バンドマン風「悪魔の辞典<え>」
<え>

えいがのゆめ【栄華の夢】
「昔はよかった」と言いながら、今ではちっとも練習しないおじさんの抱いている、妄想。

えいきごう【嬰記号】
シャープ(♯)のこと。音を半音上げる記号。B♭系の金管楽器の楽譜につけてやると、演奏者が 身悶えして悦ぶので、たくさん付けてあげてください。

えいこせいすい【栄枯盛衰】
この店も、昔キャバレー、今パチンコ屋。

えこひいき【依怙贔屓】
特定の人を不平等、不相応に可愛がること。処世術のひとつで、能力の不足部分を埋める場合 によく利用される。

えさ【餌】
夫からみれば、飼っている妻や子供に与える食料。妻や子供からみれば、鵜がせっせと運んで くる食料。

えじき【餌食】
「よいではないか、よいではないか〜」「アレー、バンマス様〜!」

えそらごと【絵空事】
空想のみで現実には起り得ないこと。バンドの給料アップ、月1回の休み、可愛いターウの 女の子との恋、など。

えだみち【枝道】
本道からはずれた道。ポップス、演歌など。迷い込んで出られなくなり、そこに住み着いて しまったバンドマンは数知れず。

えなめるぐつ【エナメル靴】
エナメル(ガラス質塗料)でコーティングした、バンドマンのステージ用の靴。バンドでは ピカピカ光っていなければ、靴ではない!

えぬえっちけい【NHK】
バンドマンは必ず一度は叫ぶ、「見てないのに、どうして金取るんかい!」

えねるぎー【エネルギー】
音楽活動の元となる動力源。以前は「情熱」や「愛」であったが効率が悪いので、最近は 「金」、「物欲」、「女」など、即効性のあるものが主流。

えりごのみ【選り好み】
将来の道、女性、楽器、など選択肢はひとつしかないのに、たくさんあると思っている幻覚。

えんえん【延々】
いつまでも続くこと。(・・・おーい、誰か俺のアドリブ止めてくれー!)

えんぎ【縁起】
原因をすりかえる手段。例えば、運営が悪くてバンドが潰れても、その時期バンド の写真を撮ったら、「バンドの写真を撮るのは縁起が悪い」というふうに、原因を すりかえる。

えんしょうさん【円生さん】
一般的には六代目・三遊亭円生さんのこと。昭和の名人と称される落語家。ジャズファンには 落語ファンも多い。もっとも、最近の若い者は「おちごや?」と読むぐらい、落語家は、今や 絶滅危惧種である。

えんねつじごく【炎熱地獄】
真夏の西日が当たり、隣りはボイラー室の、クーラーのきかないバンド部屋。

えんりょ【遠慮】
バンドマンの行動パターンにはない行為。アドリブやソロで遠慮しているようでは、 楽器は上達しない。