ツチアケビ

ラン科の腐生植物で、ナラタケと共生する。 地上部に葉はなく、地中から数十cmの花茎を上に伸ばし、たくさんの黄褐色の花をつける。
ラン科の仲間は、その花の色や形が実に様々だ。 中でも、このツチアケビはとても変わった姿をしている。 まず、大きさである。 腐生植物といえば、比較的小型のものが多いが、ツチアケビは草丈が1mにもなることがあるらしい。 黄褐色の花自体はそれほど派手な色合いではないのだが、長く伸びた花茎に多数の花が咲いていると、その異様な形で、薄暗い林内でもけっこう目立つ存在である。
花が終わると、ソーセージのようなと形容される赤い実(写真左下の円内)を多数つける。
和名の漢字表記は土木通で、実の形がアケビの実に似ていることから付けられたと言われる。
日本国内では、北海道から九州にかけて分布する。 高尾山では、1号路や南高尾などが生育地として知られていて、右の写真の花は南高尾山稜に通じる林道脇で撮影した。 左円内は花の部分の拡大写真で、中央に黄色で受け皿のように見えるのが唇弁。 左下円内は赤く色づいた果実(2020/9、1号路)。
2019/7/3撮影

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