神室山(秋田県/山形県)

かむろさん 標高1365m。

 秋田県と山形県の県境にあり、宮城県にも近い。
 2002年の夏は、東北地方の山を車を使って回った。 羽後朝日岳、五葉山、そしてこの神室山の順である。 五葉山に登った後、秋田県側から神室山に登るつもりだったので、登山口の近くにある秋ノ宮温泉郷に宿を取りたかったのだが、 移動に時間がかかり、宮城県側の東鳴子温泉に泊まることになった。
 翌日の朝早く東鳴子温泉を出て、秋ノ宮温泉と役内の集落を通って、 鳥居のある西ノ又川沿いの林道に入り、6時前に登山口に着いた。 前神室山に通じるパノラマコースの登山口には案内板があり、周囲にはかなりの台数の駐車スペースがある。 まだ1台の車もないので、日が当たらない木陰の場所を選んで車を停めた。 登りに西ノ又川コースを、下りにパノラマコースを取ることにして、6時過ぎに林道を歩き始める。 15分ほどで林道は終わり山道となるが、歩きやすい道である。 吊橋を2つ渡った後、左岸から右岸への渡渉点に着いたのが7時15分だった。 まだ時間に余裕があるので、釣り竿を出してトンボを餌にして釣りをやってみた。 45分ほど付近を探ってみたがアタリがないので釣りはあきらめ、8時に登山を再開した。 右岸に渡ってひと登りすると大木に囲まれた不動明王の祠に出る。 近くの湧き水で喉を潤し、胸突き八丁坂の急登にとりかかる。 この道は修験道の信仰登山にも使われた古い道らしく、 急登でありながら足場にうまく木の根を利用したりして自然に足が踏み出せる感じになっている。 作られて年月の経っていない登山道は往々にして不自然に道が切られていて、 余計な神経を使ったりするものだが、この道はそういうことがない。 樹林帯の中の急坂をたっぷりと汗を搾り取られながら登りきると、 開けた草原状のところに出る。 御田ノ神の祠の脇を通って尾根に上がると、やっと神室山の頂上が見えてくる。 ここまで来れば頂上は近いのだが、炎天下とあってあまりピッチはあがらない。 パノラマコースとの分岐で少し休んで頂上に向う。 無人の頂上に9時半着。 周囲の展望を見ながら早い昼食を取る。 日蔭がなく風も弱いので、相当に暑い。
 30分休んだ後、10時に下山を開始する。 パノラマコースを取る。 前神室山の登りに差しかかると左に水晶森への道が分かれるが、 ここから先は登山道の刈り払いがされていない。 前神室山をはさんでしばらくの間は草で足元がよく見えない箇所もある。 この前神室山への登りでこの日初めての登山者に出会った。 若い男性の単独登山者だった。 前神室山からの下りは、尾根通しで途中に多少の登り下りがあるものの、あまり面白い道でもない。 思ったより長い道のりに少々飽き飽きしところやっと植林された斜面になり、 12時半に登山口にたどりついた。 出発するときにはなかった登山者の車が4台あった。 まだ時間が早いので、秋ノ宮温泉で入浴して汗を流した後、東北自動車道の古川ICに出て、 帰京の途についた。
 神室山の西ノ又川コースは、 昔からのルートだけあって歩きやすい上に変化に富んでいて飽きさせない。 これに引き換え、パノラマコースはあまりおもしろいコースには思えなかった。 登りと同じルートを歩くよりましといった程度だ。

 歩行記録  2002/07/31 登り:登山口−頂上 3h10m 下り:頂上-登山口 2h35m

 西ノ又川にかかる第2吊橋。 木の幹を使って吊橋のロープを固定している趣のある橋だ。

 不動明王の祠。  近くにはおいしい湧き水が出ていて、小休止するのによいところだ。

 胸突き八丁坂を登りきると視界が開け、御田ノ神の祠に出会う。 背後に見えているのは、1325mのピークで、神室山の頂上はこの背後にある。

 パノラマコースとの分岐から見た神室山。右肩に避難小屋が見える。

 頂上。

 頂上から振りかえって見た1325mのピーク(右側)と前神室山(中央左手奥)。

 頂上から南側の眺め。中央奥の高いピークは小又(こまた)山。神室山より1.5m高い。

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