裏の裏          2002.9.14

 

「子供の頃、陣取りってやったよね。そうだ陣取りをしよう!」という一言で企画は決まった。

しかし、「陣取りってどういうゲームだっけ?」子供の頃のあそびというもの、なつかしさは思い出せるが、詳細は断片的にしか思い出せない。さらに地方ごとにローカルルールが存在し、混乱を増幅させる。

 

そんなころ、アタック25に出場する仲間がいた。アタック25はテレビのクイズ番組である。簡単に説明すると4人の回答者が各自の色で、5段5列に並べられたパネルを取っていくのである。間に挟まれたパネルは色が変わってしまう。

 

このアタック25のルールを導入し、陣取りの企画は固まった。山の手線内を25のパネルに分け、壮大なる陣取り合戦は始まった

参加人数が思ったより集まらず、本来4チームにしたいところだが、緑、青、赤の3チームとなった。

まず始めに真ん中の13番パネルをクイズにて奪い合う。ここは青チームがゲット。そして3チームは同時にスタート。

 

4枚のパネルで各チーム沈黙

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

一歩リードした青チームは、先にスタートした2チームが御茶ノ水方面に向かうのを見て信濃町へ行き12番を早々にゲット。赤チームは山の上ホテルへ行き、9番を取った。

さて、緑チームはと言うと、山の上ホテルで昼食を食べようとスタートしたが赤チームに先を越されたので、万世でランチを食べることにして万世橋へ行き10番を取った。

 

端のパネルである10番がゲットされるのがあまりに早かったため、青・赤両チームは衝撃を受ける。「そうかこのゲームでは相手の裏をかかなくてはならない戦略ゲームだったのか」。

 

 

しかし、このパネルゲットはあきらかにミス!角の5番が取れる位置にいながら目の前のパネルとランチに目がくらみ10番を取ってしまっている。痛恨のミスである。緑チームは万世でビールを飲みながら早くも反省会を始めるのであった。

 

さて相手の裏を読まなくてはならないと思った青・赤両チームは緑チームが8番を取るだろうと赤チームが7番の早稲田大学で待機。5番をすぐ取りに行くはずの青チームは遥か先を読み、なぜか14番の楠木正成像で待機。緑チームが動くのを待つ。

 

が、しかし、勝負をすでにあきらめている緑チームはすでにビールが入ったこともあり、根が生えたように万世から動かないのであった。

 

時間は流れていく、しかし、パネルは動かない。不気味な沈黙が流れる。他のチームは何をしているのか。疑心暗鬼がチームを覆う。このまま4枚で終わってしまうのではないか、そんな雰囲気が流れ始めたその時、ついに緑チームが動き出した。8番ゲット。そして、ゲームは怒涛の動きを見せる。

 

ついに緑チームが動いた!

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

青・赤チームも動く!

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

次々埋まっていくパネル

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

「緑チーム動く!」この報を受けた青・赤両チームは猛然と動き始める。いままで長い間待たされた。抑圧されたフラストレーションは時として大いなるモチベーションとなることがある。

 

赤チーム3番ゲット。そしてついに青チーム角パネルの5番ゲット。

続いて緑チームが16番、青チームが15番、赤チームが18番とつぎつぎにパネルが埋まっていく。

一度はゲームをあきらめた緑チームは、赤チームが11番を青チームが7番を取ると想定し、クイズに一縷の望みを託すこととし、はるばる4番の東大安田講堂へ向かった。

 

一方赤チームは11番を取った後、最後の気力を振り絞り、21番のしぶちかへと足を運んだ。青チームはと言うとパネル奪取に勝利が見えたこともあり、完全勝利を狙い17番へと向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半終了さあクイズだ

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

結局のところ、死力を尽くすこととなった陣取り合戦の前半は青チーム優勢のまま終わった。

結果は青チーム6枚、赤チーム5枚、緑チーム3枚。

 

予想されたとおり、初めのパネルの選択ミスが致命傷となり、緑チームの劣勢はあきらかであった。

 

 

 

 

 

アタックチャンス前・青チーム有利か

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

アタックチャンス緑チーム正解!5番を選ぶ

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

アタックチャンス直後のクイズも緑チーム

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

最終結果

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

集合場所に集まった各チームは、残ったパネルをクイズで取り合っていく。

ここであのパネルが動かない沈黙の時間が大きな意味を持つこととなる。

残っているパネルが多いのだ。にわかに生き返る緑チーム。驚異的なクイズ正解率。

しかし、悲しいかな前半で取っているパネルの位置が悪く。

青チーム優勢なままアタックチャンスを迎える。

流れに乗った緑チームか、最初から優勢にゲームを進める青チームか、はたまた底力のある赤チームか。勝負は予断を許さぬ展開となってきた。

 

どこが勝ってもおかしくない。運命のアタックチャンス。緑チーム正解。そしてこの後、緑チームは一気に青・赤両チームをうっちゃり、圧勝した。

 

最終結果、緑チーム18枚、青チーム4枚、赤チーム3枚。

 

この企画、知力、体力、時の運、すべてをふりしぼって行われた。いままででもっとも過酷でエキサイティングな企画となった。(筆者感)

次回は4チームで行いたい。ゲームの流れはまた大きく違うことであろう。今回参加できなかった方、残念でした。次回を待て!

 

 

最後に赤チーム、前半でどんなに最後に気力を振り絞り角パネルを取りに行っても、クイズが全問不正解では、勝てるはずはないのであった。