ふるさとの香り・・(2003年2月8日)

その街は万人を受け入れる。何人が訪れても違和感を覚えさせはしない。その街の懐は底の見えない海溝のように深い。その街の名は「表参道」

若者が来れば最先端空間として輝き、高齢者が来ればプレステージな雰囲気を醸し出す。子供たちをやさしく包み込み、見守る。ここへ来るだけで、おじさんはダンディに、おばさんはマダムになれる。鼻にピアスをした若者がたむろする前を老夫婦が手をつないで通り、その脇を子供が車輪付きスニーカーを駆っている。そんな有り得ないような光景が存在し、一風景として絵になるような街 「表参道」
すべてのものを受け入れると概して無個性な魅力のない街になりがちである。しかし、表参道の魅力は尽きることがなく、表参道らしいという個性がきらびやかに存在している。
今表参道は世代交代が始まっている。高級ブランドのショップが表通りに次々と進出している。一方で長らく表参道の顔として存在していた同潤会アパートはまもなく取り壊しが始まる。

そこで今回のRekisanは同潤会アパート惜別記念テーマパーク・ザ・表参道である。

歩いてみると表参道の魅力は底無しだった。大型ブランドショップに始まり、千差万別十人十色な個性的な店が集まっている。そんなものが売れるのかと思うような店があったり、客が来るのかと思うほどさびしい外れに店が集まっていたりする。大通りがあれば、迷路のような路地もある。個性的な建物と個性的な人々、普通の建物と普通の人々、渾然一体となりながら違和感のない雰囲気を演出している。魅力的な街角を歩いているだけで、心が落ち着いてくるような気がする。既視感があるわけではないが、懐かしい感覚が込み上げてくる。なぜなら表参道はふるさとの香りがするからだ。それは万人に効く一服の清涼剤となりうる。
本日の結果は、岡本太郎記念館を探し出せずに放浪している間に、偶然に偶然が重なり、ポイントをほとんど探し出したS氏(つまり私)のチームが終始ゲームをリードしてそのまま優勝した。