バンドマン風「悪魔の辞典<ふ>」
<ふ>

ふ【麩】
小麦粉のタンパク質から作られた、栄養価が高く消化によい食品。最近の飽食の若者が、 金魚のエサだと思っている食べ物。
『売り声の難しいのが、麩を商うご商売ですな。一声だと「ふー」、なんか吹いてるよう。 二声でも変です、「ふーふー(夫婦)」、夫婦(めおと)連れを混ぜっ返してしるようで。 屋、を付けてもおかしゅうございます、「フヤフヤフヤ・・・」鼻の障子がなくなったみ たい。ことさら「ござい」を付けて、「えー麩屋でござい」』
(三代目・三遊亭金馬のマクラから)

ふ【歩】
将棋の駒のうちで、吹けば一番よく飛ぶ駒。

ふ、ぶ【不】
別の言葉の頭に付けて否定を表す語。
例)結婚式の席には不似合いなバンドマン、お洒落しているつもりなのに不細工で不恰好 なバンドマン、祝辞で不吉なことを述べる不器用なバンドマン、テーブルで不慣れなこと をして恥をかくバンドマン、酔って隣の女性に不躾(しつけ)に話しかけるバンドマン、 周囲の人を不快にさせるバンドマン、注意されて不機嫌になるバンドマン、酔って不可 解な行動をとり始めるバンドマン、お開きのころには前後不覚のバンドマン、などの「不」。

ぶ【無】
別の言葉の頭に付けて否定を表す語。
例)無愛想なバンマス、無粋なバンマス、無遠慮なバンマス、無作法なバンマス、無精な バンマス、無礼講と言っておきながら根にもつバンマス、「無難」が座右の銘のバンマス、 などの「無」。

ふぁみれす【ファミレス】
ファミリーレストランの略。バンドマンの家族が、唯一行ったことのある高級レスト ラン。

ふうしゅう【風習】
バンドごとにある慣習やきまりごと。休憩中の博打の種類、ショーの楽譜を練習するか しないか、酒を飲み始める時間、ステージに上がる時の酔い具合い、などは、バンド ごとに異なっているので、別のバンドに移った時は、しばらくは注意する必要がある。

ぶかぶかどんどん【プカプカドンドン】
1)ブカブカは管楽器、ドンドンは打楽器の音で、楽隊のこと。
2)部下をドンドンとリストラしていく、大会社のこと。
3)物価がドンドン上がっていく、インフレこと。
4)服がブカブカになるぐらいドンドン痩せる、危険なダイエットのこと。

ふく【吹く】
さて、お送りしてきたバンドマン大喜利も、最後の問題です。
最後は「吹く」をお題に、バンドマン川柳を作っていただきましょう。出来た方からどう ぞ。おっと早いですね、はい、サックスさん。
「ステージで 昨日とおんなじ 曲を吹く」
なるほど、流行った曲があると、毎日吹かされますからね。次は?はい、ピアノさん。
「クーラーが 故障で全身 汗を吹く」
ほんと、バンド部屋の暑さはたまりませんからね。はい、ラッパさん。
「ボロ楽器 錆びてあちこち 緑青吹く」
あんた、バンスで楽器買わないで、いつまでも大昔のニッカン使ってるからでしょ。えーっ と、はい、ベースさん。
「女房は 化粧のし過ぎで 粉を吹く」
干し柿みたいな奥さんですね。じゃー、ボントロさん。
「四月バカ 年に一度の ホラを吹く」
それが、ホラだってんだ、年中吹いてるくせに。次は、ドラムさん?大丈夫?
「風呂上り タムシチンキの 股間吹く」
もー、せっかくいい雰囲気できてたのに。じゃ、最後、バンマス。
「バンドマン いつまで無常の 風が吹く・・・しぶい!」
あーあ、最後でなんかシラケましたね。ということで、今日はこれまで。では、また来 週・・・は、ねーよ。

