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 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』 先生の言葉は、語り部の妻から聞いたもので、正確さは欠くかもしれません
 Dr.からは、以前にもそれとなくカウンセリングの話はあったのですが、妻の心境としてはそれどころではなく、最近やっと自分の気持ちがもう少し楽にならないかと考えるようになり、「この性格を少しでも変えたいので、カウンセリングをお願いします」と自分から言いだした。Dr.も『あなたが、そういう気持ちになってくれたのなら、今日からでも始めましょう』と言う事で、いよいよカウンセリングです。

 『まず、時間は40分と決めておきます、昔からいろんな時間でやってみて40分が適当と言う事になっています。奥さんと40分お話して、その後、ご主人と少しお話します。ご主人、外でお待ちください』

2000年
  6月10日
 「私の病気は、主人との生活に疲れたせいだと言って喧嘩をし、主人の一言一言に傷つき包丁を手に当てた事もあります。悪いと思っているがひねくれて素直になれないんです」
 『奥さん、そう言う気持ちがあるのなら少しずつでも気持ちを切り替えて行きましょう』

 「主人が言った事に朝から腹が立って口喧嘩をしながら病院まで来ました、病人の私にそんなきつい事言う主人て、おかしいのと違います」
 『そら、いくら相手が病人でも喧嘩する時はしますよ』

 「先生、私、親や姉妹の事をちゃんと聞いて欲しいのですけど」
 『それは、私が必要と思ったら質問します。薬はどうしときますか』
 「薬の事は関知していませんので主人に聞いてください。先生、それからね、私、喧嘩ばっかりしている主人が嫌になりましてね、別れようと思ってるんですよ」
 『奥さん、そんなこと言ってどうして生活していくんです、薬の事だってわからないといっているし』

 『さっき、奥さんから聞いたんですが離婚の話が出てるんですか、もし、そういう事になったら私に一言、言ってくださいね、心配ですから』
 「多分、そんな事はないと思います」
 『それならいいんですが。カウンセリングがどれほど効果があるか解りませんが、このまま何もしないよりは、いくらかでも良いと思ってください』
 「妻がごちゃごちゃ言うとこっちもつい声を荒げてしまうんですが、私としては、どうすればいいでしょう」
 『ご主人、いろいろあるでしょうが、喧嘩してもいいですから、今までどうりやってください』

妻は、何かしゃくぜんとしないようだった。

カウンセリング  
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  6月 24日
 「11日は、きつい「うつ」になった、前の日に主人と言い合いになり、この日は、一日中パジャマのままだ。主人が私の気持ちを解ってくれず、イライラのきつい日が多いんです」
 『そうですか』

 「人に喜んでもらえ、自分も充実した生活を送りたいが、現実はままならずギャップの大きさに、情けなくなります。 14日、三週間ぶりに朝食のパンを食べられ嬉しくて涙が出ました。今週は、友達とも穏やかに電話が出来ました」
 『よかったじゃないですか』

 「子供のいない事で、主人と今まで良く話したが話がかみ合わず、いつも、子供なんて要らんやろと言って怒り出します。また、お母さんとの同居の件でも、ちゃんと話し合ったやないかと言ってごまかされます」
 『それは、ご主人がごまかされている事があるかもしれませんね』

 
 
『今日は、先生が私の話を良く聞いてくれ、初めて先生と信頼し合えた気がした。これから先、主人と先生の助けを得て病気と闘っていこうと思った。』ウラン

 今日は、入院患者さんがなくなられて、土曜日は先生一人のため、先生は、部屋を出たり入ったりとばたばたとしたカウンセリングだった。




  7月 1日
 「一週間連続して、三時まで主人の帰りを待てた、それだけでも嬉しくて泣けてしまいます」
 「そうですか」

 「口数が多くなり喋り出すと止まらなくなり、喉がひりひりするぐらいまで喋り続けています。今まで、つまらない毎日でしたが、今は家で充電期間だとおもってテレビ、新聞でいろいろな人の話を聞き、人生の勉強になれば良いと思え、治ったら、ああしよう、こうしようと思い、意欲が出てきました」
 『それはいい事ですね』

 「今まで、私のことに無関心だと思っていた妹から電話があり、心配してくれている事がわかり、昔のように相談に乗りアドバイスし、友達のように話が弾んだ」
 『よかったじゃないですか』

 「先生、親の話も聞いてくれはりますね」
 『それも、おいおいと、聞いていきますから』
 今日は、ベッドから落ちた患者さんが骨折し、先週に続きばたばたとしたカウンセリングだった。『こんな事は私も三年ぶりぐらいです、今度からは、ちゃんと出来ますから。』とDr.も恐縮しておられたそうだ。

カウンセリング  
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
   7月 8日
 「先週土曜日の帰りに、長浜までドライブに行き黒壁ガラススクエア等を見て回りました、ちょっとした小旅行気分で楽しかったです。結婚して、やっと家庭の温もり旅の楽しさを知った自分だから、そうやって思い出がよみがえって来るとついつい涙が出てしまいます」
 『それは良かったですね』

