ワレモコウ

ワレモコウはバラ科の多年草で、国内では北海道から九州まで分布する。 漢字では「吾亦紅」と書くのが一般的で、「吾(われ)も亦(また)紅い花」から来ているといわれるが、ほかにも「吾亦香」など様々な字が当てられ、諸説があるようだ。
卵形で暗紅紫色のワレモコウの花は、秋の訪れを感じさせ、生け花などで広く親しまれている。
蝶の世界では、ゴマシジミの食草として知られている。 もうずいぶん昔のことだが、そのゴマシジミを狙って北富士演習場に出かけたことがあり、広い演習場にたくさんのワレモコウが咲いていたのを思い出す。
高尾山では一丁平など明るく開けた場所で見ることができる。
小さな花の集まりの穂状花序を拡大してみると、円内の写真に示すようにけっこう面白い構造であることがわかる。 他の多くの穂状花序の花と異なり、開花は花穂の上から始まり下方に向かって進むので、花穂の下のほうはまだ蕾の状態だ。 その上の開花間もない部分はピンク色をしていて、黄色の花粉が目立つ。 開花して時間が経った上の方の花は濃い紅紫色になっている。 もっともこれは花弁ではなく萼片なのだそうだ。
2020/9/19撮影

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