器のこと。 バンド関係者、特にリズム隊が、テンポを確認する時に使用する。
<問題>ドンカマの語源は次のうちどれか。
a.これさえあれば「ドンと構えて」リズムが刻めるから。
b.「ドンドン、リズムが来る(カム)」から。
c.「鈍感でリズムに構わない」奏者のための機器だから。
d.「ドンカマチック」という、ふざけた名前の機器から。

答はd.
コルグ社の初期リズムマシン「ドンカマチック」という機器の名前から。その命名の由来は、バス ドラムの「ドン」、クラベスの「カ」、オートマチックの「マチック」の組合わせ(コルグ社ホー ムページより)。これが後世、「ドンカマ」という業界用語になろうとは、ま〜さ〜か〜。

どんかん【鈍感】
バンドマンにとって、生活上では善、音楽上では悪、という両面性を持つ感覚。

とんし【頓死】
突然死ぬこと。「バンマス、田舎の親父が突然死んだと連絡がありまして、明日休みを・・・」 「あんたのお父さん、よー突然死ぬなー、今年で3回目やで。たまには、ゆっくり殺したりー」

トンチンカン【頓珍漢】
脳ミソのネジがはずれたバンドマンが叩く、金属性打楽器の音。

とんてんかん【トンテンカン】
落語「紀州」で、尾州(尾張)公が、紀州(和歌山)公との将軍跡目争いの場に行く途中で聞いた、 鍛冶屋の槌(ツチ)音。これが尾州公には「テンカヲトル、天下を取る」と聞こえる。ところが、 結果は跡目争いに負け、紀州公が将軍に。スゴスゴ帰る駕籠の中、それでも「天下を取る」と聞こ える。「やっぱ、俺か?」と思っていたら、鍛冶屋が真っ赤に焼けた刀を水に浸けると、「キシ ュー!」
教訓:ライブの批評は、誉めているのか、皮肉か、最後まで見極めることが大切。