 「最近、主人への感謝の気持ちが出てきて、今までよくあんなきつい事をいえたものだと思う事があります」
 『そうですか』

  「今週、母より電話があったのですが何か義務的な感じで(以前主人に、心配なら月一回くらい電話をするようにいわれたから)話がかみ合わず、ボーナスの事ばかり言うのでイライラしてきました。我家の介護の現状など理解できていないようなんです」
 『四十過ぎたら、親は親ですよ、お母さんが何を言おうと関係ないじゃないですか』

 「この間の日曜日に、主人とお昼ご飯を食べに行こうとした時、ちょとした事でいつもの言い合いになったんですけど、その時主人が怒り出して、もう飯なんか食べにいかへん、と言い出すんですよ、喧嘩したぐらいでご飯食べに行かへんて言うのおかしいんと違います。幼稚だと思いません」
 『相手が病気であろうと、腹が立つことを言われたら怒るし、私でもそんな時は外食なんか行きませんよ』

 「私ね、うつ病のせいですぐにイライラしてしまうんですよ、主人に対してまるで反抗期の子供のように逆らって、よけいにイライラしてしまうんです』
 『ほら、奥さんだって子供みたいなところがあるじゃないですか。イライラは病気のせいだけじゃなく、性格もありますから少しづつでも楽になるようにやっていきましょう』
 
 『さっきも、奥さんに言ったんですが、何もかもを病気や他の人のせいにしてしまうんじゃなく、自分でどうしたら楽になるかと言うのが大事です、私はこのままでいいと言って我が道を行く人もいますが、その人さえそれでいいと言うんなら仕方ない事ですが』
 「喧嘩になると、私も自分を止められず、言い合いがエスカレートするんです。」
 『喧嘩してもいいですよ、それはそれで、奥さんの勉強にもなるんです』

 「妻が、新聞で境界型人格障害の記事を読み、私は、これではないのかと心配するんですが、妻の病名は何ですかね」
 『境界型と言うのはぜんぜん違います、奥さんのは、そううつ病です。以前は軽躁状態でしたが、今は躁がはっきりしています。それでイライラもきつくなるんだと思います』
 
妻は、自分だけが悪いように言われたと思い、釈然としない顔つきだった。

カウンセリング  
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
 7月22日
 「主人と話したり、どこかへ出かけたりしていると現実に戻れるんですが、一人でいると不安と寂しさが増し、生活の実感と言うものがまったく無く、病気になった自分の現実が信じられず、昔の私が本当の私だと思う気持ちが取れないんです。この間の土曜日も、大阪の海遊館に行ってきましたが、その時は、病気の事も忘れて思いっきり楽しめましたが、月曜日になると、不安で辛くてつまらない毎日がやってきて、死んだ方がましだとさえ思う用にさえなります。自分で何もきめられず外へも出られず、毎日マニアルどうりにやらないと不安でしんどいんですが、そんな事に縛られている毎日がつまらなくて嫌なんです」
 『そう言う平日の生活がつまらないのなら、一歩外へ出る方法を考えなければなりませんね』

 「はい、それは、分るんですが、お茶とオシッコの時間を決めてあるので、それを、どうしたらいいかよく分らないんです」
 『それじゃあ、時計と水筒を持って出かけたらどうですか』
 「はあ、それはそうなんですけどね、時計は、何処にでもあるし時間は分るんですが、15分と45分にコップ半分と決めているのと、オシッコも、1分でも2分でもずれたら不安なんです」
 『それじゃあ、どうやったら、お茶を飲むのとオシッコの時間を上手く出来るか、この二週間の間に考えておいてください。それを、宿題にしましょう』

 「それと、主人が、平日の生活をがんじがらめと思わずに、リズムだと思えば楽になるのと違うかとアドバイスするんですが、そんな事は、昔から分っていますがそう出来ないんです。それと、カウンセリングで、がんじがらめの事も治ってくると言うんです」
 『ご主人はご主人の考え方、奥さんは、そんな事出来ないでしょう、あなたの考え方が大事なんですよ。カウンセリングでそれを僕が治すって事は無いです、奥さんの気持ちが大事なんですよ』

 「それと、土日になると調子がいいのですが、平日一人でいると不安がきついんですが、主人は、それはうつの波やろ、と言うんですが、そうですか」
 『波って事は無いですよ、だって、そうでしょう、うつがそうキチット休日と、平日とに分けてやってくることは無いですよ』
 「何にも一人で出来ない、そんな退屈な毎日は嫌なんです、波乱万丈がいいんですけどね」
 『人は、皆、淡々とした日々を送っているものですよ。それじゃあ、ご主人とお話します』
   
妻も中に残り、宿題の一歩外に出る話になった。薬はアナフラニール10mmg1Tが追加された。

 カウンセリング  
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  8月5日
 「朝起き難く、体がしんどいが無理に起きています。おしっこがでにくくなってきました。主人の事、おばあさんの事、母親の事、友達の事を思いやりの心を持って接する余裕が出てきました。主人とも昔のように、冗談を言ったりして、夜遅くまで自然におしゃべりが出来るようになりました。裏切られたと思っていた友達から電話があり、昔のように自然に話がはずみ、ものすごく嬉しかった。今まで、新聞しか読めなかったのに、最近本もぼちぼちと読めるようになってきました」

