『スペースダンススクール』のご案内『スペースダンススクール』の生徒を募集します。参加希望者は、「東京スペースダンス jv4t-fkhr@asahi-net.or.jp」までお問合せください。 『スペースダンススクール』では、「スペースダンスワークショップ」と「スペースダンス公演」をリアルプロジェクトとして、「スピリチュアルジャーニー」をリアル&ネット上のプロジェクトとして運営し、International Space Dancersを育成をします。 プロのダンサーやアーティストを対象に、「スペースダンスワークショップ」を開催します。最後に、「スペースダンスワークショップ」の成果として、「スペースダンス公演」を開催します。 はじめに、「Butoh」の名称で現在も世界の文化市場に流通する「舞踏」とは、一体どんなダンスなのでしょうか? 「舞踏」は現在、一時の欧米で流行した時期を終り、アフリカ・アジア・南米等への進出を始めており、多くの日本人以外の「舞踏家」を輩出しつつあります。 「舞踏」には暗黒舞踏派と即興舞踏派がありますが、東京スペースダンス代表・福原哲郎は、舞踏第二世代として即興舞踏派に属します。舞踏を『New Butoh Space Dance』として継承しています。 舞踏は、 1960年代後半の日本において、 欧米文化を輸入した明治期以前に存在していた日本の伝統的身体所作と現代ダンスを融合するものとして、土方巽と大野一雄により暗黒舞踏が創造され、笠井叡により即興舞踏が創造されました。 福原哲郎による「舞踏の定義」とは以下のようなものです。 舞踏とは、「内部からのステップ」です。 私が舞踏に魅せられた動機は、ハイテクノロジーの進展だった。身体のもつ根源的感覚をとりもどし、立ち帰ることが、どんな時代よりも緊急に必要になったのだと思う。私の理解するところでは、舞踏は、身体そのもの、つまり身体の根源にある存在を表現しようとする。すぐれた舞踏家はこの時代の危機を感じとっているはずだと考え、私はハイテクノロジーの行方を追う一方で、舞踏の世界に入りこんでいった。そこで出会ったのが福原哲郎だった。 福原は、舞台の正面で舞っていた。指ひとつひとつが凝縮したまま微かに動き、身体が前に進んできた。その瞬間、私は火花が走るように、何かを思い出した。言葉にならない、身体の底から噴き出す波動のような感覚といったらいいだろうか。舞い手の身体は、その何かに添い、何かを放って、寸分たがわずという感じで、空間を切っていた。私は身じろぎもできなくなって、凝視していた。舞踏家の身体の動きが、一瞬にして根源的な感覚を伝えてしまうとは、何ということだろう。 私は今日、世にも澄み切ったダンスを見た。福原哲郎のダンスは、欧米の国々で一般的になった暗黒舞踏とは違い、私が理解した舞踏の真髄に近いものである。 自我の消失についての探求は西欧でも、トレシャ・ブラウンやウィリアム・フォーサイスによっても試行されている。しかし、福原の舞踏の特徴は、ダンサーと演出家は一体であり、彼は自己のダンスの経過を聴きつつダンスしている、という点である。福原は、自己意識からぬけ出しているだけではなく、「自我としての主体」とは異なる「空間としての主体」という新しい位置を獲得している。この「空間としての主体」という観点こそ、今後の芸術や文化において重要な鍵を形成することになる新しい哲学であるゆえに、私が言う意味における舞踏の、独自で、重要な今日的な宝なのである。 この夜、福原哲郎がベイルート劇場で演じたものは、われわれアラブ人には衝撃的な体験だった。それは、福原が、一目でダンスの素晴しいテクニシャンであることを感じさせながら、フォルムに対しては驚くほど淡白で、個々の動きに感情移入することなく、明確な距離をとっていたからである。 なぜ彼はこのように自由に振舞えるのか? 彼は自分自身に聞き入り、魂の森のなかに姿を隠しているようだ。彼は劇場の約束事には縛られず、自分ひとりのままで嬉々としており、ひたすら身体に湧き出してくる驚くべきエネルギーに守られていた。人間の動きには必ず終わりがあるのに、彼の動きはその束縛を逃れ、はじめも終わりもなく、永遠に続いていくように思われた。 スペースダンスは、1994年に福原哲郎が美術家・荒川修作とアフォーダンスに出会ったことを契機として、2001年のニューヨーク国連本部とイスタンブールでの公演で誕生しました。スペースダンスの核心は、「記憶の発掘」と「身体知の情報化」です。そのために「ダンス+建築+情報+デザイン」による共同作業を採用します。 スペースダンスでは、身体は「物語」を表現するための道具ではなく、身体が「物語」です。 スペースダンスワークショップを、「身体基礎 + ウォーキングダンス + コンタクト + Spiritual Journey + 小さな動きの中の天国・スペースダンス構成」の6章により構成します。 