バンドマン風「悪魔の辞典<き>」
<き>

きあいいっぱつ【気合い一発】
不可能な演奏を、これで可能に出来ると言われている。但し、うまくいったという話は聞かない。

きいろいこえ【黄色い声】
若い女性が発する、甲高く無貞操な、バンドマンあこがれの声。

きおくそうしつ【記憶喪失】
一番間の抜けた言い訳のネタ。「あんた、昨日どこに行ってたのよ!」「そ、それがその、 店の帰りに、急に記憶喪失になって・・・」

きおくれ【気後れ】
いい女、大金、親切なジャーマネ、環境のいい店など、めったにお目にかれないものに出会った時に、 不覚にも起きる弱気な心。

きしょうてんけつ【起承転結】
起=トニック、承=サブドミナント、転=ドミナント、結=トニック。つまり、日本人がブルースを好む要因のひとつ。

きたいはずれ【期待外れ】
一般世間で、人生に不幸を引き起こす原因のひとつ。有り難いことに、バンド社会には始めから無い。

きどあいらく【喜怒哀楽】
これだけあればバンドマンには充分という、感情の4元素。

きどうしゅうせい【軌道修正】
今までの主義・主張を、自分の都合で変更することの言い替え。「ま、みんなそう言うけど、ジャーマネも 根っから悪い人じゃないと思うよ」「・・・?」

きみがわるい【気味が悪い】
「僕が悪い」というジャーマネ。

きもったま【肝っ玉】
演奏の際、重要となる「体内3タマ」のひとつ。「3タマ」は「アタマ、目のタマ、肝っタマ」のことで、頭で考え、 目の玉でしっかりとらえ、肝っ玉を据えて演奏する、ことを指す。その他のタマは演奏には無関係。

きょういく【教育】
「金貸してくれてあんた、こないだ渡したスーバン、どないしたん?え、車買うた!?そやけど、昨日ネカビやろ。 ナオンと飲み行って使こてしもた?一晩で!?あんた、メンバーからも借金しまくりやろ。 あんたの親、いったいどないな教育したん」「はあ、親父から言われました、借金出来るのは、生きてる間だけやー、て」

きようびんぼう【器用貧乏】
いろんな楽器に手を出して、結局どれもモノにならないこと。器用ナノニ貧乏ではなく、 器用ダカラ貧乏、ということ。

きらりとひかるものがある【キラリと光るものがある】
見込みの無い奏者に向って言う、最後のなぐさめの言葉。

きりきりまい【キリキリ舞い】
バンドマンが踊る舞いのひとつ。ほかに、テンテコ舞い、開店早々もう店仕舞い、金も無いのに 大盤振る舞い、などがある。

きをてらう【奇をてらう】
アドリブで行き詰まった奏者が、苦し紛れによく使う回避策。

きんけつびょう【金欠病】
多くのバンドマンがかかっている病気。症状として、先が見えない(視覚障害)、聞く耳持たない(聴覚障害)、 「ヤバイ!」しか言えない(言語障害)、何を言われても感じない(感覚障害)などがあり、未だに治療法が 見つかっていない難病。

きんせんかんかくけつじょ【金銭感覚欠如】
バンドマンに多い計算能力障害のひとつ。特に引き算に顕著で、最後には「金は使っても減らない」という妄想に まで進む、恐ろしい障害。