ここ数年パソコンを使って楽譜を書くようになって、明らかに「脳力」が劣化して
いるのを実感します。
パソコンを使えば、キーCからボタンひとつでB♭、E♭へ移調でき、AABAの
曲なら、Aは一回入力してしまえば、あとはコピー&ペーストでOK、入力ミスが
ないか音で確かめられ、プリンターで奇麗に印字でき、保存しておいていつでも
変更可能。しかし、これじゃ脳ミソの活躍する場はありません。
そのせいか、昔は得意だった転調、移調がスムーズにできない、汚い楽譜に対する
対応力がなくなった、楽譜に対する親近感が薄れてきたetc、パソコンを使う
ようになって何か大事なものを失っているような気がします。
たとえば、昔のキャパレーの譜面は青焼きで、真っ黒か、逆に薄くて五線が見えない
ものばかり、それでも、休止の間に電信柱の数を必死で数えて、はいソロ、なんて当
たり前でやっていた。つまり楽譜に対する集中力は、そのころの方が強かったような
気がします。
では、手書きに戻るかというと、これがまた厄介。ペンで書くと修正が大変、鉛筆は
コピーしても薄い、ストレートメロをC、B♭、E♭に書き分ける時間がもったいない、
などなど。
結局「脳力を鍛えること」と「時間の節約」をてんぴんにかけて、やっぱりパソコンの
前に座ってマウスをグリグリやりながら、チマチマと楽譜を書いている今日この頃です。
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