 『どういう本を読んでいますか』
 「私、ミーハーですからタレント本なんです」
 『はぁ、それはいいんですがどういう種類の本ですか』
 「あのぉ、エッセイです」
 『エッセイですか、それは読みやすいですね』

 「昨日の昼までは気分よく、心に余裕を持って主人に接していたのですが、午後から急に、主人だけがのんびりしていて、私だけがどうしてこう忙しくしなければならないかと思うと、イライラしてきて、また、主人と言い合いになったんです、夜には、主人は、ふてくされて、プイッと横になってしまいましたが、私がなだめて、普通に話が出来るようになりました」
 『抗うつ薬が効いてきたのかも知れませんね』

 「この間、母に手紙を出したんですね、産んでくれてありがとう、と言う文面だったのですけど、早速、母から電話がかかってきて涙声で話すんですよ、そして、父と替ったのですが、いきなり、あいつ手紙ぐらいで泣きやがって、とくるんですよ」
 『お父さんの話を聞かせてもらえますか』

 「父は、精子提供者なんですよ」
 『えっ、どういう事ですか』

 「子供の事なんかぜんぜん可愛くないのですよ。三人姉妹なんですけど、母に、女ばっかり産みやがってとよく言っていましたし、一番下の妹は、産まれてすぐに股関節が悪い事がわかって、小学校へ上がる前まで入院してたんですが、父は、一度も見舞いに行ったことはなかったようです。妹二人が高校に入学したときも、ぜんぜん喜びもせず知らん顔でした」
 『おかしいですね、普通、お子さんが高校へ入れば嬉しいはずなんですがね。』

 「若いとき仕事が続かず、42歳のときバイクで事故をし、大怪我をして入院したんです、それも加害者でした、母があちこち駆けずり回り、何とか納めました。その後、その事故の相手の方の紹介で会社に入り、愚痴を言いながらなんとか定年まで勤めました」
 『それじゃあ、それまで生活のほうはどうしてたんですか』

 「母が、美容院で働いていたのと、生活保護で何とかやっていました。母が、生活保護を受けていたら全日制の高校へいけないと、勘違いしたものですから、私は、働きながら夜間の高校へ行きました」
 『苦労されたんですね、奥さんも』

 「でも、高校も仕事も三ヶ月でやめました」
 『どうしてですか』
 「人の目が気になって座っていられないのです。本当は、続けたかったのですが。」
 『それは、どういう意味ですか、僕には、よくわからないのですが』
 「なんか、息苦しくて、小学校三年ぐらいから学校はいやでしたね」

 「仕事でも、最初に入った大きな工場は、すぐにいやになり、小さな所ばかり探していました。食堂や医院の手伝いとかは楽しかったですね。」
 『この間、言っておられましたね。』

 「視線恐怖がきつかったのです、入院の時もそうだったし、昔、主人の親戚とも口を聞けなかった。前の病院でそれは治りましたけど」
 『それはよかったですね』
 「今でも大勢のところは苦手ですね」
 『それでは、視線恐怖は治ってない事ですね』

 「先生は、こうやって丁寧な言葉で話を聞いてくれはりますけど、前の病院の先生はぜんぜんでした」
 『そうですか!』
 「はい、診察室に入ると、タバコをスパスパ吸いながら、どうやと言って、もう処方箋を書いているんですよ」
 『患者さんの前でタバコを吸われるんですか』
 「はい、コーヒーとクラッカーも食べたはりました。先生とは、えらい違いですわ。」
 『へぇー』

 「それでも、その先生は、人気があり3時間以上は待たされます」
 『そんな先生を、患者さんがなぜいい先生と思うんでしょうね、おかしいですね」

 「私が、胃が悪くなり、食べられなくなった時、缶詰の栄養ドリンクを出し、これで三年間生きている人がいると言われました。それまででも調子悪いと言ったとき、『また2週間ほどすれば良くなるわ』と言って、話は何も聞いてくれません」
 『それはひどいですね、私なら別の方法を考えますがね」
 「公立の病院だから信頼してたんです」
 『それは、そうですわねぇ』

 「それで、どこかいい病院はないかと、いろいろと探し回り、病棟を見せてもらったところもあるんですが、いい病院は見つかりませんでした」
 『やっぱり、精神科病棟は大学病院がましですね。綺麗ですしね』
 「その後、知り合いの奥さんが、先生の大学病院で治られたと聞いて、行ったんです」
 『治られたんですか、それは良かったですね』
 『ご主人、薬は今までどうりで、副作用止めにベサコリンの量をふやしておきます。次の診察日は私が出張ですので、代わりの先生を頼んでおきました。これまでのいきさつはご存知ないので、薬の事だけしかわからないと思います』

 妻としては、「先生に十分に話を聞いてもらい、うれしい」と言う事でした。

カウンセリング   
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  9月2日
 「主人の姪の新築の家を見に行ったとき、『体が動くのに外へ出られない』といったら、『それも辛いね』と優しい言葉をかけてもらい嬉しかった。このごろ、小さい子供を見るとすごく可愛く思え、三才の男の子も可愛くて、手をつなぐとふわふわしていた」

