バンドマン風「悪魔の辞典<て>」
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ていしせい【低姿勢】
体の柔らかいバンマスやジャーマネが得意な、小言や苦情の直撃を避けるための、前屈姿勢。

でいすい【泥酔】
酔っている状態を表わす表現の一つ。酔っている状態は、
(1)意識が有る・・・微酔、半酔、大酔、泥酔など
(2)意識が無い・・・沈酔、昏酔など
(3)意識が戻る・・・宿酔など
の3段階に分類出来る。バンドマンは(1)(3)だけでなく(2)の状態でもステージに 立たなければならい、過酷な職業である。「スイングガールズ」を見た皆さん、くれぐれも バンドマンになりたい、などと考えないように。

でがらし【出涸らし】
本人は「枯れた音」と思っている、練習不足の老バンドマンの音。

できだかばらい【出来高払い】
「あの、トラ代が、約束より少ないんですが・・・」「ああ、ミスった分引いてあります。」

テクニック【technique】
技巧、技術のこと。楽器を演奏する上でのテクニックには、次の2通りがある。
(1)早い運指や高音域を演奏する、一見派手なもの
(2)微妙な音程や音色を演奏する、一見地味なもの
当ニュースカイラークでは、(2)を好むお客様を特に歓迎しております、ご了承のうえ、ライブに お越しください。なお(1)が期待はずれでも、料金の払い戻しは致しません、悪しからず。

てっぽうだま【鉄砲弾】
外出して、本番直前になっても戻ってこないバンドマンのこと。行った場所に よって「たま」の字を変える。パチンコ屋の場合は「鉄砲玉」、テレビ野球観戦の場合は 「鉄砲球」、女の所の場合は「鉄砲タマ(=女)」、まれに墓参りの場合は「鉄砲霊」。

てぬき【手抜き】
この「バンドマン風・悪魔の辞典」の筆者の、座右の銘。

てぬきえんそう【手抜き演奏】
複雑な音符を、客にわからないように省略する、バンドマンの丸秘テクニック。

でぱーと【デパート】
100円ショップ愛好家にとって、なぜそこで買い物をするのか不可解な虚栄商業施設。

でばかめ【出歯亀】
亀にとって甚だ迷惑な、変態性欲者を表わす言葉。

てまえみそ【手前味噌】
1)一般的には、「自分で作った味噌がやはり一番うまい」と自慢すること。
2)バンドでは、「ステージ手前に置いた味噌が腐らない」と自慢すること。

でまかせ【出任せ】
アドリブ習得における、初期段階の演奏形態。

てみやげ【手土産】
バンドを移る際に、次に行くバンドに持っていく、ちょっとした土産。
例)移る前にいたバンドの、内輪もめの情報、辞めたがっているメンバーの情報、バンマス のゴシップ、こっそりコピーした楽譜、など。

てもとがくるう【手元が狂う】
「演奏ミス」の文学的表現。

テレビ【television】
バンドマンの反骨精神を骨抜きにした、20世紀最悪の発明品。

でんたく【電卓】
計算と機械に弱いジャーマネでも使えるデジタル機器。

てんとうむしのサンバ【てんとう虫のサンバ】
結婚式の披露宴でのみ歌われる歌謡曲で、
・チェリッシュ(=男女ペア)の曲なのに、歌うのは女だけで男は無視
・音符が多い難しい曲なのに、音程は無視
・女はたいてい虫嫌いなのに、歌詞が虫だらけなのは無視
・「サンバ」という曲名なのに、擬似サンバなのは無視
・普通の歌謡曲なのに、「これ結婚式の歌じゃん」とカラオケでは無視
という、「ムシ」の運命を背負った曲。

てんどん【天丼】
貧乏バンドマンが(卵でとじてないのに、なぜカツ丼より高いんだ・・・)と、必ず 後悔する食べ物。

てんばつてきめん【天罰覿面】
悪いことをした報いが、即座に身に降りかかってくること。
例えば、あるドラマーがPAに向って「この田舎PAが!」と叫んだため、その後のステージ では一切、PA効果を使ってもらえなかった、というようなこと。(注:これはニュースカイラークの 楽屋オチです。)