「電脳日記」バックナンバー

(2000年01月)


【Rugby】國學院久我山と東海大迎星の違い(00.01.07)

●高校ラグビーでは東海大仰星が優勝しましたが、さすがに仰星は強かったです。今回は埼玉 工大深谷が予想外の躍進を見せ、なかなか楽しませてくれました。大阪工大付を大差で破ったことも衝撃でしたが、準決勝で國學院久我山に逆転勝ちしたことが今大会一番のサプライズでした。

●私は準決勝をビデオで見ていて、前半は久我山が埼工大を圧倒してリードを奪ったところで、「あーこれは大差で負けるな」と思ってその先を見るのをやめてしまったのですが、後で逆転勝ちしたことを知って仰天したのです。埼工大の森監督は前半終了時「これでは試合にならない」と思ったそうですが、私もまったく同じ感想でした。スクラムの強さ、ラックのうまさ・ずるさ、バックスの決定力、どれをとってみても久我山の方が上で、「久我山が負ける要素はない」と思っていました。しかしそれがひっくり返ったのですから、勝負はわからないものです。

●しかし決勝では奇跡は再び起きませんでした。すべての面で埼工大を上回る仰星が終始圧倒。スコアは31-7でしたが、実力差はその2倍くらいありました。たぶん(地力では埼工大より上の)久我山が決勝に出た方が接戦になったでしょう。しかし、久我山が出てもたぶん仰星が勝ったと思います。

●久我山がなぜ負けたか−−それは一言で言えば「埼工大のモールを止められなかった」、これに尽きます。トンガパワーを中心としたモールを押されまくり、コラプシングの反則を繰り返し、ペナルティキックからのラインアウトでまたモールを作られて押される−−この繰り返しでリズムを完全に崩されました。それに対して仰星は非常にモールが強く、埼工大のモールを押し返し、たびたびボールを奪いました。ラックになったら9割くらいの確率でボールを奪っていました。モールが押せなかったら埼工大に勝ち目はありません。

●で、埼工大を基準として考えると、もし仮に仰星と久我山が対戦したら、久我山は仰星にモールを押されまくったと思います。FWの強さ、ラック、ラインアウト、バックスの展開力は久我山も仰星もほぼ互角(か仰星の方がやや上)。しかし一番の違いはモールですね。今回に限って言えば、モールが明暗を分けましたね。結局、仰星が一番苦戦したのはAシードの東京農大二高戦で、それを考えると農大二高は強かったと思います。組み合わせが悪かったですね。

●埼工大ですが、半分以上が2年生という若いチーム。しかもトンガ勢が全員2年・1年ということで、来年が楽しみです。しかしもう少しラックでボールを奪う技術を磨き、バックスを強化しないと、次回はベスト8以上に勝ち上がるのは難しいのではないかと思います。頑張って練習してください。


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