アユタヤ行


朝、屋台でバミーナムを食べながら、ぼんやりと今日1日をどうするか考えていた。
帰国フライトは深夜1:00バンコク発。

最近、バンコクやシンガポールに寄ると1泊だけのトランジットみたいな滞在の仕方ばかりである。
私の場合、ある街に何度も行っている割には、そこの有名観光地に行っていないケースが多い。漏れなく観光地を回るのではなく、雨漏りだらけである。

バンコクも何度も来ている割には、市内のローズガーデン、近郊のアユタヤやコサメットにも行ったことがない。
昨晩、彼らに「アユタヤに行ったことが無い。行ってみようかな・・・」という話をしたら、バスや鉄道でも1時間30分ぐらいでいけると教えてくれた。
とりあえず駅に行ってから考えよう。
ファランポーン駅に行くと30分後にアユタヤを経由する列車があった。
普通列車で運賃は15Bである。

お昼前にアユタヤに到着、あまたの客引きを振り切って、運河を渡り、レンタサイクルを借りた。
アユタヤに関して、もっている知識としては、山田長政と日本人町、その昔ビルマ軍が破壊したこと、菩提樹に取り込まれている仏頭がある程度の知識しかない。

地図をもらってわかった事は、アユタヤの観光地はチャリンコで回れるほど狭いエリアに集中している。
チャリンコに乗るなんて久しぶりである。
パラパラと小雨のふるなか、ヨタヨタと走っているとワット・プラ・マタハートに到着。
駐車場には、○○ツアーなどのバスやバンが沢山停まっている。

入場してみると、あの菩提樹に取り込まれている仏頭がある寺だった。
例の仏頭の周りには多くの観光客が集まっている。

今まで何度も写真で見てるが、実物を見ると不思議な雰囲気がある。

崩れたストゥーパ、首を落とされた仏像・・・そういう光景が広がっている。
しばらく廃虚探検みたいにウロウロしていた。

また、次の遺跡へとチャリンコを走らせた。
そしていつもの病気が出てきた・・・飽きてしまったのである・・・(^^;;
人の営みのない遺跡は、どうしても飽きてしまう。

結局、すべてを見ずにチャリンコを返却した。
相変わらず「漏れなく」ではなく「雨漏り」だらけである。
最初に、例の仏頭を見て満足してしまったのかもしれない。

遅いお昼のパッタイを食べながら、「トゥクトゥク、列車、チャリンコとつないで3時間かかったけど、こんな有名な観光地ならばツアーバスのほうが良いかな。」
なんていうことも思ったりした。

夕方、再びAwazuくんと友人2人と合流してイサーン料理の屋台へ。
ひさびさに、いろんな目的でバンコクに集まっている20代の人と話すのは楽しかった。
最近の旅では、20代の人としゃべることは少なくなっている。
家族旅行が多いというのもあるが、一人旅でも最近はドミトリーには泊まらないし、安宿街にも行かないので、あまり接触する機会がない。

それと「安く泊まったと」か「どこどこの飯は安い」のたぐいの話をするのが苦痛になってきている・・・逆に彼らからすると私の話は説教臭くなりやすいのも事実である・・・やはり歳をとった証拠か・・・(^^;;
食後、Awazu君の部屋でシャワーを借りてタクシーで空港へ。
私にとって、帰国する時に一番大事なのはパスポートでも、帰り航空券でも、お金でもカメラでもない・・・この時点で、何よりも大事なのは「撮影済みのFilm」である。
これが私の「旅」の証明となっている・・・そのような旅をして20年以上となる。

2003.2.8〜2.15

 
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