 「六道さんや宇治川花火大会に、主人と二人恋人気分で行けて楽しく、いい思い出が出来ました」
 『六道さんて、なんですか』
 「お盆前にお参りするお寺です。それと、念願の伊吹山山頂にいくことが出来ました。4年ぶりで、駐車場から50メートル登るのに息が切れて、主人に手を引っ張ってもらいやっと登れました。山頂で小さな子供がいてそのしぐさが可愛かったんです、昔は子供なんて憎らしかったんですけどね」
 『それじゃあ変わられたんですね考え方が、おしっこの事はどうでしたか?』
 「はい、それは上手く行きました。主人に教えてもらいましたから」
 『この夏はいろいろと思い出が出来てよかったじゃないですか』

 『今でも家の事は出来ないですか?一人で外へ出たり?』
 「はい、おしっこの事やお茶を飲む時間が気になって、一人では出られないですね、洗濯以外は何も出来ません」

「前に母が泣いて、全部私が悪かったんや、と言いましたが其の訳が、高校へやれなかった事を謝っただけの事で、がっかりしました。妹も、親も自分の事しか考えない、主人の身内は皆心配してくれているのに」
 『皆、結婚して家庭を持っておられるんでしょう?』
 「はあー、そうですけど」

 「真ん中の妹なんか昔からひどいもんですよ。まだ二人とも結婚する前の話ですけど、私が失業していて家にいたとき、『うっとうしい出て行け豚』と言うんですよ」
 『なんですかそれ』
 「昔は太っていたんです。側にいる母もそれを聞いていても何も言わないんですよ。それどころか『あんたは根無し草や、生きてる値打ちがない』と言うんですよ。下の妹は、いろいろと昔世話をしてやったのに、こんな病気になった私に、温かい言葉もかけず見舞いに来ようとも思わないみたいなんです。それでも血のつながった親姉妹ですから、電話したりたまに会ったりしたいと思うんですよ」

 『奥さんは、皆と仲良くしたいんですね』
 「そうなんですけど、皆がこんな調子だから、もう顔も見たくないと言う心もあって、なんか矛盾してしまうんですよ」

 「母と何をしゃべろうかといつも気を使ってしまうんです」
 『どういう事でしゃべれないんですか』
 「母は、若いときに両親を無くし小さい弟や妹を食べさせ、苦労してきているので私は愚痴もいえないんです」
 『何で自分の親なのに、若い頃愚痴も弱みもいえなかったんですか』
 「子供の頃から上の妹は話を良く聞いてもらっていたんですが、私が話をしようとしたら、どう言う訳か聞いてもらえなかったんです」

 「両親とも自分の事ばっかりしゃべって、私の事なんか聞いてくれないんですよ。病気の事や、どんな先生かも聞いてくれないんです」

 「父は、若い頃仕事が続かず無職の時が多かったんですが、お茶・新聞と母に持ってこさせ、えらそうにしていました。家事なんか全然手伝わなかったんです」
 『そんな人なら何でお母さんは別れなかったんでしょうね。普通の女の人なら別れていますよ』
 「尽くす女なんです」
 『どう言ういきさつの結婚ですか』
 「知らないんです、叔母からチラッと聞いた事はあるんですが。転がり込んできたとか!?」
 『どうしてですか、可笑しいですね、お母さんに聞かれなかったんですか』
 「そう言う話は、かっこ悪いと思うんですかね、母は」

 『薬は今までどうりにしておきます』 
 今日のカウンセリングは、あまり、先生のの話が納得いかないようだった。

カウンセリング  
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  9月16日
 「久しぶりにガスを使いました。夏の間は、器に入ったとろろ蕎麦や、チンだけで出来るカレーを食べていたので、ガスが上手く使えるか不安でしたが、スムーズに出来て嬉しかった」

 「主人と昔、子供の話が上手く出来なかったが、最近、冗談混じりに話せるようになった。主人の事を子供のように扱い時々からかっています。14日〜15日にかけて、また、主人と喧嘩をしましたが、お昼ご飯の時に私がなだめて仲直りをしました」

 「友達に電話をし、昔と同じように愚痴を聞いてあげることが出来ましたし。思い切って外に出て植木を見に行き、その時、隣のマンションの掃除のお婆さんと、世間話を普通に出来嬉しかった」

 「朝、おしっこが出にくいんです」
 『朝、尿の出にくい人はおられますよ」
 「昼間はおしっこの時間とお茶を飲む時間の事で必死なんです。そのため自由に外へも出て行けないんです」
 『おしっこの事とお茶の事とどちらが難しいですか』
 「どちらも同じぐらい大変です」
 『どちらもですか。お茶は一生飲まない人もいますけどね』

 「晩は楽なんです。主人もいますし、14分45分とお茶を飲んで、7時、9時、寝る前とおしっこに行けばいいんですから」
 『寝る前は尿意はあるんですか』
 「寝る前に行くのはあたりまえでしょう、主人も行きますし」
 『あれっ!、話がそれていますね、分かりますか』
 「先生でも寝る前は行かれるでしょう」
 『奥さんは、一度こうだと思ったら考え方を変えないんですね。強情なんですね』
 「そうなんです、主人に対してもいつもそうで、よく言い合いになるんです。」
 『奥さんの事を怒っているんじゃないですよ、私の質問と奥さんの答えを紙に書きますね。こういうことですけど違いが分かりますか』
 「はい、分かります」

