バンドマン風「悪魔の辞典<れ>」
<れ>

れあけーす【rare case】
レア(rare=まれ)にしか起こらないこと。珍しいこと。
<用例1>
「ちょっとボーイさん!このステーキ、レアでって言ったのに、ウェルダンになってるよ! この店、いつもこうなの?」
「とんでもございません!こんなことは、レアステーキ、いや、レアケースでございます」
<用例2>
「ちょっとボーイさん!デザートはレアチーズケーキって言ったのに、いちごのケーキ が来てるよ!この店、いつもこうなの?」
「とんでもございません!こんなことは、レアケーキ、いや、レアケースでございます」

(なお、こんな使い方をしてボーイをクビになっても、当ホームページが関知するようなことは、 レアケースでございます。)

れい【礼】
授業が始まる時、先生に頭を下げる行為。コードで言うと、ドミナント。つまり、
起立ッ(トニック)
礼ーィ(ドミナント)
着席ィ(トニック)
今どきの辛抱のきかない若者が、トニック(着席)に進みたがる行為。

れいかい【霊界】
教義は「霊は存在する」、教祖は「霊が見える人」、広報は「テレビの怪奇 現象番組」など、今どきの若者にとって、簡便な精神世界。

れいきゃくきかん【冷却期間】
喧嘩で熱くなった夫婦が、頭を冷やす期間。但し、心まで冷えてしまった時はジ・エンド。

れいきゅうしゃ【霊柩車】
「まー、綺麗なお迎えだこと」の現実版。

れいけつどうぶつ【冷血動物】
「血も涙もない」より、血がある分、ちょっとだけましな人間のこと。

れいさいきぎょう【零細企業】
途中でバンドをやめたバンドマンのほとんどの、次の勤め先。

れいすいまさつ【冷水摩擦】
「お湯も沸かせないほど貧しい」と、誤解されないよう、バンドマンはやりません。

れいぞうこ【冷蔵庫】
買い物をした次の日の昼ぐらいまでは、わずかにそのなごりが残っている、バンドマン の家の、食糧一時保管庫。

れい・ちゃーるず【Ray Charles】
昔「キャバレー小倉月世界」で、ホステスやボーイがうろついている配膳室からステージへの スロープを、両ひざを叩きながら陽気に歩いて行き、手探りでピアノの鍵盤の位置を確かめ、 酔っ払いのざわめきの中で、数々の名曲を熱唱し、「猫に小判」ということわざを痛感させて くれた、今は亡き世界的なミュージシャン。

れいてん【零点】
数学の先生から「この高校始まって以来!」と、筆者が言われた、漫画みたいにそう簡単に は取れない、試験の点数。

れいとうこ【冷凍庫庫】
室内温度と室外温度が同じのバンドマンの家では、冬場は不要な電気製品。

れき【れき】
「これ」の隠語の「れこ」が変化したもの。あるモノを指したり、小指を立てて「れき=彼女」 を表したりする。
「ちかごろ、アイエルオー、なんて言うね」
「な、何だって?」
「アイエルオー、って」
「あ?ああ、アイエルオーね、ああ、『れき』ね、ん、わかった」
「いや、ナンなんだい、アイエルオーってのは」
「ナンなんだって、その〜、アイ、エル、王、・・・って、インドの王様だーな」
「インドの王様かい!」
「ああ。俺ぁ、一度会ったことがあらあ」
(三遊亭円生さんのマクラから)

れぎゅらー・まんたん・げんきん【レギュラー・満タン・現金】
自分の車を持てないバンドマンが、レンタカーを返す時に、ガソリンスタンドで唱える 慣用句。

レストラン【restaurant】
バンドマンと、ちびまるこちゃんの家族が、事前に財布の中味を確認して入る店。なお、 寿司屋の場合は、確認しても入れない。

れっかーいどう【レッカー移動】
やっと中古車を買ったバンドマンを、喜びの絶頂から、奈落の底に突き落とす、非情きわまり ない行為。

れとるとしょくひん【レトルト食品】
ヤンママ世代の、おくふろの味。

れなうんむすめ【レナウン娘】
ドライブウェイに春が来りゃ、
プウルサイドに夏が来りゃ、
テニスコウトに秋が来りゃ、
ロウプウェイに冬が来りゃ、
イェーイと言いながら、わんさか、わんさか、わんさか、わんさか、やってくる娘。
(昭和40年代の、レナウンのCMソング)

れふぇりーすとっぷ【referee stop】
障子が破れたり、入り口の戸が壊れたり、隣との壁が崩れたりする前に、大家さんが夫婦喧嘩 の仲裁に入ること。

れふたー【レフター】
左利きの人。「レフト=左」を人格化して表現したもの。なお、左利きを表す「左ぎっちょ」 は「左器用」の転訛で、左利きには、器用で、頭脳明晰で、成績優秀で、眉目秀麗な人が多い ことを表す言葉。(筆者がどっち利きかはご想像におまかせします)

れむすいみん【REM睡眠】
R(=Rapid、素早い)E(=Eye、目)M(=Movement、動き)と呼ばれる、眼球の動きを 伴う、夢を見る深い眠りのこと。
夢を題材にした『天狗裁き』という落語は・・・
「今うなされてたけど、どんな夢、見たん?聞かせてぇな」
と、女房に起こされた喜八が、
「夢なんて見てへん、見てない夢の話が出来るか!」
と喧嘩になり、仲裁に入った隣家の徳さん、大家さん、奉行、天狗に、次々に
「女房に言えんような夢、見ることもあるわいな。な、ホンマは、どんな夢、見たん?」
と問い詰められ、最後に、天狗に八つ裂きにされるところで、目が覚める、というストーリー。
しかし、この時、喜八がREM睡眠だったのなら、実は夢を見ている可能性が高い・・・
・・・なあ、ホンマは、どんな夢、見たん?・・・

れもんすかっしゅ【lemon squash】
団塊の世代にとって、喫茶店でコーヒー以外に初めて注文した、青春の甘酸っぱさとほろ苦さの 入り交じった飲み物。

れーる【レール】
穏やかな人生の行く手に、前もってひいてある道筋。親がひいている場合や、自分でひく場合もある。 バンドマンの場合は、強がって避けるか、その存在すら知らない道筋。

れんきゅう【連休】
キャバレーのバンドマンの場合、店が営業停止を喰らうか、自分がクビになるか、どちらかで ないと、取れない休み。

れんこん【蓮根】
ジャーマネのウソと同じで、穴だらけ、バンマスのバンド運営と同じで、中身がスカスカ、 バンドマンの人生と同じで、泥沼の中で手探り状態、だが、ニュースカイラークと同じで、 いつか花を咲かせる日を辛抱強く待っている、という植物。