モデルの街  2001.10.13



武蔵野の台地は、もともと緑と水に恵まれた土地である。宅地化が進んできたとはいえ、新宿から20分ほどでこれだけ緑が残っているのは、自然の恵みと言えるだろう。そこかしこに湧水があり、水の流れる姿をみることが出来る。

国分寺にある日立中央研究所には大きな湧水地があり、白鳥が泳いでいる。この白鳥、昭和34年の皇太子ご成婚の時に大手町の噴水を日立が贈ったときに、御返しとしていただいた番いの三代目だそうだ。何年かに一度陛下が思い出したかのように白鳥は元気か気になさるそうだ。

余談であるが、この日立から南に下がったところにあるのがあの東芝府中工場、住所は府中市東芝町。これほんと、ちなみにその隣は府中刑務所…。

そんな武蔵野の自然を活かした小金井公園のなかにある「江戸東京たてもの園」が今回のrekisanツアーの場所である。「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルになったところということで、わざわざ映画を見に行かれた方も多かったようだ。そういう私は後日見て来た。つまり、映画で雰囲気を思い出す派。なるほどと思う部分も多い反面、どちらかと言うとたてもの園で映画を思い出すほうがお勧めかも。私的にはあの映画の街のモデルは伊香保温泉だと思う。湯屋があるところはもちろん、あの階段の感じ、両脇のお店、なんとなく錆びれた昼間、そして山の中腹にあることによる空に突き出た印象、間違いなく伊香保温泉。行ったことない方は是非、いいとこです。

さて、50年以上前のたてものを集めたたてもの園。なんとも言えないふわふわしたなにか懐かしい感じがする。武蔵野という地域と言い名前と言い、「のすたるじぃ」を感じさせるものを持っている。このたてもの園が臨海副都心にあったら興ざめだろう。良くぞこの地を選んだものだと思う。

懐かしい建物だけではなく、灯篭だとか、赤ポストとか、こまかい点も見所満載。天気がよかったせいか、見学者であふれていた点は意外ではあったが、半日満喫できる場所である。まだまだ空いている場所も多く、これから移転予定の物も多いようである。完成したらもう一度みんなで行きましょう。

散歩の後は黒豚しゃぶしゃぶで二次会。期待以上のお味。あの後、自宅でためした人が続出したとか。これもお奨めです。

次回はひさびさノーマルな歴史散歩。愛宕山近辺を廻る予定。乞うご期待。