 「昼間もあまり尿意というものは無いんです。ちびるまで分からない時もあるんです。大も全然分からず、おしっこに行った時に出てしまうんです」
 『ちびってしまうんですか?、それは問題ですね』

 「友達が元気そうだと言うんです」
 『奥さんは、本当に元気になったと思いますか』
 「気分が少し良くなっただけで、一人で外へ出られないし、そうは思えませんね。」
 『鍋焼きが作れただけでもいいと思うんですけど、奥さんは、どう言う状態になれば治ったと思われますか』
 「前の病院に通っていた頃のように、晩ご飯を手作りで出来るようになりたいです。主婦業として買い物も出来ないと、それと自分の趣味で絵を見に行ったり映画に行ったり、主人と旅行が出来たらいいと思います」

 『それだったら普通の生活じゃないですか。それだけ出来ていてなんで十年間も前の病院にかかられていたんですか』
 「それは波が多かったので通っていました。今考えてみれば、ただの神経症だったのかもしれませんね。きつくなる前の一年間は、波もなく調子は良かったですが、ずっと通っていました」

 「昔から夜型の人間だったのですが、今は、特に朝が起き難いですね」
 『眠剤が残っているのかもしれませんね、もう少し減らせればいいんですがね』
 
 『ご主人、薬はどうしときましょう』
 「頓服は今までどうりでお願いします」
 『コントミンとレンドルミンとユーロジンですね、デパスとロペミンはどうしときます。』
 「それはまだあります」
 『おしっこが出にくいようですのでベサコリンを多くしておきます、ビオフェルミンも1錠増やしておきます』

 「それと、悪夢を見て気分が沈み、起きた後もそれを引きずって、怖くて何も出来ない状態が続くらしいんですが、何とかならないでしょうかね」
 『それはちょっと、私にはどうしようもないですね』
  
 

カウンセリング  
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  9月30日
 「最近、悪夢にうなされる日が多いんです。仕事をせかされてる夢、会合に行かなければならない夢、それと母が毎日のように出てくるんです。実家の不便なトイレも良く出てきます」
 「22日に妹に電話をしましたが、いたわりの言葉もかけてくれないし、その上、父が『あいつみたいになったらもう人生終わりやで。』と妹に言ったと聴かされ、すごいショックを受け落ち込んで、腹が立ち、もう葬式まで実家へなど行くものかと思いました。しかし私の心の中には、否定はしているのにやっぱり親だから、昔のように主人と土産を持っていったりして、普通に付き合いたいと思う心が出てきて、矛盾が生じ自分で心の整理をどうつけたらいいかわからないんです」

 『それは、僕のかかわる問題ではないですね』
 「?????」
 『それは、そうじゃないですか、奥さんが決める事ですよ。私は医者ですから、ああしろ、こうしろと言う事は出来ないですよ」

 「主人と喧嘩しても夢には出ないんですが、実家の事は直ぐに夢に出てきます」
 『夢の内容は気にしなくていいですよ。夢の分析は難しくてなかなか出来る事ではないですよ』
 「そうですか」
 『夢は、こだわっている事が出てきますけど、それがどうのこうのと言う事は無いですよ』
 「生まれた家庭には恵まれなかったが、良い主人に会い温かい家庭を持て、病気の私を優しく介護してくれよかったと思います」
 『それはよかったですね』

 「私、いろいろと意欲が出てきて旅行に行きたいと思ったり、日記をつけたり、主人とぺらぺら喋ったりするんですが、私は鬱ですか?何も出来ないんです」
 『鬱は軽くなっていますが、神経症のようなものがきついですね』

 『ご主人には帰ってきてもらっていますか』
 「はい、今週生理になり、2回帰ってきてもらいました」
 『お昼の事はまだ困っておられますか』
 「外へ買い物にいけませんので、朝、主人にコンビニで昼ご飯を買ってきてもらっています」
 『そうですか』
 「夏と違い、ガスを使い、アルミの鍋焼きなどを作らねばならないので大変です。きつねうどんは作れるんですが、カレーうどんは上手くいかないんです。何でも出来る訳ではないので大変です」
 『きつねうどんとカレーうどんはどう違うんですか』
 「カレーうどんは、いろいろ順番があり、頭がまわりません」
 『そうですか』

 「近所の奥さんと話を少し出来るようになりました」
 『それはいいですね』
 「この間も大丸へ行き、原田泰治先生の展覧会場で、知らない人と絵の話をしました」

 「私外へ出られないので、本や、テレビのトークでいろいろ吸収しようと思っているんです」
 『それはいいことですね』
 「先生、妻の様子を見ていると鬱ではないような気がするんですが」
 『そうですね、鬱はだいぶ軽くなっていますが、神経症のようなものがきついですね』
 「神経症でも何も出来なくなるんですか?」
 『そう言うこともありますね』
 「睡眠の方が上手くいかないみたいで、頓服を全部飲み、それでもだめでレボトミンを飲んでやっと寝ると言う状態なんです」
 『最後にレボトミンを飲んで寝られるなら、問題は無いと思います。眠剤の量もまだそれほど多いと言うわけではないですし』
 「それと、下痢の方がまだ止まらず、不快だと言っているんですが。」
 『そうですか、それじゃぁ、ベサコリンを少し減らしましょう。後はこの間といっしょにしておきます』
  
