ございしょやま 標高1210m。
三重と滋賀の県境上、四日市市から約20kmの距離にある。
観光地としても名の知れた山なので、
喧騒の人ごみは避けたい気持ちがあり、
行きそびれていた。
2003年秋になってK555の例会(熊野古道)で紀伊半島に出かける機会があり、
一足先に出発して平日に立ち寄ることにした。
金曜日の始発の「のぞみ」で東京を発ち、
名古屋駅で三交湯ノ山温泉行きバスに乗り換えた。
「のぞみ」はビジネス客で満席だったが、
行楽地に向かう大型バスは平日のためかがらがらだった。
名古屋から1時間で湯ノ山温泉着。
4日間の荷物を持っているので、
不要な衣類などは置いて身軽にして登りたいと思い付近を見回すが、
コインロッカーが見当たらない。
坂道を10分ほど登ったロープウェイ駅に行くとコインロッカーがあったので、
大部分の荷物をそこに入れた。
10時前に頂上を目指して歩きはじめた。
いくつかある登山道のうち中登山道を選んだ。
変化に富んでいそうだと思ったからだ。
ロープウェイの駅からいったん温泉街に下ってから、
ほとんど車の通らない舗装道路を登っていく。
鈴鹿スカイラインと交差するところに中登山道登山口の標識がある。
ここから山道が始まる。
10月末にしては気温が高く、汗が滴り落ちる。
道は風化した花崗岩に切られていて、
ところどころ樹木の間が広く開けて展望の得られる場所がある。
紅葉がちょうどよい時期にさしかかっているようで、
色とりどりの木の葉とむき出しの岩場のコントラストが見事だ。
平日なのに歩いている人がけっこう多い。
ロープウェイの下を通って高度を上げて行くと、
花崗岩の巨岩があったり、
キレットと呼ばれる岩場があったりで歩いていて飽きない。
登山者にも人気があるわけである。
けっこう急な斜面を息せき切って登りきるとロープウェイの駅がある山上公園で、
観光客が歩き回っていた。
平日にこれだけの人がいるなら、土日の休みの日であれば大変な混雑になりそうだ。
西の方を見ると三角点のあるピークが見える。
登ってきた東側の急斜面とは対照的になだらかな高原状になっている。
一休みしてから舗装された遊歩道を歩いて頂上に向かった。
ロープウェイを利用して登ってきた人たちがぞろぞろ歩いている。
登山のかっこうをしている人は少数派だ。
12時過ぎ頂上に着く。
今日の天気は予報によれば全国的に晴れのはずで、
青空を期待していたのだが、雲が多くてすっきりとした快晴ではない。
下りは時間がたっぷりあったが、
腰痛の不安からロープウェイを利用した。
登りは痛みもなくなんとか無事に歩けたが、
下り道で腰に負担をかけると翌日からの熊野古道歩きへの影響が心配だったからだ。
山上公園まで歩いて戻ってから、
ロープウェイで紅葉を見下ろしながら湯ノ山温泉に下り、
バスと近鉄電車を乗り継いで四日市に出た。
そのあと、紀勢本線の特急でこの日の宿を予約してある紀伊勝浦へと向かった。
歩行時間 2003/10/31 登り2h30m
中腹の登山道からから見上げた御在所山。
白いロープウェイの鉄塔が目障りのようでもあり、
アクセントになっているようにも見える。
変わった形の花崗岩や、
風化して溝状になった道など自然の造形の妙を楽しめる。
山上公園から西側の眺め。
東側の急峻な斜面と異なり、なだらかな曲線を描いている。
中央の丸い頂が三角点のある頂上。