ふくしきこきゅう【腹式呼吸】
「お前、ちゃんと腹式呼吸やっとるか」「え?バンマス、呼吸にも、競馬みたいに複式 と単式と、あるんすか!?」

ふくじんづけ【福神漬け】
タダのものが好きなバンドマンでも、こればっかりはそんなに貰ってもしょうがない、 という、カレーライスにそえられる赤い漬け物。

ふくすいぼんにかえらず【覆水盆に返らず】
テーブルにこぼれた酒を、必死で口で吸っているバンドマンの、生活訓。

ふくのかみ【福の神】
「♪バンドマンの家を、福の神が取り巻いた〜 」
「おや、嬉しいこと言ってくれるね」
「♪おかげで、中の貧乏神が出られない〜 」

ふぐはくいたしいのちはおしし【河豚は食いたし命は惜しし】
「河豚が食べたい」と言う女房を諦めさせるための、効力のない呪文。

ふしあな【節穴】
「世間の目は節穴だ!」と叫んでいるバンドマンの目。

ふずいいきん【不随意筋】
自分の意思では動かせない筋肉。バンマスの失敗を見て思わず笑ってしまう頬の筋肉、 金の為なら少々の無理には目をつぶってしまうまぶたの筋肉、写真を撮られる時ついピー スをしてしまう指の筋肉、禁煙中なのにタバコをまさぐる手の筋肉、せっかくの仕事 をつまらない見栄で蹴ってしまう足の筋肉、などの筋肉のこと。

ふたまたかける【二股かける】
目先の利益や保身のために、二つのバンドに席を置くこと。自分ではやりたいが、他人 にやられるのは嫌だいう、バンド社会に横行する矛盾した行為。

ぶっきらぼう【ぶっきら棒】
バンドマンの家の玄関に置いてある、飾り気のない棒。タダ酒を飲みに来た友人、 金の無い時に限ってやって来る集金人、せっかく昼寝している時に大声で回覧板を持ってくる 近所のおばさん、などに対して振り回して使う。

ふっきれる【吹っ切れる】
バンドマンが、恥ずかしがらずに、派手な服を着たり、ステージで踊ったり出来るように なること。「ヤケクソ」の別称。

ふどうさん【不動産】
「お不動さんは動産、動いても船は不動産」という、役にも立たない知識を披露しているバンド マンが、生涯持つことのない財産。

ふとりぎみ【太り気味】
「太っている」や「太り過ぎ」の丁寧語。

ふりこめさぎ【振り込め詐欺】
給料を現金で渡すと使い込んでしまうので、バンドマンの妻が夫に内緒で店に頼んで、 支払いを振り込みに変えてもらうこと。

ふろしき【風呂敷】
間男騒動の収拾を頼まれた男が、風呂敷一枚で難題を解決するという、古今亭志ん生 さんの十八番の演目。小品だが、随所に志ん生さんの名言がちりばめられている噺。
・「油虫の背中みたいな色になっちゃって」(色黒の女房に)
・「結婚して緑青がわくくらい経つってえのに」
・「シャツの三つ目のボタンておんなじで、いたっていなくったって同じなんだよ」
・「お前は、早くしろってえと遅くなるね、耳があべこべに付いてんじゃねえのか」
・「俺は、お前の鼻の頭の前にいるんじゃないか、どうして家の中で、船を見送る ような声を出すんだよ!」

ふんとうどりょくのかいもなく【奮闘努力の甲斐も無く】
トラさん(=臨時雇い)がいくら頑張っても報われない(トラ代が上がらない)こと。

ふんどし【褌】
古来から日本に伝わる男性用の下着。
褌を締める・・・気持ちを引き締めて物事に当たること。
褌で絞める・・・火曜サスペンス劇場「褌殺人事件」
褌が占める・・・下着売り場に「褌コーナー」新設!
褌が湿る・・・・明日は雨かも。

ふんぱつする【奮発する】
思わぬ金が入った時、バンドマンが血迷って、A定食やビールを注文すること。