身体のすべての関節をやわらかくします。身体と空間の間のエネルギー循環を効率よくするために。 足と腰をやわらかく使い、この世でもっともやさしい歩行をつくり、ゆっくりと全身で呼吸し、身体を客体視して、身体を「ボーンスペース」として意識します。足と地面の間に親和的関係を形成するために。 目隠しをしてパートナーに接触し、視覚を使わずにパートナーの動きを触覚と空間知覚だけで感じ取り、パートナーと同じ動きを表現します。パートナーと一体になり、脳の「感覚の置換作用」を体感するために。 「笑い、セクシャリティ、泣く、歌、カタルシス」を表現します。各人が抱える心のタブーの構造を分析し、自由に振舞うことで、心の抑圧を取り払い、自分の隠された性格や、未知な魅力を発見するために。 ダンスの動きと自分に与えられたエネルギーを制御して、充足できる「最小の動きの世界」を構成します。それにより、雪ダルマのように膨張する世界が身体の奥底から沸きあがることを知り、自分が自分に驚き、「世界を一新させる喜び」を体験するために。 各人のスペースダンスを、「場所のダンス + ウォーキングダンス + コンタクト + スピリチュアルジャーニー + 小さな動きの中の天国 + 花」による6章として構成します。スペースダンス公演を準備するために。 スペースダンス公演を、スペースダンスワークショップの成果として、以下の9章として構成し、上演します。 身体一つで場所に立ち、「身体を客体化してダンスする技術」によりダンスし、エネルギーを身体と場所の間に循環させることで、脳に蓄積された「忘れられた記憶」が、ダンスの動きと共に蘇ることを体験します。 足と地面の間に親和的関係を形成し、身体を「ボーンスペース」として意識することで、この世でもっともやさしい歩行をつくり、人間の「二足歩行の奇跡」を追体験し、「人間をはじめ直す感覚」を体験します。 地面に坐り、ゆっくりと上着を脱ぎ、身体を空間に解放し、自分に訪れる「身体の新しい物語」を予感し、「新しい旅」に必要なエネルギーを蓄えて、最後にゆっくりと立ち上がります。 スペースチューブの中で、バランスを取られることで新しいバランスを回復し、身体の動きが空間により支援される感覚を味わい、次に浮遊し、魚・両生類・鳥・サルの「姿勢」を形成し、次に人間として立ち上がり、最後に「ポスト人間の姿勢」の形成に挑戦します。 スペースチューブの中で、からだを委ね、スペースチューブが自分の「第2の身体」として拡張されていく感覚を味わい、その「「第2の身体」を含めた自分の固有のダンスのフォルムをつくり、楽しみます。 自分の身体がスペースチューブと共に拡張された感覚を残したまま、「笑い、セクシャリティ、泣く、歌」を表現し、 自分の心を溶かし、隠されていた新しい自分を発見し、多様さを増した自分のダンスの動きと共に、多重人格者のようになった多様な自分の姿を表現します。 人間的な劇を超え、植物や動物を含めたあらゆる動きが可能になった至福の感覚の中で、あえて「最小の動き」を選択し、そこに留まり、そのことで雪ダルマのように内部から膨張する動きの世界を体感し、世界に対する感覚を一新させ、自分があらゆる世界に繋がっている喜びを体験します。 地面に「花」を蒔いて挨拶し、地面に横たわり、自分に残されたダンスの生命を放出し、心の中で、空からも「花」を降らせ、「会いたかった人たち」と再会し、自分を喜びに満ちた存在として体験します。 すべての旅を終了し、満身の微笑とともに、観客の方に向って、溶け出すように帰還します。 ラサール芸術大学を代表し、インテリアデザイン学科で行われたスペースダンスのワークショップに対して、心から感謝いたします。ダンスと建築的思考とメディア技術のコラボレーションを可能にするスペースダンスの慣習に囚われない魅惑的な方法は、デザイン教育に新しい思考のパラダイムをもたらしました。 スペースダンスは、若い学生たちの才能をたくみに引き出します。学生たちはワークショップが要求する新しい課題に熱中し、大いに楽しんでいました。われわれ教師はそれを見守りましたが、終了後さまざまな方面から多くの肯定的評価を聞きました。スペースダンスは、人間の動きとモノとテクノロジーの関係を、実に繊細な方法で扱うのです。 スペースダンスは、芸術愛好家にとどまらない多くの観客の心を魅了し広範な層の人びとを獲得していました。それはこのイベントにおいては、身体と空間、建築とテクノロジーの関係に表面的ではない新しい方法による橋がかけられ、一般の人びとにも関係のあるものとして提出されていたからです。 リアル&ネット上のプロジェクトとして、「孤独、旅、記憶、霊感、セクシャリティ、浮遊、聖地、分身、帰還、宇宙」の10テーマによる『スピリチュアルジャーニー』を創作し、構成します。参加者は、作品発表後も、更新させ、発展させることができます。 TOP HOME |