バンドマン風「悪魔の辞典<は>」
<は>

は【派】
考え方の異なる相対するグループ。バンドでは、どんなささいなことに関してでも、派が存在する。
1.少額のビーナカ(バンドへの差し入れ金)について
  A.貯金して何かの時に使いましょうや派
  B.ええやん、今全員で分ければ派
2.以前やったことのあるショーのリハーサルについて
  A.シーメが出るというからやりましょうや派
  B.ええやん、やるだけ下手になるし派
3.店のイベントでハッピを着ることについて
  A.店が言うなら着ましょうや派
  B.ええやん、チンドン屋じゃあるまいし派
  4.店から「一人でも客が入ったら歌謡曲を」と言われた時
  A.店が言うならそうしましょうや派
  B.ええやん、店はジャズも歌謡曲もわかりゃせん派
5.専属女性歌手が下手なことについて
  A.上手くなるまで我慢しましょうや派
  B.ええやん、どうせ客は歌より顔やから派
など。但し、どちらの派も、深い考えは無いので、バンマスの一声ですぐに消滅する。

は【歯】
人間の口の中にあって、笑った時にチラリと白く見えることで、愛嬌を増すための器官。 黒かったり無かったりすると、愛嬌の良し悪しに影響する。但し、あまり見え過ぎると、猛獣と同じで、 相手に恐怖感を与えることがあるので、笑い方にも注意が必要。

はいしゃ【歯医者】
開いた口がふさがらない治療をする人。

ハイテンション【High Tension】
古いタイプの日本人バンドマンには理解出来ない、「侘び・寂び」の真反対にある心理状態。

ばかばっかり【馬鹿ばっかり】
バンマスが口にする、冗談のようだが実は本音の言葉。次の2通りのパターンがある。
1.「馬鹿なことばかり言う」の省略形。
「明日休む?またまたー、代わりがおらんのに、ホント、馬鹿ばっかり・・・」
2.「馬鹿な者ばかりいる」の省略形。
「リハーサルでうまくいって、なんで本番で間違うの。ホント、馬鹿ばっかり・・・」

はきだめにつる【掃き溜めに鶴】
掃き溜めにとっては、めったにない目の保養。

ばけじゅう【化け十】
「にんさんばけしち(人間三分、化け物七分)」の上をいく「化け物十分」のこと。化け物に 対してのみ使ってよい、最上級の誉め言葉。

はじしらず【恥知らず】
恥という漢字が書けないこと。そうならない為に、バンドマンは日頃から恥をかくよう心掛 けている。

はしたがね【端金】
ごく小額と判断されるお金。小額かどうかの判断の基準は、その人の生活水準によって 異なる。もちろん、バンドマン生活では、端金というものは存在しない。

はじのうわぬり【恥の上塗り】
ペンキやニスと同様に、恥も、2度3度と塗り重ねた方が、ツラの皮が厚く丈夫になってよい、 という、バンドマンの生活の知恵。

はためいわく【傍迷惑】
パッケージショーの演奏中に「おい、今どこや?!」と聞いてくるバンマス。

ばちあたり【罰当たり】
いつかは天罰が下るような悪事のこと、また、そのような悪事を行っている者。米俵に腰掛け て休んでいる水戸黄門、店に足を向けて寝ているバンマス、楽器ケースをテーブルにして博打 をしているバンドマン、スネアドラムに自分のイチモツを載せてロールを叩き「あー気持ちが いい!」と言っているドラマー、のような者達。

ばちがい【場違い】
葬式でのバカ騒ぎ、結婚式での暴露話、女房相手の下ネタ、バンド部屋での練習、など、 その場にそぐわない行為をすること。

8020運動【はちまるにまる運動】
「80歳まで20本、自分の歯を残そう」というスローガンの運動。男性の弱体化(俗に歯・ マ○・目、または歯・目・○ラの順)を、第一段階で食い止めようと、厚生労働省がすすめて いる運動。但し、多くのバンドマンにとっては、歯より、命を残す方が先決なので、それ どころではない。

