バンドマン風「悪魔の辞典<そ>」
<そ>

そあくひん【粗悪品】
次から次へと機械的に生み出され、次から次へと機械的に世の中へ送り出される音楽 作品の数々の、ほとんど。

そういくふう【創意工夫】
多くのバンドマンが熱心に研究している、人真似だと見抜かれないようにする努力。

そうおん【騒音】
自分以外の人や機器が発する音楽。

そうがんきょう【双眼鏡】
男が本能的に「欲しい」と思う道具のひとつ。「双眼鏡を欲しい」 と思う度合いによって、その人間の「男度」を計ることができるぐらいだが、今のところ そういう学説は、無い。

そうしき【葬式】
バンドマン本人の葬式の場合、自分がメインキャストなのに、自分で進行することもできなければ、 演奏してギャラを貰うことも出来ないという、なんとも腹立たしい、人生最後のイベント。

そうしきがえり【葬式帰り】
葬式の後で、故人の悪口を言ったり、大声で笑ったりして、厄を払う時間帯。場所は、江戸 時代は吉原遊郭であったが、最近はこじんまりと、ファミレス。

そうしそうあいのなか【相思相愛の仲】
メンバーがドロン(逃走)したバンマスと、仕事が無いバンドマンの関係。

そくし【即死】
初見の楽譜を見たとたん、臨時記号の多さ、テンポの速さに、イッパツで死んで しまうこと。「秒殺」とも言う。

そこそこ【そこそこ】
予想以上なので驚いている、ということを悟られないための、バンドマンがよく使う歪曲表現。 例1)「今度の新人さん、よく吹くらしいね」「そこそこ」 例2)「この前のショクナ イ、ラーギャよかったってね」「そこそこ」 例3)あいつのチャンカー、ベッピンさん やねぇ」「そこそこ」 蛇足)「美人がいるって、どこどこ!?」「そこそこ」

そこなし【底無し】
ニュースカイラークメンバーの、性欲、食欲、遊興欲、練習欲、おしゃべり欲、知識欲、 説教欲、などの度合い。

そしてだれもいなくなった【そして誰もいなくなった】
バンドを解散したら、客が来なくなり、従業員がいなくなり、店が潰れ、店長も行方不明、 という、よくある実話。

そしょく【粗食】
貧乏バンドマン推薦、あなたにも出来る食事ダイエット!

そそっかしい【そそっかしい】
追い越し禁止の道路でパトカーを追い越したり、京都御所の非常ベルを不注意で鳴らしたり、 アカの他人の車に乗り込んで中の子供に泣かれたり、フリーバスカードでスクール バスに乗ったり、というような、危なっかしいが、どことなく愛嬌のある行動。

そでのした【袖の下】
下心のこもったお金。

そばせい【そば清】
オチについて、なにかしら物議をかもす落語のひとつ。
そば大食いの賭けで稼いでいる清兵衛、人呼んで「そば清」。旅先で、人間を丸呑みして 苦しんでいた大蛇が、ある草を舐めたらスーッと腹が小さくなるのを目撃。これだ、と その草を持って帰り、大口の賭けに臨んだ清兵衛。腹いっぱいになって「やばい、もう食えな い」と思ったとき、席をはずしてその草をペロペロ。やがて、いくら待っても 戻ってこない清兵衛を捜していた立会人が見つけたのは「あ、清兵衛さんがいないで、 そばが羽織を着て座っている!」
このまま「考えオチ」でやる落語家あり、「実は、この草は人間を溶かす草で・・・」とオチを 説明する落語家あり・・・。
結論、エンディングは、わかりやすくスッキリと!

ソロ【solo】
有れば有るで気が滅入る、無ければ無いで気が滅入る、という、不思議な感情を引き 起こす演奏指示。