遍路は大変・・(2003年3月1日)

四国と本州には3本の橋が架かっている。3本が多いかどうかはここで述べることではない。橋が架かり始めた頃から観光客の増大を目当てにしたプロジェクトが目白押しだった。が、その目論見はすべて外れ、四国の観光客は暫減している。そんな中、昔から変わらない讃岐うどんと四国遍路の人気は増大している。

讃岐うどんについては後日食べた時のために割愛するとして、四国遍路はかつて空海が修行で歩いた道である。江戸時代「四国遍路道指南」という本が出版され、八十八の札所が決められた。ここから四国遍路はそのブランドを不動のものとする。しかし、遍路は1400キロメートル、歩くと70日ほどかかる。これは大変である。

四国遍路行したいが時間もお金もない。そんな人々の願いをかなえてくれるところがある。今回の目的地「玉川大師 玉眞院」だ。完成したのは昭和9年。オランダ村とかワールドスクウェアとかと同じのりでお手軽に四国遍路を回れるテーマパークの走りのようなものである。しかもここは同時に西国33番所も回れてしまうという一度で二度おいしい場所である。ちょっと節操がないような気がしないこともないが、とにかくご利益はありそうだ。

ツアー当日は雨しかも本降り。3月初旬の雨はとても冷たい。ご利益を求めて集まったのはなんと17人。これだけの大人数が地下霊場へ入ると結構うるさい。当然、本当は必ず静粛にしていなくてはならない。それでも無事順拝を終えストーブの前で暖を取り始めて動けなくなった参加者にご利益があったかどうかは定かではない。

ストーブの暖かさに後ろ髪を引かれながらも、次の目的地である九品仏へ向かった参加者に雨は一層強く降り注ぐ。すぐ来るはずのバスは20分以上遅れている。冷たい雨に打たれながら、寒さに耐える参加者はやはりお手軽に四国遍路は出来ないのだということを思い知らされるのであった。