海の記憶

朝鮮人従軍慰安婦に捧げる献花

歴史の闇のなかに消え、けっして過去を語らない女たちがいる。

第2次世界大戦中に日本軍によって「女子挺身隊」として、

アジア各地の戦場に送られた

十万ともニ十万ともいわれる朝鮮の女たちである。

1945年、戦争は終り生き残った兵隊たちはくにに帰った。

それから半世紀近くたっても

「朝鮮ピー」とよばれた彼女たちの消息はわからない。

ある者は死に、ある者は南の島に置き去られ、

女の貞潔が尊ばれる故郷には帰らなかった。

わたくしは巫女となって

彼女たちの深い悲しみ「恨」の声を聞こう---

わたくしにできることといえば

彼女たちに捧げる献花としての絵を描くことだった。

鎮魂としてではなく、魂を振るいたたせようとねがう、

魂振りの巫女の歌である。

これらの一連の絵をもとに87年5月、東京築地本願寺境内で

パフォーマンス『海鳴り花寄せ』

(佐藤 信演出、68/71黒色テント)として公演、

その記録映画も作られた(幻燈社制作)。

さらに88年、ロンドン、ベルリン展のために制作したのが

この作品である。

南大平洋の海底で
At the bottom of the Pacific
OIL 162×130

カルンガンの祭りの夜
The night of the festival of Garungan
OIL 162×130