テイカカズラ

テイカカズラはキョウチクトウ科に属するつる性常緑低木。 日本では本州から九州にかけて分布していて、高尾山でも全山のところどころで見ることができる。
6月頃には、径2〜3cmの白い花を咲かせる。 白く見えるのは、花弁の先端部が5裂した裂片で、ねじれているためにプロペラを連想させる。 花は登山道を歩いているときでもよく目立つが、足元に散った花びらで気づくことも多い。
花に劣らず変わった格好をしているのが果実。 秋になると、長さが20cmほどの弓状の赤い袋果2本が対となって枝からぶら下がるのだ。(写真左下円内)
さらに熟すると、果実の鞘が割れ、冠毛をつけた種子が顔を出す。(写真右下円内)
和名は、歌人の藤原定家に因んでいる。 女流歌人であった式子内親王を愛していた定家は、その死後、蔦(テイカカズラ)となって式子内親王の墓石にからみついていたという謡曲「定家」の話に基づくとされる。 そういったいきさつを知った上でテイカカズラを見ると、ただのつる性の植物とは違った存在として見えてくるようだ。
花は、もみじ台で2021/6/20撮影

[Back]