 

カウンセリング  
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  10月14日
 「7日に越前海岸の入り口までドライブをし、刺身をおいしく食べ、海岸を散歩し楽しかった。カラオケも週一のペースでいき、気分発散しています」
 「おしっこが出にくくなっているんです、それと、胃のほうも時々気持ち悪くなり吐きそうになるんです」
 『そうですか』

 「気分の上下が激しく、主人に帰ってきてもらう日が多くなっています。ひどい日はパジャマのままで一日中いて、この間の日曜日も、お義姉さんに会うのを楽しみにしていたが、会う事が出来ませんでした。気分の上下は極端で、自分ではどうしようもなく、一人ではいられないんです。どうしたらいいんでしょう」
 『気分の上下を今薬でどうにかというのは難しいですね』

 「妹夫婦が家に来たが、私への気遣いの言葉がなく、前日から期待していたのに帰った後がっかりしました」
 『妹さんも心配してくれてるはずですが、表現方法が下手なんじゃないですか。何も奥さんをいじめにきたわけじゃないでしょうから』
 「いじめようとしていないのは分かりますが、あまりにもひどいのであきれています。小さい時からいろいろと世話を焼いてきたのに」
 『そうやって世話された事はそれでいいんです。奥さんは人に対して気遣いをもてるけど、妹さんはそう言う気遣いをもてないんですね。世の中にはそう言う気遣いを出来ない人はたくさんいますからね』
 「はぁ」

 『奥さんも少し視点を変えられたらどうですか?そうでないと、怒ったり落ち込んだりしてたらしんどくなるでしょう。心では思っていても口に出していえない人もいますしね』
 「もう葬式まで会わんとこさんと思ってます、電話もしんとこと思っています」
 『奥さんは前もそんな事をおっしゃっていて、又、電話された事があるんじゃないですか。肉親だから会わずにすごすなんて出来ないでしょう。そんな事良くありませんよ』

 「妹の主人も帰りがけ、料理も何も出来ない私の前で、さあ、家帰って焼肉して食べよ、と言うんですよ」
 『その御主人も人への気遣いが出来ない人なんですね。そういう人もいますからね』
 「ほんまに腹立ちますわ!」
 『何しに来られたんでしょうね』
 「そうなんです、7年ぶりに来るので喜んでいたのですが、がっかりしました」
 『普通の接し方が出来ない方じゃないですか。表現が下手なんですね。奥さんが少しでも楽になるように考え方を少し変えられたらどうですか。私が今日言いたいのはこれだけです、でないと奥さんがしんどいでしょう』
妻: 「気分の上下が激しいのですがどうしたらいいんでしょうか?朝のパンも、お昼のご飯も一人では食べられないのですが」
先生:      『気分の上下を今薬でどうにかと言うのは出来ないですね。それよりは、そういう時にはどうするかという事を、ご主人と決めておいたらどうですか』
妻: 「どう云う事ですか」
夫: 「先生、そういう時には私が昼に帰るようにしてるんですよ」
先生:        『そうですね、そういう事です』
『薬の方はおしっこの出にくくなるのもありますが、今少し変えずにベサコリンを少しだけ増やしておきます。胃薬をガストロームに変えておきます。頓服の方はどうですか』
夫: 「それは、前回と同じでよろしいです」
 
  朝・夕   寝る前   頓服
セルシン(2) 2T
デパス(0.5)
ビオフェルミン3T
ガストローム(散)
ベサコリン(散)
レンドルミン(0.25)
ユーロジン(2)
コントミン(散)
アナフラニール(10)
デパケンR
ユーロジン(2)
レンドルミン(0.25)2T
コントミン(散)
 

カウンセリング  10
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  10月28日
 「今まできつねうどんしか作れなかったが、カレーうどんも作れ、自分で作ったものはおいしくて嬉しかった」
 「主人には昼に二度帰ってきてもらいました」

 「互いの誤解から20・21日と二日にわたり喧嘩が続きました。私が同じ事をしつこく言うと、主人がいいかげんに聞き流してしまい、それに腹を立てた私が風呂場で主人にシャワーをかけたら、主人が切れてえらい剣幕で怒り出しました。あくる日、嵐山のオルゴール館へ行きましたがその時も喧嘩になり、皆仲良く歩いているのに、私たちは何でこんな寂しい思いをしなければならないのかと、悲しくなってきました。ぶつぶつ言う主人の事が嫌になってきました」

 『喧嘩の原因はなんですか』
 「主人にナスの浅漬けを作ってもらうとき、私が「手を洗わへんのか。」言った時「洗わへん。」と言った事からです。あとで確かめると、主人は、鞄の事と聞き違えていたらしいですけど」
 『そうですか』
 「主人は、理論でくるんですが、私は、親の遺伝か考えずに喋るんです。それで何時までも言い合っているんです」

 『喧嘩はどちらが悪いとかじゃなく、五分五分ですから』
 「喧嘩のせいかどうかは分かりませんが、胃の調子が悪くなる事も多いんです」
 『喧嘩はできるだけ避けた方がいいですね。嫌でしょう。しんどいでしょう』
 「どちらも意地っ張りで、主人もイライラしだしたら止まらないんです」

