あまぎさん 標高1408m。
天城山は、もちろん百名山に数えられている伊豆半島の名山である。
今回の山行記録は2008年4月のときのもの。
筆者が最初に登ったのは1982年であるから、
26年ぶりの再訪である。
早朝の地下鉄に乗って東京駅へ。
山登りとはあまり関係のない話だが、
つい一週間前から東海道新幹線では新しいEX-ICサービスが始まり、
JRの丸の内側からの改札口通過が便利になった。
筆者が新幹線を利用するときは地下鉄で東京駅まで行くので、
従来のエクスプレス予約ではJR東日本の丸の内側改札口の通過が問題だった。
これからは、EX-ICカードとSUICAを持っていれば、
SUICAでJR東日本の改札口をチャージなしで通過し、
新幹線に乗れる。
便利になったというより、
今までこういう仕組みがなかったのでおかしいのだが。
新幹線が品川駅を過ぎると、
早くも富士山が見えてくるが、
だいぶ霞んでいる。
4月に入れば晴天でも冬の澄んだ青空とは違う。
熱海駅で新幹線から伊東線に乗り換える。
こちらの車内はガラ空きである。
沿線の桜の花を見ながら伊東駅まで20分ちょっと。
伊東駅からは8時発のバスで天城高原ゴルフ場に向かう。
天城東急リゾートシャトルバスといい、
運賃は500円と安い。
大型バスに乗客は15人。
大半が登山客のようだ。
8時55分終点の天城高原ゴルフ場着。
霞んだ富士山が見えている。
すぐ近くにある登山口から歩き始める。
アセビなどの茂る林の中の道は薄暗い。
1時間弱で万二郎岳の頂上。
展望がないので小休止したのち、
万三郎岳に向かう。
少し下ると岩が露出している場所があり、
正面にこれから歩く稜線と万三郎岳が頭を出している。
さらにアセビのトンネルやシャクナゲの木を見ながら進むが、
花の季節はもう少し先だ。
万三郎岳の頂上直下はやや急で、
日陰の斜面には雪が残っている。
天城山の最高地点万三郎岳頂上には、
すでに数人の登山者が休んでいた。
26年前と比べ、案内板や標識は新しくなっていたが、
雰囲気は変わっていない。
昼食のおにぎりで腹ごしらえをしてから、
八丁池への縦走路をたどる。
周回路の分岐を過ぎると、
とたんに人が減り、
静かな山歩きとなる。
ところどころにヒノキの小規模な植林地があるほかは、
自然がよく残っていて、
気持のよい散策路といった趣である。
しかし、八丁池まではけっこう長く2時間ほどかかった。
八丁池までくると、
天城峠方面からやってきた人たちが休憩舎や湖畔で休んでいた。
それでも花の季節には早いせいか人影はまばらで、
池は静寂なたたずまいだった。
草の上に腰をおろして休んでいると、
体が冷えてきて寒い。
標高が1000m以上もあるから当然気温も低い。
ここからの下りは、天城峠に直接出るルートを取るつもりだったが、
崩壊のため通行止めの表示があったので、
「下り御幸歩道」で水生地へ向かうことにする。
その前に展望台に寄って、
回りの景色を確認した。
天城山縦走路は、
自然林の残るよいコースだが、
雄大な景色を楽しめるところは限られている。
展望台からは、ゆったりとした丘のように見える山に囲まれた池越しに、
富士山も遠望できなかなかの絶景である。
水生地に下ってもまだ時間の余裕があったので、
旧天城トンネルまで足を延ばすことにした。
小説「伊豆の踊り子」に出てくる旧天城トンネルに、
多少興味があったからだ。
トンネルに通じる舗装されていない道は、
小説の書かれた時代とあまり変わっていないのかもしれない。
途中ではアカガシの木で休眠芽を少々採集した。
家にあるキリシマミドリシジミの卵が孵化した時の餌にするためである。
旧天城トンネルの入り口で、
観光客に混じって写真を数枚撮ったのち、
直下にある新天城トンネル脇の「天城峠」バス停に出た。
あとは修善寺駅から三島駅経由新幹線利用で帰宅した。
歩行記録 2008/04/05 登り(天城高原ゴルフ場−万三郎岳) 2h45m
下り(万三郎岳−天城峠バス停) 4h15m
うっそうとした林の中の万二郎岳の頂上。
2008年の写真5枚は、
すべてPENTAX K10D・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。
万二郎岳頂上から万三郎岳に向かって少し下ると露岩があり、
ここから馬の背のとその先に万三郎岳が見える。
このころには薄雲が広がり、
富士山は隠れてしまっていた。
天城山の登山道では、南国らしくアセビの木が多く、
ほかにサラサドウダンツツジ、ヒメシャラ、リョウブなどの木が目立つ。
だが、標高の高い縦走路一帯には見事なブナの林が残っている。
万三郎岳の頂上。
ここの頂上も木々に囲まれている。
数人の登山者が休んでいたが、
ここを過ぎて八丁池へ向う道に入ると、
とたんに人影が減り、
静かな山道となる。
八丁池の展望台からの景色。
いかにも火口湖らしく、山稜に囲まれた1125mの山上にある。
周辺の落葉樹はまだ冬の気配のままで、
色づいていない。
池の向こうには富士山が顔を出している。
1982年10月23日に、万三郎岳に登った時の写真である。
カメラはRollei35Sである。
当時、主な山行にはCANON F1を使用していて、
Rollei35Sはときどきしか使った記憶がない。
このときは、会社の職場旅行の機会を利用して、
山好きの仲間3人と天城山に登った。
ルートは、天城高原ゴルフ場から万二郎岳経由で万三郎岳に達し、
下りは周回コースを取って登山口に戻った。
その後、職場の他のメンバーと合流し大滝温泉に泊まった。