狩場山(北海道)

かりばやま 標高1520m。
渡島半島の最高峰で、日本海の近くにある。
2003年夏、大千軒岳を登った翌日に賀老高原キャンプ場から往復した。
前日に泊まった江差の宿を朝が明けやらない早朝に出発し、
ほとんど車の通らない日本海側の道を北上して島牧村を目指した。
海岸沿いで目立つのは意外にも密漁禁止を訴えるのぼりで、
それだけ密漁問題が深刻な様子だった。
島牧村の千走(ちはせ)から賀老高原に向かって舗装道路をたどると、
広い駐車場ときれいなトイレを完備した賀老高原キャンプ場に着いた。
車を駐車場に停め、簡単な朝食を済ませてから歩きはじめた。
コースは旧道から東狩場山を経由して狩場山に達し、
新道を下りてくる周回ルートである。
未舗装の林道に入ってから登山口が出てくるはずが見つからず、
林道の行き詰まりまで行ってしまった。
あたりをうろうろしてから歩いてきた林道を戻り、
やっと茂みに隠れるように建っている標識を見つけた。
おかげでずいぶん時間をロスしてしまった。
8時ちょうどこの旧道登山口から薄暗い林の中に付けられた登山道を登りはじめる。
道は明瞭だが、あまり歩かれていない様子である。
ブナの木が見事である。
ここはブナの北限に近いのにりっぱな木が多い。
高度が増すと笹が多くなり、場所によっては笹藪をかき分けて進むようなる。
ズボンは朝露でびしょ濡れになるし、
笹ダニがいたらいやだなと思いながら前に進む。
木がダケカンバに変わるころ、
登山道は東狩場山頂上の南側の岩塊斜面をたどるようになり歩きにくくなる。
そのうえ不明瞭な所も多くなり、所々に残っている赤テープを確認しながら歩く。
登山口から2時間半近くでやっとハイマツの中に笹原の広がる平坦な場所に出る。
曇り空で景色は見えない。
ここから狩場山の頂上にかけては広い尾根をたどるのだが結構起伏がある。
点在するお花畑では登山道がすっかり植物で覆われているところもある。
このコースを利用する人が少なくなったためか、
道はほとんど痕跡程度になり自然に還ったようだ。
狩場山に近づくと、2箇所で熊の糞に出くわした。
このあたりは熊の散歩場所なのだろうか。
こちらからは気がつかなくても、どこかでこちらの様子を伺っていたのかもしれない。
11時半、誰もいない赤い鳥居のある頂上に着いた。
頂上一帯は雲の上なので日差しが強く痛いくらいだ。
ただし、頂上の少し下まで雲が密集していて遠くの景色は見えない。
日陰で休みたいと思ったがそのような都合のよい場所は見当たらない。
仕方なく登山道脇に腰を下ろして昼食を取り写真を撮ったりしていると、
5人連れのパーティが新道から登ってきた。
40分ほど休んだ後、下山を開始した。
今度は新道コースである。
こちらは旧道コースと打って変わってよく踏まれた快適な登山道である。
途中真駒内コースを右に分けると間もなく雪渓を横切る。
なおも下って樹林帯の中の道をたどると新道コースの登山口に出た。
頂上から1時間40分だった。
この登山口にある案内板を見ると、
旧道コースには×印が上書きされている。
注意書きはなかったが、
道の状態がよくないので歩くのはやめたほうがよいという意味のようだった。
登山口から砂利道を歩くこと1時間で駐車場に帰り着いた。
ゆっくり歩けばもっと時間がかかるだろう。
駐車場に着くころには霧が深くなったため、
賀老ノ滝を見学するのはあきらめ、この日の宿泊地の昆布川温泉に向かうことにした。
次の目的はニセコアンヌプリで、近くまで行っておきたからだった。
山行記録: 2003/07/28 登り3h35m(旧道登山口−頂上) 下り1h40m(頂上−新道登山口)
早朝、賀老高原キャンプ場の駐車場から見た東狩場山。
月曜日のせいか数台の車とキャンプしている数家族がいるだけだった。
写真は、すべてNIKON COOLPIX 5700で撮影した。
林道わきの旧道入口。
登山道の標識が草むらに隠れていたため、
最初はこの入口を見逃してしまい、時間をロスした。
東狩場山から狩場山の間の稜線には所々にお花畑が広がっている。
左の写真のあたりは道が痕跡程度のため、
前に進むのに草の葉をかき分け、
時には茎を踏みつけなければならない。
頂上は広い草原の中にある。
どこに頂上があるのかわからないほどだ。
赤い鳥居のある頂上。
頂上は雲の上に出ているため、直射日光が痛いほどだったが、
日をさえぎるものがない。