 『何処で知り合われました』
 「私がアルバイトしていた電気工事の会社に、後から主人が入ってきたんです。」
 『会社で仲良くなられたんですか』
 「私は、そこを直ぐにやめたんです」
 『何されてたんですか?その後は』
 「まぁ、いろいろ転々として、職業訓練校も行くつもりでしたがそれもやめました。」

 『それでどうされました』
 「一年半付き合って結婚しました。でないと、あんな実家だからどうなっていたか」
 『よかったですね、いい人とめぐりあって、ご主人と縁があったんですね』
 「ああ見えてきつい事を云うんです。この間も、出て行けといわれて考え込んでしまいました」
 『今は、仲良くされているんでしょう』
 「はい」
 『それならいいんです』

 『アパートもいろいろ変わられてますね』
 「人の輪の中に入れないんです」
 『何ででしょうね』
 「喋れないので他の人がおかしいと思っているんじゃないかと。小三ぐらいから人の目が気になっていました。教室で座っているのが嫌で嫌で、中学を卒業した時はヤッター!と思いました」
 ・先生が笑う!(^_^)

 「卒業して工場勤めすると、又、同じように人の視線が辛抱出来ず、大勢の中がいやでやめてしまい、その後も仕事が長続きしませんでした」
 『どうしておおぜいの中にいられないんでしょうね』
 「昼休みでも一人ぽつんとなり喋る事が出来ず、そういう自分がどう思われているか気になってしまいます。でも、一人では孤独で、それが辛抱できないんです。入院の時も、大部屋では人の目が気になりました」
 『そうですか』
 「昔は、電車に乗っても顔を上げられなかったが、今は視線恐怖は取れたみたいです。」
 『それはよかったですね』
 「主人の親戚とも、昔は話が出来なかったが、今はよく話すようになりました。でも潔癖症は前よりきつくなりました」
 『そうですか』
 
 『どうですか、最近の様子は』
 「喧嘩はしていますが、まずまずと言う所でしょうか」
 『は・は・は・は、奥さんからも聞きました』
 「しばらく寝られなかったみたいでしたが、ここ4・5日は寝られるようになったようです。胃のほうも時々具合悪くなるんですが今はどうもないようです」
 『そのほか何か困った事はありませんか』
 「生活態度で何か気をつけなければならないこってどんなことでしょうか?」
 『やはり、無理をせず出来る事からやっていくと言う事ですね』
 「はい」
 『薬はどうです?』
 「ガストロームはどうも飲みにくく嫌みたいで、セルベックスに戻してもらえますか」
 『分かりました』
 「あと、レボトミン・デパス・ロペミンの頓服もなくなりました。後は前と同じで結構です」
 『分かりました。仲良くやってくださいね、喧嘩は仕方ないですけどね』
  朝・夕   寝る前   頓服
セルシン(2) 2T
デパス(0.5)
ビオフェルミン3T
セルベックス
ベサコリン(散)
レンドルミン(0.25)
ユーロジン(2)
コントミン(散)
アナフラニール(10)
デパケンR
ユーロジン(2)
レンドルミン(0.25)2T
コントミン(散)
レボトミン(5)
デパス(0.5)
ロペミン(1)
 

カウンセリング  11
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  11月11日 
『さて、奥さんどうでしたか』
「三連休は、3日は高島屋の展覧会、4日は琵琶湖バレーへロープウエーで登って来ました。その時は楽しいんですが、落ち込みのきつい日もあり、何時になったら治るのかと思い、そんな時は嫌になります」

「寝られなかったり夢が悪かったりすると、起き難く気分がスッキリせずイライラします。薬が多すぎて朝起き難くなっているのでしょうか?どうすれば良いんでしょうかね?」
『薬が残っているせいかどうかは分りませんが、眠剤はできるだけ少なくする方が良いでしょうね』

「気分の上下が激しく、昨日あんなに楽しかったのに今日は全然と言う日も多いんです」

『潔癖症の方はどうですか?』
「相変わらずきついです、それと物をまっすぐに片付けなければ気がすまないのです。主人はあちこちにほったらかしにしておきますけど」
『そうですか』

「主人は忘れん棒なんです。私が何でも注意しなければならず大変です。何かやったら後は忘れてしまいます、お母さんとよく似ているんです。私は、嫌な事でも何時までも覚えていて、主人やお婆さんのようになりたいです。昨日なんか、寝るちょっと前に病院へ行く事を話していたのに、寝る時には忘れていて明日は仕事だと思っているんですよ」
『それはひどいですね』
「その事で、今日も起きた時から言い合いになり、病院まで喧嘩しもって来ました。」

「私は、学校の勉強なんかではあまり覚えられなかったんですが、人に云われた事なんかは何時までも覚えているんですよ」
『奥さんは完璧主義だから、出来事を忘れる事が出来ないんですね。それはなかなか治らないでしょうね』

「私、張りのある生活がしたいんです、人のためになる事がしたいんです。小学校の時もいじめられてる人をかばったりしましたし、9日の日も主人の誕生日を祝おうと気合が入りました」
『は・は・は・は、奥さんはそういう性格なんですね』

『ご主人の仕事は忙しいですか』
「毎日早引きで3時に帰ってくるため、仕事を短時間で片付けなければならないので大変みたいです。休憩する時間もあまり取れないみたいです」

