バンドマン風「悪魔の辞典・い」
<い>
い【胃】
バンドマンとして生活していくために、肝臓と共に最も丈夫であることを要求される内臓。 「肺」と思っているうちはまだまだアマチュア。

いあんりょこう【慰安旅行】
店がバンドに対して提供する無償の旅行。たいていの場合、バンマスの首切り、バンドの交代 などの下心があると思って間違いない。

いいかげん【いい加減】
バンドが、「い」をキーワードとしてだんだん堕落していく過程の、最初のステップ。 順序は、「いいかげんなバンド」→「いいわけするバンド」→「いやみなバンド」→ 「いなくてもいいバンド」→「いなおったバンド」である。この場合、最初のステップで 軌道修正しないと、あとは地獄を見るばかりになる。

いいたいほうだい【言いたい放題】
次に行くバンドが決まりバンスが入った時、心の底から湧き出てくる抑えきれない言葉の数々。

いえじ【家路】
たいていは真夜中で、記憶に無いこともしばしばの、自宅に帰るまでの道のり。

いかんそくたい【衣冠束帯】
黒黒蝶。

いきあたりばったり【行き当たりばったり】
世間では行動に計画性がなく怠惰的なこと、バンドでは行動に計画性がなく自由奔放なこと。

いきじごく【生き地獄】
向上心もなくプライドもないバンドでの、生活の為の演奏活動。

いきぬき【息抜き】
ドラマーが自分の一物をスネアドラムにのせてロールを叩いている時のような、忙しい 合間の、ちょっとほっとする時間。

いくじなし【意気地なし】
ノーと言えないバンマス。

いっぺんとう【一辺倒】
「柔軟性が無い」ことを「〜ひとすじ」とすりかえて表現するための、便利な代用語。 (例)ベーシー一辺倒でやっています。

いしはくじゃく【意志薄弱】
今まで続けてきた喫煙、飲酒を「健康のため」と称して途中で止めてしまうこと。

いたばさみ【板挟み】
「リハしないと、ちょっとやばいショーなんで、明日3時から・・いやその、4時から でもいいんだけど、店もシーメ出すからには、いや、シーメ代がどうのこうの、 じゃなくて、別の店で止ったとかで、店も神経質に・・いや、別にやらないでもいいぐらい のチンケなショーなんだけど・・ただ、店としてもさ、その・・」「はい、わかりました、 4時からリハですね、バンマス」「いや、3時ー、ま、いいか4時でも・・」

いちかばちか【一か八か】
ビッグスター、リハ無し本番。

いちひめにたろう【一姫二太郎】
1対2プレー。

いちもうだじん【一網打尽】
バンド部屋賭博、大捜索!

いっかくせんきん【一攫千金】
宝クジ当ったら、こんなバンド辞めてやる!

いのなかのかわず【井の中の蛙】
ハコの中のバンドマン。

いまふう【今風】
時代の先端をいっている、という表現の死語。ほかに「ナウい」「イマい」などがある。

いも【芋】
バンドマンにとって最も屈辱的な評価のひとつ。これを避けるためにバンドマンは、焼きいも、 いもの天ぷら、いもの味噌汁、いもカリントウ、おさつチップ、などいっさい口にしない。

インパクト【impact】
演奏を通して相手に与える衝撃のこと。日本語では「はったり」。

インランドスケベビッチ・タレスキー
ロシア人のバンドマンの名前、と思ったあなたは幸せではあるが、バンドマン向きではない。 (タレは落語界の隠語で女のこと)