クマガイソウ

クマガイソウは、ラン科の多年草で北海道南部から九州にかけて分布する。
花はたいそう大きく、10cmほどもあり、唇弁が袋状に膨らんでいるのが特徴。 まさに高尾山で見られる山野草の王様格。
クマガイの名は、源平の戦いで名をはせた武将・熊谷直実(くまがいなおざね)にちなんでいる。 熊谷直実の肖像画を見ると、大きな袋のようなものを背負っている。 母衣(ほろ)と言われる武具の一種である。 これをクマガイソウの唇弁に見立てているのだ。
なお、近縁のアツモリソウの名は、熊谷直実に討ち取られた平敦盛(たいらのあつもり)から取られている。
右の写真は、一丁平北側まき道で撮影した。 高尾山域ではほかに、もみじ台から尾根道を西に向かって下った途中などでも見られ、南高尾の群落もよく知られている。
高尾山では一時、絶滅状態になったらしいが、いつまでも残っていてほしいものだ。
2018/4/22撮影

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