バンドマン風「悪魔の辞典<の>」
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のう【脳】
楽器を演奏しながらでも、この後飲みに行くこと、女のくどき文句、借金の言い訳、などを 同時に考えることの出来る、人間の思考器官。

のうのう【のうのう】
ビッグショーでミスをした時、女房に浮気がバレた時、借金でドロンしている時など、どんな 逆境の時でも、泰然自若と構えているバンドマンの様子。

のうがき【能書き】
口下手なバンドマンが、唯一言える(自分に関しての)美辞麗句。

ノウハウ【know−how】
「バンドマンの知恵」を、もったいぶって英語で言う時の言い方。

のけぞる【仰け反る】
いろいろな目的で、体を後ろに反らせること。なお、その際に「ゲー!」とか「ギョエー!」などの 奇声を発すると、さらに効果が増す。
・値段が予想以上に高かったとき、「全く買う気は無い」と店員に伝えるため。
・和田アキ子との打ち合わせのとき、オーバーに驚いて、気後れしないようにするため。
・超高層ビルを見上げたとき、背伸びのふりをして「おのぼりさん」とバレないようにするため。
・ハイトーンをミスしても、それもパフォーマンスのうち、と思わせるため。
・スーバンの要求が高過ぎるとき、「そんなには出さんぞ」という駆け引きのため。

のしをつけてかえす【熨斗を付けて返す】
バンマスから頂いた物を返すときの、バンドの礼儀作法。

のぞく【覗く】
ただ見るのとは違い、男を活発化させるという不思議な効力を持つ、視覚動作。

のだいこ【野幇間】
技量はないのに、ご祝儀だけは欲しいという、正規には認められていない幇間(たいこ= ほうかん、たいこもち)のこと。落語「うなぎの幇間」に登場するような幇間。
落語「うなぎの幇間」
夏の炎天下の通りで出会った、どこかで見かけたことのある(気がする)男にまとわりついて、 なんとかご祝儀をせしめようとする野幇間。「じゃ、鰻でも食うか」と誘われ、しめた!
汚い鰻屋の2階で「さすが、あんたはエライ!」と、精一杯のオベンチャラを振りまきながら、 美味くもない鰻をほおばる。便所に席を立った男を待ちながら「いい客だね、ああいう客を 大事にしなくっちゃ・・・」。
ところが、いつまでも男が帰って来ないので店の者に聞くと「勘定を払わないで先に帰りました」 「え゛〜!」 真っ青になった野幇間、泣く泣く「むかし国を出るとき妹がこさえてくれた金」で勘定を済ませ、 店を出ようとすると、今度は下駄がない。「おい、俺のいい下駄は!?」「ああ、お連れさんが 履いていきました。」
野バンドマン(?)にとって、せつなくも身につまされる噺。

のたれじに【野垂れ死に】
バンドマンが、どのバンドからも見捨てられ、人知れず死んでいくこと。

のっとられる【乗っ取られる】
店に給料アップの交渉に行ったら、次の日には別のバンドが入っていた、というようなこと。バンドマ ン用語で「ケツをかかれる」という、バンド社会で時おり見かけられる現象。

のーといえないにほんじん【ノーと言えない日本人】
プレーヤーが外国人なら、演奏の出来・不出来にかかわらず、ノリまくっている日本人の客。

のどからてがでる【喉から手が出る】
バンマスによく見受けられる体の特徴。いいプレーヤーを欲しがっているバンマスに多い。その外にも、 口が軽い、目を白黒させる、顔から火が出る、二枚舌、地獄耳、手が早い、腹が黒い、尻が重い、など、 バンマスには、様々な身体的特徴がある。

のどもとすぎればあつさをわすれる【喉もと過ぎれば熱さを忘れる】
1)「座右の銘にしている」・・・懲りない浮気性バンドマン
2)「そこが、美味いんだ!」・・・小龍包(しょうろんぽう)好きバンドマン
3)「喉もと過ぎれば冷たさを忘れる、もあります」・・・ビール愛飲家バンドマン

のばなし【野放し】
ステージの合間の休憩中にバンド部屋で焼肉をして、その煙で火災報知器が鳴って店が大騒ぎしている のに、誰もそれに気が付かないバンド、のような状態。

のべじんいん【延べ人員】
複数回の客の入りを加算して、あたかも一回でその集客があったように発表する、興行主が よく使う客の数え方。

のべのおくり【野辺の送り】
互助会に入っていないバンドマンの寂しいお葬式。

のむ・うつ・かう【飲む・打つ・買う】
男の3大目標、酒(を飲む)、博打(を打つ)、女(を買う)、のこと。 但し、これは若いときで、年をとるに従って目標はいろいろと変化していく。
<例>
1)バイアグラ(を飲む)、強壮剤(を打つ)、女房の不満(を買う)
2)糖尿病の薬(を飲む)、インシュリン注射(を打つ)、家庭の医学書(を買う)
3)嫁の意見(を飲む)、財産放棄(に手を打つ)、納骨堂(を買う)
4)末期の水(を飲む)、綺麗なお迎え(に手を打つ)、「三途の川」の渡し券(を買う)

のらねこ【野良猫】
可愛らしく鳴くと餌が貰える、ということを知っている、餌を与える人間より知能の高い猫。

のり【ノリ】
大抵は、演奏者の若さやルックスによって引き起こされる、感情の高揚。そのためニュー スカイラークには大きなハンディがある、トホホ、頑張れ〜、ニュースカイラーク(;;)

のんびり【のんびり】
プレーヤー人生は永遠に続く、と勘違いしているバンドマンの日常生活。