『お客さんは誰か来られましたか?』
「いいえ、この2週間は誰も」

『お昼ご飯はどうですか?』
「この間、初めてちゃんこ鍋を作れたんです、アルミ鍋ですけど」
『よかったじゃないですか、だんだんと出来ていきますね』
「でも、晩ご飯は鍋物が出来ないんです」
『何でですか?』
「主人が邪魔くさがるんです、鍋や茶碗を洗うのを嫌がって、晩は弁当が多いんです」

「胃の方は良くなってきたんですが、下痢はまだ時々します、便意も無い時が有るんです。小の時に出てしまうんです」

『ご主人、何か困られている事は有りませんか』
「相変わらずですけど、悪い夢を見て昼まで引きずってしまうようなんですけど。」
『夢の内容まではどうしようもないですからね。それと、あまり寝られないと言う事なんですけど、眠剤も今の量でいきましょう、あまり多いと昼までしんどいでしょうから。ねえ、奥さん』

「先生、午前中だけなんですけど、しんどいのは」
『奥さん、午前中だけでも嫌でしょう』

「頓服はレボトミンはまだありますが、他のはもうありません」

  朝・夕   寝る前   頓服
セルシン(2) 2T
デパス(0.5)
ビオフェルミン2T
セルベックス
ベサコリン(散)
レンドルミン(0.25)
ユーロジン(2)
コントミン(散)
アナフラニール(10)
デパケンR
ユーロジン(2)
レンドルミン(0.25)2T
コントミン(散)
デパス(0.5)
ロペミン(1)
 
カウンセリング  12
 「妻」と『先生』  「夫」と『先生』
  11月25日 
『さて奥さん、この二週間どうでしたか』

「主人と喧嘩ばかりしてたんで、それでしんどくなってしまうんです。どうしたら喧嘩しなくなるでしょうね」
『私も喧嘩しなくてすむ方法があったら、教えてほしいですね』

「ゼネレーション・ギャップじゃないかと思うんですが?」
『そんなに年は離れていないでしょう』
「えぇ、そうなんですけど、主人も子供みたいで、年下かと思うときもありますけど、喧嘩になったらどちらも引かず、いい合いがエスカレートして止まらないんです。」
『喧嘩になって、黙っているのもつまらないですしね』
「主人の物分りが悪いんです、解かってくれないんです」
『どこの夫婦でも喧嘩ぐらいはありますしね』

「先生、昔の話をしていいですか。この間、主人に昔の話をして泣いてしまったんです」
『いいですよ』

「若い頃、親や妹からいつものけ者で、居場所がありません出した。いつもいつも、仕事が人間関係で続かなかった時、根無し草とか言われて辛い思いをし、自分の居場所は二段ベッドの上しかなく、声を殺して泣いていた事が今も浮かんできて、頭から消えないんです。妹と母は仲良く、疲れきっている私はいつもひどい事を言われ、辛い日々が続きました。妹の休みの日なんか、家にいるのが嫌で、何処で時間をつぶそうかと必死でした。温かい家庭の親子兄弟愛のドラマを見ると、いつも自分の実家と比べてしまい、うらやましくて夢でうなされてしまいます」

『いろいろとあったんですね』

「主人と付き合っていた時も、妹から「うっとうしいやつから電話やで、」と言われ、遠慮しながら電話に出ていました。結婚式の前日も、皆知らん顔で、私一人が新婚旅行の支度を、夜逃げのようにひっそりとしていました。ドラマなんかを見ると式の前日は皆集まって、お姉ちゃんがいなくなると淋しくなるねとか言って、別れを惜しんでいるじゃないですか」
『それは、ドラマの話でしょう。ドラマのような家庭は少ないんじゃないですか』

「そら、孤児院よりはましですけどね」
『昔の事を忘れられず、よく思い出すのは奥さんの性格ですね』

「こんなんでも、体の悪い母の事は気になり、家に行った時父に、「お母ちゃんいっぺん病院に連れて行ってあげや。」と言ったんですが、「入院しんならんやんけ」と母の事をあまり考えていないんですよ」
『お父さんは、ひどいですね』

「私、母から電話があっても出ないんです。主人に話を任せておきます」
『何でですか?』
「母は、自分の話ばっかり必死でして、私の話はあまり聞いてくれないんです」
『そうですか、それは嫌ですね』

『鬱はだいぶ良くなっているみたいですね』
「友達にも、だんだん良くなってきているやんか、と言われるんですが、私は、一人では何も出来ないので実感はないんです」

『ご主人、鬱はだんだん良くなってきていますが、他の症状がまだねぇ、薬はこのままでいきましょう』
「喧嘩が多いんですが、私とすれば、どう対応すればいいのでしょうか」
『さっき、奥さんにも話していたんですが、喧嘩はするもんですよ、どんな夫婦でも』

  朝・夕   寝る前   頓服
セルシン(2) 2T
デパス(0.5)
ビオフェルミン2T
セルベックス
ベサコリン(散)
レンドルミン(0.25)
ユーロジン(2)
コントミン(散)
アナフラニール(10)
デパケンR
ユーロジン(2)
レンドルミン(0.25)2T
コントミン(散)
 
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