バンドマン風「悪魔の辞典<す>」
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すいか【西瓜】
数人で食べるときに、「塩をつけた方が絶対ウマイって!」と主張する者が必ずいる、 夏の食物。

すいがんもうろう【酔眼朦朧】
こんな時ほどバンドマンは意地になって演奏したがる、酔って目が虚ろな状態。

すいせいのごとく【彗星のごとく】
若い演奏者がデビューする時に、よく使われる表現。但し、彗星というのは古来から、 長く尾を引き、中味が希薄で、不気味で、出現すると不吉、とされている・・・念のため。

すいそうがくだん【吹奏楽団】
ブラスバンドとも呼ばれる、管楽器と打楽器で編成されている楽団。弦楽器が加わる こともある。多くのジャズ奏者がこの出身でありながら、なぜかその意義を否定する 傾向にある、独特の音楽観をもった演奏集団。

すいま【睡魔】
ほどよい疲れ、ほどよい暖房、ほどよい休止がある楽譜、の3つがそろった時に現れる、 バンドマンを至福の眠りに誘う、悪魔の誘惑。

すえぜんくわぬはおとこのはじ【据え膳食わぬは男の恥】
モチロン頂キマスガ、据エ膳ハドコニアリマスカ。

すかいらーく【スカイラーク】
日本語では「ひばり」、他に「馬鹿騒ぎ」という意味もある。インターネットで 「スカイラーク」を検索するといろんなサイトが出てくるが、「ニュースカイラーク」 では、ほとんど当バンド関連のサイトしか出てこない。それを見越して「ニュー」 を付けた、森口バンマスの先見の明(?)に対し敬礼。

ずかんそくねつ【頭寒足熱】
頭上からはクーラーの冷風、足元からは照明の熱、のバンドのステージ。

すきこそもののじょうずなれ【好きこそものの上手なれ】
じゃ、好きでも上手になれない者はどうすりゃいいんだ、と文句のひとつも言いたくなる、 上手な者のためにあることわざ。

すきっぱら【空きっ腹】
酒を効果的に体内に取り入れる手段。

すきやき【すき焼き】
ステーキを知らないレベルのバンドマンにとって、最高の牛肉料理。

すけべい【助平・助兵衛】
すけべえ、スケベとも言う。好色なこと。「好き」を擬人化した「好兵衛(すきべえ)」 から。江戸時代の上方で使われ始めた言葉で、男性が男性たる股間、じゃない根幹を表わす 言葉。バンドマンに助平が多いというのは、人類存続のためには喜ばしいことである、 バンザーイ!

す、すばらしい!【す、素晴らしい!】
ジャズのスタンダードナンバー「 ’S Wonderful(スワンダフル)」の日本語訳。

すっからかん【スッカラカン】
欲も無い、金も無い、先の見込みも無い、という、バンドマンが一番人間らしくある、 スッキリとして爽やかな状態。

すてれんきょう【ステレンキョウ】
落語「テレスコ」より、テレスコを干したもの。
奉行所から「捕えた珍しき魚の名を存知おる者に百両の懸賞を出す」というおふれが出た。 そこへやって来た一人の男、「この魚はテレスコに御座います」。「テレスコ?!・・」 しかし、誰も名前を知らないので、違ってるんじゃないか、とも言えず、百両を与えた。
そこで奉行所は一計を案じ、この魚を干して、後日、また同じおふれを出した。 またもや、やって来たくだんの男、「これはステレンキョウに御座います」「!おのれ、形は 変わっているがこれはテレスコを干したものである、御上を愚弄する不届き者、打ち 首じゃ!」。
やがて刑執行の日、「何か望みはないか」「できますれば妻子に一目だけ」。妻子を前に 男は、妻に向ってポツリ、「どうかこの子には、イカの干したのをスルメと言わせるな。」 それを聞いた役人、「・・・ウム、イカの干したのがスルメなら、テレスコを干してステ レンキョウ・・・よし、許してつかわす。」
教訓:結局は、詭弁を弄した者が勝ちだ。
(なお、テレスコはテレスコープ、ステレンキョウはSTEREN鏡(星鏡)からきている、 という説もある、奥深い落語である。)

すとりっぷしょー【ストリップショー】
キャバレーでは制限があって、一般の劇場で見るほどには面白くないショー。 ただし「バンドにサービス!」と声をかけると、バンドの方を向いてサービスして くれることもあるので、バンドのメンバーにとっては別の楽しみがあるショー。

すらいど【スライド】
「生まれ変わっても今の楽器をやるか」という質問に、ほとんどのトロンボーン奏者が、 このせいで「NO!」と答えるという、トロンボーンの音程変換装置。

すらんぷ【スランプ】
一時期、何かのはずみで実力以上の力を発揮していた者が、元々の実力に戻ること。

すりぬける【すり抜ける】
物と物の間を通り抜けること。もし、すり抜けられるつもりで物にぶつかるようだったら、 それは肥満の赤信号です、注意しましょう、バンドマンの皆さん。