Walking in the rain  2001.11.10



普段通いなれた道でも気持ちの持ち方で見える風景は変わる。朝早足で歩いている時は勿論、目的があって歩いている時でさえ、景色なんぞ目に入って来る余裕はない。しかし、散歩を目的として周りにほんの少しの視線を配るだけで、小さな発見が数え切れないくらいある。まして、ひとりではなく複数で歩けばなお更である。

さて、今回のrekisanツアーはあいにくの雨。しかも肌寒いと来た。最悪のコンディションと思いきや、歩けば温かくなってくるし、見慣れた所だと思っていた増上寺、東京タワー周辺も雨の中といういつもと違う顔を見せてくれていた。私は雨上がりの色鮮やかな町が日の光に輝いている風景が大好きであるが、雨の中を歩くのもまたいいものである。

一行は増上寺を抜け、東京タワーを横目に見ながら、時節柄警備だろうか機動隊がたくさんいるのをじろじろ見て、愛宕へ。最近竣工したばかりの愛宕タワー内スターバックスカフェで休憩した。この愛宕タワー私が勤めていた 前の会社で工事を受注せんと残業して頑張ったがみごとに失注したという苦い思い出のある建物ではあるが、改めて見てみるとなかなかいい建築物である。ただ隣の住居棟は今一つのような…。近未来の東京の姿を垣間見ているようである。

雨で滑りやすくなった愛宕神社の出世の階段をやっとこさ登り、(この階段の斜度は32.5度)勝海舟と西郷隆盛の会談で有名な愛宕神社へ、二人はここで江戸の町を見下ろしながら話し合い、江戸城無血開城を決めたそうだが、今は木が生い茂り、まわりはビルが建ち並び全く町は見渡せず、当時の面影はない。NHK放送博物館は見学せずに、神谷町から麻布方面へ足を進める。

雨は一向に止む気配を見せず、幾ばくかの疲労感を持ち始めた足には、麻布台近辺の坂の多い道は少々きつかったものの、古いものも新しいものもいい意味で個性的なたてものが多く、興味は尽きない。やはり魅力的な街である。

南欧を意識して造られた戦前のアパート(昭和11年竣工)にはなかなか感動した。あのような建物が周辺にたくさんあったなんてもはや想像できないが、2棟だけでも残っていたなんて我々は運がいい。こんなところなら住んでみてもいいと思ったが、現在入居待ちがたくさんいるようである。残念。

早いものでrekisanも一周年。始める時はここまで盛り上がるとは想像していませんでした。これからもよろしくお願い致します。ということで次回は一周年記念パーティを開催。開催場所が有名な「居酒屋」シンスケというところがいかにもrekisanらしい?。