はちゅうるい【爬虫類】
「バンマスは、自分を爬虫類にたとえたら、なんだと思います?」

ハッタリ【はったり】
相撲の決まり手のひとつ。いきなり相手に先制攻撃を喰らわせ、相手がビックリしている間に 足元をすくうという、「張り手」と「とったり」を組み合わせた高度な技。バンドマン用語で は「タリハツ」といい、バンドマンは日常生活の中でもよく使っている。

ハッピーバースデイトゥユー!【happy birthday to you!】
マリリンモンローが、ケネディ大統領の誕生日に色気たっぷりに歌ったために、アメリカの 歴史が変わったとされている歌。

ばてばて【バテバテ】
疲れ切った様子を表す語。「ばてる=疲れ果てる」の「ばて」を重ねて意味を強調したもの。 他にも、モテモテ(もてる)、ノリノリ(乗る)、バレバレ(ばれる)、カミカミ(噛む) などがある。但し、「オレオレ」はこの部類には含まれない。

はなみざけ【花見酒】
「壺算」、「時そば」と同様、庶民の金勘定を題材にした落語。
飲み代を稼ぐために花見客に酒を売ろうと思いついた二人組。酒屋から酒を仕入れ、樽に 入れて出かけたが、担いだ酒の匂いにたまらず、一人が「金払うから、俺に一杯売って くれ」「いいとも」。美味そうに飲み干すのを見て、片方も「おい、俺にも一杯。」 「ああ。済んだら、俺にも、もう一杯」「じゃ俺も、もう一杯」・・・・・
こうして、売り物の酒を全部飲み干してしまった二人。さぞや、売上金があるだろうと、 財布を見ると、一杯分の金しかない。「ありゃ、どうしてだ?」「えーっと、 俺が飲んで、その金でお前が飲んで、また、その金で俺が・・・ああそうか、同じ金が 二人の間を行ったり来たりしただけだ。」「そうかぁ、ハッハッハ、そいつは、無駄が なくっていいや」
バンド部屋で博打をして、お互いの金を取ったり取られたりしているバンドマン達には、 うってつけの落語。

はむ【ハム】
一般的には高級ハムのこと。バンドマンにとっては「ニッスイのハム・ソーセージ」の、ハムの こと。

はんかつう【半可通】
あ、このホテル、BGMにズージャー流してるんだ、ふーん。
やっぱりズージャーは、ウエスタンコーストのハードバップに限るね、ボーコンもいいけど、 やっぱ5人のカルテットが聴きやすいよね。16小節のブルース、最高。 そういえば最近、ビッグフォー、テレビに出ないね、いいバンドなのに、どうしてるのかな。
そうそう、こないだ、坂田としお、あのミジンコ研究家の、ん、サックス吹いてたけど、けっこう 上手かったよ。でもサックスはやっぱ、アベサダだね。それと、ラッパーはヒノテル。
最近は若い人も「ウオーターガールズ」の影響で、ズージャー聴くらしいね。「心中の首下がり」 とか「茶色の尿瓶」とか、グレンミラーものは、いいよね。
あ、ちょっとボーイさん、マイルス・デービス・ジュニアの「クールの誕生日」かけてくれる? え、置いてない?なんでかなー。

はんしはんしょう【半死半生】
立ちっ放しライブの、2回目ステージ後半の、当ニュースカイラークメンバーの様子。

はんしんはんぎ【半信半疑】
バンマスと、右手で握手し、左手では眉に唾を塗っていること。

はんていまけ【判定負け】
「まあまあ、二人とも、夫婦喧嘩は犬も喰わないって言うから。で、喧嘩の原因は?ふんふん・・・ そりゃ熊さん、お前さんが悪い。」

はんのうはんぎょ【半農半漁】
田舎のキャバレーのバンドマンは、昼間、半分は農業、半分は漁業をしている、ということ。

はんめんきょうし【反面教師】
バンドマンが先生として世の中の役に立っている、という驚くべき事実を表す言葉。